第4章 鬼神の怒りと魔改造戦士の涙
次の日、朝早くに銀山温泉を出発し、船で最上川を上り米沢を目指した。途中、川に面する『東根(ひがしね)』付近で船を止め、休憩すると近くの村人からサクランボをもらった。
「この辺りはサクランボが採れるんダッス。お忍びで政宗様もサクランボを食べに来てるんべさ」
「本場のサクランボは甘くて美味しいな。」
「モトスの旦那や小精霊達の好物だな。甲斐国でも食べたことあるぜ。孤児院でも育ててみようかな。良ければ、種を分けて貰えないか?」
球磨は村人から種を受け取った。すると、村の女が球磨を頼るような仕草をした。
「お前さん、なかなかの男前で、サクランボを育てるのに興味があるべさ?いっそ、ここに住んでサクランボを育ててほしいんだず」
「お兄さんも、逞しくて泳ぐのが得意そうだから、最上川の漁師をしてほしいべさ」
村の女達は球磨と湘に惚れ込んでいた。しかし、2人は苦笑いしながら頼みを断った。
「俺達はお偉いさんの命で東北に来ました。すまねーが、その頼みは聞けません」
「それは残念だんべ。最近は男共が変な噂を聞いて旅に出ちまって、残った男達と私達でサクランボを育てたり、漁をしているから人手不足なんだべ」
「そうなのか・・・その変な噂ってまさか、戦女神を目覚めさせるとか言っていたのか?」
「戦女神かは知らんが、封印された女を起こすとは言ってたダズ」
やはり、戦女神の噂がここまで広がっているのかと球磨と湘は危機感を覚えた。
昼頃に東根から少し南へ行った、寒河江(さがえ)の村に付いた。船を止めると、広い河原は多くの人で賑わっていた。
「人が集まっているようだが、見た限り事件では無さそうだな」
「何か上手そうな匂いがするなー。食祭りでもやってんのかな?」
球磨と湘は味噌の香りがする方へ向かった。一方、小十郎は人だかりの正体が分かっていたのか頭を押さえていた。
「これは、我が主が村人のために、芋煮大会を開いているようです」
「さあさあ諸君、今日は日頃の感謝を込め、芋煮を馳走する。たらふく食べると良いぞ!!」
小十郎の主、『伊達政宗』は右目に龍の刺繍がしてある眼帯に、赤茶色の髪は快活さと大名としての勇ましさを表している。河原に集まる村人達に沢山の芋煮を盛大に振る舞っていた。村人達は大きな鍋の周りに集まり、土鍋に芋煮を入れ嬉しそうに食べていた。球磨は今までに見たことが無い鍋の大きさや、祭りの規模に度肝を抜かれていた。
「こりゃあすげーな・・・見たことも無いでかい鍋だぜ・・・・って、政宗様!!こんな所に居て良いのか?」
球磨は驚いているが、小十郎は何時ものことですと言っていた。しかし、主の姿を見て微笑んでいた。
「・・・政宗様は型破りで派手好きですが、民思いなお方です。しかしまさか、今の状況で芋煮大会を開くとは・・・・」
湘は、政宗は切羽詰まった状態かと思ったが、祭りを楽しんでいて安心していた。
「まぁ、平和でなによりですし、米沢城へ行く前に政宗様に会えて良かったです」
球磨と湘は、政宗の元へ向かう小十郎の後ろに付いた。
「政宗様、小十郎ただいま戻りました。こちらは、航海士の湘と護衛の球磨です。酒田からはるばるここまでやって来られました」
政宗は陽気かつ砕けた口調で、湘と球磨に挨拶した。
「おお!!小十郎、よくぞ戻った!!湘と球磨も話は聞いておる。長旅ご苦労であったな。話したい事は山ほど有るが、今は寒河江の村人達に芋煮を振る舞っておる。お主達も芋煮大会を楽しんでくれ!!」
湘と球磨は土鍋を渡された。それでは、長旅で腹を空かせたから芋煮を食べようと鍋が置いてある場所に行こうとしたその時、2人は政宗の傍で凄まじい殺気を感じた。
「政宗様も、そろそろ芋煮を食べてはいかがですか?」
侍女が政宗に器を渡そうとした。その時、器に入っていた液体が刃になり政宗の首元を斬ろうとしたが、間一髪、湘が放った銃で破壊した。政宗は突然の出来事に驚きを隠せなかった。球磨は政宗を護る体勢に入り、侍女に槍の矛先を向けた。
