第4章 鬼神の怒りと魔改造戦士の涙
梓は墓地のさらに奥にある森で結界を解き、静寂の深い森へと案内した。そこは動物も虫も居ない、樹齢何千年以上の神木が並ぶ神秘の世界だった。すると一際目立つ巨木に扉が付いているのを発見し、ここがチカミチと説明した。
「森の隠れ家だな。小精霊達も喜びそうだ」
「強力な結界に、迷いの森。これなら強力な術師も入って来られないな」
「では、中へと案内しますべ」
扉を開けると中は蛍のような光が舞っており、広い空洞には巨木の根が柱のように伸びていた。そしてしばらく木の階段が続いた。桜龍は予想外の顔をし、梓に質問した。
「・・・近道って言うから、てっきり扉を開けたら米沢!!かと思いました」
「世の中そんな甘くないべさ。チカミチはひたすら地底を進むだず」
梓は呆れながら桜龍に言った。彼女は少し砕けた口調に変わっていたのに皆、微笑んでいた。
「あちゃー、チカミチは地下道だったのかー」
「はは、一本取られたな、桜龍」
「でも、神秘的な地下道ね。人間も他種族も踏み入れてない事が分かるわ」
「土竜族以外が歩くのはあなた達が初めてダズ。だけど、長い階段を下るのもキツイと思うから、浮遊石をだすです」
梓は口笛を吹くと、翡翠色に輝く球体が目の前に上がって来た。5人から6人入る程の大きさである。球体から穴が広がり中に入れた。するとプニプニした手触りだった。
「気持ち良いなぁ。外は宝石のようで中は柔らかい」
「安全を考えて、万が一の時に衝撃に耐えられるように作りましたダズ」
梓は呪文を唱えると浮遊石はゆっくり下降し、数秒で地底世界へ着いた。
地底世界は、地下深くとは思えない程、空間が広く開放的で窮屈さを感じさせなかった。地底で育つ植物や木も植っており空気も心地良く、土壁には光り輝く鉱物が多く埋まっているので、昼間並みに明るかった。皆は初めて来た地底世界に心を躍らせていた。
「凄いぜ!!これが地底世界か。どこまで続いているんだ?」
「北は津軽。南は美濃まで続いているだず。地底世界もまだまだ未開発の地が多いから、全国で住めるか調査をしとるべさ」
「地底での移動手段はどうしているのですか?馬や牛は居なそうですが」
千里とモトスは動物の気配はしないと感じていた。
「それを、今から体験してもらうべさ。ただし、誰にも言ってはなりませんべ」
梓は少し口元を緩め、嬉しそうに鉱物の道を進んだ。桜龍達はどんな体験だろうと予想していた。目的地に着くと、水晶で出来た荷台が置いてあり、金剛石で敷かれた2本の線が遥か遠くまで伸びていた。荷台は魔力か磁力かで浮いていた。
「これは・・・初めて見るが綺麗な乗り物だな。仕組みはどうなってるのか?」
「これは、『とろっこ』と言うべさ。水晶と線路に掛けている魔力と磁力が合わさって、浮遊しているべさ」
「これは、僕達の為に作ったのですか?」
「本来は小人用で小さいけど、貴方達が来ると知り、人間用の『水晶とろっこ』を用意したべさ」
「荷台が座席のように作られているな」
桜龍はとろっこに掛けられた魔力を分析すると、速くて便利そうだなと察し、ニヤニヤしながら梓に頼んだ。
「このとろっこ、山陰の出雲まで伸ばせない?」
梓はあっさり首を横に振った。
「まずは山陰の地底を開発して、小人が住み始めて需要があるか調べてからだべ」
「やっぱり難しいか・・・」
桜龍と仁摩は残念そうな顔をしていた。
座席は3列で6人座れるよう作られている。席は座ると柔らかい物体に変わり、座り心地が良い。梓は先頭に座り、2列目にモトスと千里、3列目は桜龍と仁摩が座った。モトスは乗車中の注意点を梓に聞いた。
「物凄い速さで進むのが分かるが、何か気をつける事はあるか?」
「心配無用だべ。とろっこは線路から脱線しないよう術を施してる。一瞬、地上に出るけど特に気にしなくても大丈夫べさ」
梓は皆が座席についたのを確認し、とろっこに呪文を唱えた。すると、クリスタルで出来た薄い窓が現れ、トロッコを包み込んだ。
「換気機能もあるから苦しくはないだず。もっとも、10分もかからず着くから心配ないべさ」
梓は口笛を吹き、とろっこに合図した。桜龍と仁摩とモトスはゴクリと唾を飲み、緊張していたが、発車したと同時に、彗星のような速さで驚く間も無かった。
「ひえぇー!!!」
桜龍と仁摩が絶叫している一方、モトスは楽しんでいた。
「おお!!これはなかなか気持ち良いぞ!!」
千里はまぶたを閉じ、師匠でも母でもある安曇に心の中で語った。
(安曇様、娘さんの梓殿は立派に僕達を導いています)
出発して間もなく、一瞬地上に出て、会津の五色沼と磐梯(ばんだい)山が見えた。動体視力の良いモトスは感動していた。
「五色沼と磐梯山初めて見たが、自然豊かで綺麗だな」
「地上に出て、人間達に見つかる心配はありませんか?」
千里は冷静に梓に聞いた。
「ここは地上でも他種族が踏み入れない地だべ。万が一入ってきても結界で線路は見えないべさ」
あっという間に磐梯山から地下隧道へ入り、一気に目的地に着いた。
「ここが、米沢の地底だず。乗り心地はどうだっただずか?」
「ふむ、気持ち良かったです。また乗りたいと思っています」
「流石は高度な技術と魔力を持つ土竜族ですね」
モトスは大満足な笑みを浮かべ、千里も爽快感を味わい終えていた。一方、桜龍と仁摩は目を回していた。
「ふぅ・・・もう着いたのか・・・?」
「・・・馬で宍道(しんじ)湖を一周するより遥かに速かったわ・・・」
モトスと千里はふらふらの2人に肩を貸し、辺りを見渡すと、大きな地底湖があった。近くで見ると湯気が立っており湖よりも温泉に見えた。
「米沢は温泉が多いから、この辺りの地底は湯が湧くべさ」
梓が説明していると、過去に会ったことがある、赤毛の小人の女性が駆けつけてきた。
「あら?お前さん方は、亘(わたり)の友人だべさ!!」
「おお!!ユリさんお久しぶりです!!」
「ユリ様、お知り合いだずか?」
ユリは桜龍達に嬉しそうに挨拶した。ユリは、土竜王『八郎』の娘であり、少し前の小田原征伐時に世話になった。すると、赤毛の大男も彼女の後に付いてきていた。
「皆よ、長旅ご苦労だったな。梓も案内ありがとう。球磨から聞いたぞ。今、東北は魔改造戦士により危機に面しているとな」
亘はユリの息子であり、海洋族と土竜族の混血。前は敵だったが、母との再会と海王神いすみとの和解により、今は頼もしい仲間となった。
「亘も地底世界に来ていたのか。海洋族の皆は東北の事を知っているのか?」
「ああ。いすみ様も仲間も承知だ。拙者はいすみ様に土竜族と海洋族の架け橋になって欲しいと頼まれたのだ」
梓は土竜族と海洋族が和解した事を知らなかったので驚いていた。
「私が戸隠へ行くずーっと昔から断交していたのに、和解できたべさ!!」
「ああ。相変わらず父上は素直じゃねーが、海洋族とは元通り手を取り合う仲に戻ったべさ」
ユリは話題を変え、桜龍に地図を渡した。