「この辺りはサクランボが採れるんダッス。お忍びで政宗様もサクランボを食べに来てるんべさ」
「本場のサクランボは甘くて美味しいな。」
「モトスの旦那や小精霊達の好物だな。甲斐国でも食べたことあるぜ。孤児院でも育ててみようかな。良ければ、種を分けて貰えないか?」
球磨は村人から種を受け取った。すると、村の女が球磨を頼るような仕草をした。
「お前さん、なかなかの男前で、サクランボを育てるのに興味があるべさ?いっそ、ここに住んでサクランボを育ててほしいんだず」
「お兄さんも、逞しくて泳ぐのが得意そうだから、最上川の漁師をしてほしいべさ」
村の女達は球磨と湘に惚れ込んでいた。しかし、2人は苦笑いしながら頼みを断った。
「俺達はお偉いさんの命で東北に来ました。すまねーが、その頼みは聞けません」
「それは残念だんべ。最近は男共が変な噂を聞いて旅に出ちまって、残った男達と私達でサクランボを育てたり、漁をしているから人手不足なんだべ」
「そうなのか・・・その変な噂ってまさか、戦女神を目覚めさせるとか言っていたのか?」
「戦女神かは知らんが、封印された女を起こすとは言ってたダズ」
やはり、戦女神の噂がここまで広がっているのかと球磨と湘は危機感を覚えた。
昼頃に東根から少し南へ行った、寒河江(さがえ)の村に付いた。船を止めると、広い河原は多くの人で賑わっていた。
「人が集まっているようだが、見た限り事件では無さそうだな」
「何か上手そうな匂いがするなー。食祭りでもやってんのかな?」
球磨と湘は味噌の香りがする方へ向かった。一方、小十郎は人だかりの正体が分かっていたのか頭を押さえていた。
「これは、我が主が村人のために、芋煮大会を開いているようです」
「さあさあ諸君、今日は日頃の感謝を込め、芋煮を馳走する。たらふく食べると良いぞ!!」
小十郎の主、『伊達政宗』は右目に龍の刺繍がしてある眼帯に、赤茶色の髪は快活さと大名としての勇ましさを表している。河原に集まる村人達に沢山の芋煮を盛大に振る舞っていた。村人達は大きな鍋の周りに集まり、土鍋に芋煮を入れ嬉しそうに食べていた。球磨は今までに見たことが無い鍋の大きさや、祭りの規模に度肝を抜かれていた。
「こりゃあすげーな・・・見たことも無いでかい鍋だぜ・・・・って、政宗様!!こんな所に居て良いのか?」
球磨は驚いているが、小十郎は何時ものことですと言っていた。しかし、主の姿を見て微笑んでいた。
「・・・政宗様は型破りで派手好きですが、民思いなお方です。しかしまさか、今の状況で芋煮大会を開くとは・・・・」
湘は、政宗は切羽詰まった状態かと思ったが、祭りを楽しんでいて安心していた。
「まぁ、平和でなによりですし、米沢城へ行く前に政宗様に会えて良かったです」
球磨と湘は、政宗の元へ向かう小十郎の後ろに付いた。
「政宗様、小十郎ただいま戻りました。こちらは、航海士の湘と護衛の球磨です。酒田からはるばるここまでやって来られました」
政宗は陽気かつ砕けた口調で、湘と球磨に挨拶した。
「おお!!小十郎、よくぞ戻った!!湘と球磨も話は聞いておる。長旅ご苦労であったな。話したい事は山ほど有るが、今は寒河江の村人達に芋煮を振る舞っておる。お主達も芋煮大会を楽しんでくれ!!」
湘と球磨は土鍋を渡された。それでは、長旅で腹を空かせたから芋煮を食べようと鍋が置いてある場所に行こうとしたその時、2人は政宗の傍で凄まじい殺気を感じた。
「政宗様も、そろそろ芋煮を食べてはいかがですか?」
侍女が政宗に器を渡そうとした。その時、器に入っていた液体が刃になり政宗の首元を斬ろうとしたが、間一髪、湘が放った銃で破壊した。政宗は突然の出来事に驚きを隠せなかった。球磨は政宗を護る体勢に入り、侍女に槍の矛先を向けた。