「これは東北の地図だべさ。地底への入口はあなた達にしか見えないよう術をかけたべ。あと、仙台の地底村から聞いた話だと、奥州街道から行くのはやめた方が良いべさ。多賀城の警備が厳しいらしいだず」
桜龍達は重要な情報をありがとうございますと礼を言い、ユリから地図を受け取り別れた。
梓は現在地から浮遊石を呼び、桜龍達を乗せ一気に地上へ上がった。すると、戸隠の地下と同じ巨木の根の上に降ろされ、少し階段を昇ると扉があった。扉を開けると、米沢の深い森に出た。
「ここも強い結界が張られているな」
「では、私の案内はここまでになるべさ」
「戸隠から米沢まで世話になった、梓殿。後日、お礼をしたいと思っている」
「地底世界を案内してくれて、ありがとう、梓さん。とろっこは驚いたけど、良い経験を味わえたわ」
千里は何か言いたそうな素振りだった。梓は上目遣いで千里の顔をじっと覗いた。
「梓殿・・・」
「千里?どうしただず?」
「魔改造戦士を造った黒羽を知っていますか?」
「黒羽か・・・八郎様に次ぐ強大な魔力と知力を持つ追放者。あの女は私利私欲で土竜族を改造しようとしていたべさ・・・」
「安曇様も言っていました。黒羽は闇の者に手を貸しています。土竜族にも危機が」
「心配は無用だず。土竜族は奴らにやられはしないべさ。千里達は何も気にせず、魔改造戦士を討伐するべさ」
「梓殿・・・どうか、ご無事で。」
千里は梓に赤い袋の御守りを渡した。そして、大地の力を込め、梓と土竜族の無事を祈った。
「・・・ありがとう、千里。何かあったら八郎王や土竜族を頼るべさ。さぁ、伊達の坊やが治める米沢城は森を出て、畑道を歩けば城下町に着くべさ」
梓は笑顔で別れを言い、小さい体で背伸びをし、手を振った。そして、木の扉を開け地底に戻った。
「梓さんなら心配ないさ。亘も居るし、今は海洋族と飛天族だって味方だからな」
「・・・そうですね。球磨さんと湘さんが待っている米沢へ行きましょう」
一行は森を出て米沢城へ向かった。
「森の隠れ家だな。小精霊達も喜びそうだ」
「強力な結界に、迷いの森。これなら強力な術師も入って来られないな」
「では、中へと案内しますべ」
扉を開けると中は蛍のような光が舞っており、広い空洞には巨木の根が柱のように伸びていた。そしてしばらく木の階段が続いた。桜龍は予想外の顔をし、梓に質問した。
「・・・近道って言うから、てっきり扉を開けたら米沢!!かと思いました」
「世の中そんな甘くないべさ。チカミチはひたすら地底を進むだず」
梓は呆れながら桜龍に言った。彼女は少し砕けた口調に変わっていたのに皆、微笑んでいた。
「あちゃー、チカミチは地下道だったのかー」
「はは、一本取られたな、桜龍」
「でも、神秘的な地下道ね。人間も他種族も踏み入れてない事が分かるわ」
「土竜族以外が歩くのはあなた達が初めてダズ。だけど、長い階段を下るのもキツイと思うから、浮遊石をだすです」
梓は口笛を吹くと、翡翠色に輝く球体が目の前に上がって来た。5人から6人入る程の大きさである。球体から穴が広がり中に入れた。するとプニプニした手触りだった。
「気持ち良いなぁ。外は宝石のようで中は柔らかい」
「安全を考えて、万が一の時に衝撃に耐えられるように作りましたダズ」
梓は呪文を唱えると浮遊石はゆっくり下降し、数秒で地底世界へ着いた。
地底世界は、地下深くとは思えない程、空間が広く開放的で窮屈さを感じさせなかった。地底で育つ植物や木も植っており空気も心地良く、土壁には光り輝く鉱物が多く埋まっているので、昼間並みに明るかった。皆は初めて来た地底世界に心を躍らせていた。
「凄いぜ!!これが地底世界か。どこまで続いているんだ?」
「北は津軽。南は美濃まで続いているだず。地底世界もまだまだ未開発の地が多いから、全国で住めるか調査をしとるべさ」
「地底での移動手段はどうしているのですか?馬や牛は居なそうですが」
千里とモトスは動物の気配はしないと感じていた。
「それを、今から体験してもらうべさ。ただし、誰にも言ってはなりませんべ」
梓は少し口元を緩め、嬉しそうに鉱物の道を進んだ。桜龍達はどんな体験だろうと予想していた。目的地に着くと、水晶で出来た荷台が置いてあり、金剛石で敷かれた2本の線が遥か遠くまで伸びていた。荷台は魔力か磁力かで浮いていた。
「これは・・・初めて見るが綺麗な乗り物だな。仕組みはどうなってるのか?」
「これは、『とろっこ』と言うべさ。水晶と線路に掛けている魔力と磁力が合わさって、浮遊しているべさ」
「これは、僕達の為に作ったのですか?」
「本来は小人用で小さいけど、貴方達が来ると知り、人間用の『水晶とろっこ』を用意したべさ」
「荷台が座席のように作られているな」
桜龍はとろっこに掛けられた魔力を分析すると、速くて便利そうだなと察し、ニヤニヤしながら梓に頼んだ。
「このとろっこ、山陰の出雲まで伸ばせない?」
梓はあっさり首を横に振った。
「まずは山陰の地底を開発して、小人が住み始めて需要があるか調べてからだべ」
「やっぱり難しいか・・・」
桜龍と仁摩は残念そうな顔をしていた。
座席は3列で6人座れるよう作られている。席は座ると柔らかい物体に変わり、座り心地が良い。梓は先頭に座り、2列目にモトスと千里、3列目は桜龍と仁摩が座った。モトスは乗車中の注意点を梓に聞いた。
「物凄い速さで進むのが分かるが、何か気をつける事はあるか?」
「心配無用だべ。とろっこは線路から脱線しないよう術を施してる。一瞬、地上に出るけど特に気にしなくても大丈夫べさ」
梓は皆が座席についたのを確認し、とろっこに呪文を唱えた。すると、クリスタルで出来た薄い窓が現れ、トロッコを包み込んだ。
「換気機能もあるから苦しくはないだず。もっとも、10分もかからず着くから心配ないべさ」
梓は口笛を吹き、とろっこに合図した。桜龍と仁摩とモトスはゴクリと唾を飲み、緊張していたが、発車したと同時に、彗星のような速さで驚く間も無かった。
「ひえぇー!!!」
桜龍と仁摩が絶叫している一方、モトスは楽しんでいた。
「おお!!これはなかなか気持ち良いぞ!!」
千里はまぶたを閉じ、師匠でも母でもある安曇に心の中で語った。
(安曇様、娘さんの梓殿は立派に僕達を導いています)
出発して間もなく、一瞬地上に出て、会津の五色沼と磐梯(ばんだい)山が見えた。動体視力の良いモトスは感動していた。
「五色沼と磐梯山初めて見たが、自然豊かで綺麗だな」
「地上に出て、人間達に見つかる心配はありませんか?」
千里は冷静に梓に聞いた。
「ここは地上でも他種族が踏み入れない地だべ。万が一入ってきても結界で線路は見えないべさ」
あっという間に磐梯山から地下隧道へ入り、一気に目的地に着いた。
「ここが、米沢の地底だず。乗り心地はどうだっただずか?」
「ふむ、気持ち良かったです。また乗りたいと思っています」
「流石は高度な技術と魔力を持つ土竜族ですね」
モトスは大満足な笑みを浮かべ、千里も爽快感を味わい終えていた。一方、桜龍と仁摩は目を回していた。
「ふぅ・・・もう着いたのか・・・?」
「・・・馬で宍道(しんじ)湖を一周するより遥かに速かったわ・・・」
モトスと千里はふらふらの2人に肩を貸し、辺りを見渡すと、大きな地底湖があった。近くで見ると湯気が立っており湖よりも温泉に見えた。
「米沢は温泉が多いから、この辺りの地底は湯が湧くべさ」
梓が説明していると、過去に会ったことがある、赤毛の小人の女性が駆けつけてきた。
「あら?お前さん方は、亘(わたり)の友人だべさ!!」
「おお!!ユリさんお久しぶりです!!」
「ユリ様、お知り合いだずか?」
ユリは桜龍達に嬉しそうに挨拶した。ユリは、土竜王『八郎』の娘であり、少し前の小田原征伐時に世話になった。すると、赤毛の大男も彼女の後に付いてきていた。
「皆よ、長旅ご苦労だったな。梓も案内ありがとう。球磨から聞いたぞ。今、東北は魔改造戦士により危機に面しているとな」
亘はユリの息子であり、海洋族と土竜族の混血。前は敵だったが、母との再会と海王神いすみとの和解により、今は頼もしい仲間となった。
「亘も地底世界に来ていたのか。海洋族の皆は東北の事を知っているのか?」
「ああ。いすみ様も仲間も承知だ。拙者はいすみ様に土竜族と海洋族の架け橋になって欲しいと頼まれたのだ」
梓は土竜族と海洋族が和解した事を知らなかったので驚いていた。
「私が戸隠へ行くずーっと昔から断交していたのに、和解できたべさ!!」
「ああ。相変わらず父上は素直じゃねーが、海洋族とは元通り手を取り合う仲に戻ったべさ」
ユリは話題を変え、桜龍に地図を渡した。
「これは東北の地図だべさ。地底への入口はあなた達にしか見えないよう術をかけたべ。あと、仙台の地底村から聞いた話だと、奥州街道から行くのはやめた方が良いべさ。多賀城の警備が厳しいらしいだず」
桜龍達は重要な情報をありがとうございますと礼を言い、ユリから地図を受け取り別れた。
梓は現在地から浮遊石を呼び、桜龍達を乗せ一気に地上へ上がった。すると、戸隠の地下と同じ巨木の根の上に降ろされ、少し階段を昇ると扉があった。扉を開けると、米沢の深い森に出た。
「ここも強い結界が張られているな」
「では、私の案内はここまでになるべさ」
「戸隠から米沢まで世話になった、梓殿。後日、お礼をしたいと思っている」
「地底世界を案内してくれて、ありがとう、梓さん。とろっこは驚いたけど、良い経験を味わえたわ」
千里は何か言いたそうな素振りだった。梓は上目遣いで千里の顔をじっと覗いた。
「梓殿・・・」
「千里?どうしただず?」
「魔改造戦士を造った黒羽を知っていますか?」
「黒羽か・・・八郎様に次ぐ強大な魔力と知力を持つ追放者。あの女は私利私欲で土竜族を改造しようとしていたべさ・・・」
「安曇様も言っていました。黒羽は闇の者に手を貸しています。土竜族にも危機が」
「心配は無用だず。土竜族は奴らにやられはしないべさ。千里達は何も気にせず、魔改造戦士を討伐するべさ」
「梓殿・・・どうか、ご無事で。」
千里は梓に赤い袋の御守りを渡した。そして、大地の力を込め、梓と土竜族の無事を祈った。
「・・・ありがとう、千里。何かあったら八郎王や土竜族を頼るべさ。さぁ、伊達の坊やが治める米沢城は森を出て、畑道を歩けば城下町に着くべさ」
梓は笑顔で別れを言い、小さい体で背伸びをし、手を振った。そして、木の扉を開け地底に戻った。
「梓さんなら心配ないさ。亘も居るし、今は海洋族と飛天族だって味方だからな」
「・・・そうですね。球磨さんと湘さんが待っている米沢へ行きましょう」
一行は森を出て米沢城へ向かった。