第4章 鬼神の怒りと魔改造戦士の涙
夕方、桜龍は不吉な予感がし、荒地に行ってみると豊臣兵士が黒衣の集団に痛めつけられていた。
「また懲りずに墓荒らしか?それとも、荒地に巣食う病魔退治か?」
魔改造戦士の大芹は弱っている兵士の頭を掴み、拳で殴り倒そうとした。
「魔改造奴隷として造り替えるか、豹剛(ひょうごう)のエサにするかどうしようかなぁー」
桜龍は素早く異形の腕に破魔の護符を当てた。兵士は拘束から解放され、その場を後ずさりした。
「誰かね?楽しいひと時を邪魔する不届き者は?・・おや、君は九州で会った桜龍とやらかな?」
「不届き者は貴様だ・・・これ以上、戦意喪失の兵士を痛めつけんな!!」
「ほう、威勢が良いな。これ以上生意気な口を叩けないよう、袋叩きにしてやろうか」
大芹は複数の黒ずくめの魔改造戦士に合図し、桜龍を痛めつけろと指を鳴らした。魔改造戦士は袖から刀や鉤爪を出現させ、桜龍に襲いかかった。桜龍は静かに鞘を握り、相手の動きを見切り、紙一重に避けながら抜刀し、数体斬り飛ばした。大芹は戸惑いも怒りも無く、面白いと拍手していた。
「ほう、私が改良に改良を重ねた戦闘奴隷を数秒で斬りつけるとは、流石は聖なる龍の守護者だねぇ」
桜龍は非人道的な大芹のやり方に、怒りが頂点に達し、大芹に叫び反論した。
「戦闘奴隷か・・・こいつらは元々人間だったんだろうが!!まさか、連れ去った役人や兵士をこの姿にしたのか!!」
「説明するまでもなく、物分かりが良いねぇー君。私は、面白半分にここに来る、お偉いさん方のイヌ共を捕まえて、実験台にしているだけだよ」
大芹は先程桜龍に斬られた魔改造戦士を魔術で蘇らせた。
「君達は終身奴隷だから、私が飽きるまで戦い続けてもらうよ」
「なんて悪趣味な野郎だ!!こいつらの魂と身体を解放しろ」
桜龍は天高く跳躍し、懐から破魔の護符を複数取り出した。そして、魔改造戦士の体をめがけ、投げ飛ばした。すると彼らは一斉に苦しみ出し、力が強くない戦士は光に浄化された。残った魔改造戦士らを桜龍は太刀で斬り、魂を浄化させ体は黒い泥となり消えた。
「やはりこいつらは闇から造られた人造戦士か・・・貴様は長い間、酷使していたんだな」
「酷使だと?こやつらは、それ相応の罪を犯したのだ。だから報復として、マガツイノ神様の為に働かせてるだけだ」
大芹が指をパチンと鳴らすと、泥から魔改造戦士が姿を現した。
「ははは!!私は飽きるまで泥人形を何度も蘇らせることが出来る!!さぁ、桜龍を二度と立ち上がれぬよう、徹底的に痛めつけろ!!」
魔改造戦士は再び桜龍に攻撃を仕掛けた。桜龍は標的を大芹にしようと考え、敵の攻撃を素早く避けながら、標的の懐に入り、聖なる光をまとった太刀で胸を突いた。
「貴様は生かしては危険だ!!」
「ほう、この一撃は、私が人間だったら即死だと分かるよ・・・だが・・」
大芹は刀が刺さってもなお、大笑いしながら右腕の黒龍の腕で桜龍の首を掴み、激しい雷撃を喰らわせた。
「う・・ぐぅ・・あああああああ!!!!!」
「ははははは!!苦しいか!!私はこの程度の力では死なぬ!!昔の私とは違うのだよ!!」
「う・・む・・昔の私って・・・お前はまさか・・・元々は人間だったのか・・・・?」
桜龍は先程、聖なる龍の瞳を通して見えた光景を思い出した。
「ま・・まさかお前・・・疫病被害の村の・・・・・」
桜龍が雷撃に苦しみながら言葉を続けようとしたが、大芹の白目に血が走り、さらに雷撃が強くなった。
「これ以上減らず口を叩くな!!!!」
大芹は強い力で桜龍の首を握り潰そうとした時、横からカマイタチが黒龍の腕を切り裂いた。同時に桜龍は解放され、千里が彼に肩を貸した。
「桜龍!!すまぬ、来るのが遅くなった!!」
「立てますか?桜龍さん!!」
「モトスさん・・千里も都に来ていたのか・・・ちょいと魔改造戦士を舐めてかかっちまったが、俺はまだピンピンしているぜ」
桜龍は咳き込んでいながらも、早く立ち直ることが出来た。
「ほう、千里に虫けらか。元気そうでなによりだ。貴様らも私に始末されに来たのか?」
「始末されるのは貴様の方だ、大芹。造られし者でも、駒のように使うとは非道な行為だ!!」
モトスと千里は武器を構え、攻撃態勢に入った。
「面白い。客人が増えたから盛大に迎えてやろうではないか!!」
大芹は魔改造奴隷の体内に埋まっていた、ボロボロの魔石に術を掛け、再び泥に覆わせ蘇らせた。
「魔改造戦士はマガツイノカミの鱗から作られた魔石が弱点です」
黒い魔石を壊せば閉じ込められている魂は解放されると、千里は説明した。モトスと桜龍は了解と合図し、襲いかかる魔改造奴隷と刃を交えた。
「人間だった心も感情も封じ込められ、奴隷兵として使われる。こんな非道なやり方許せねぇ・・・」
桜龍は敵の腹部を蹴り、よろけた隙に胸を刺した。魔石は壊れ、魂が解放された。平安時代の役人らしき男は涙を流しながら、桜龍に礼を言い成仏した。
「この姿は、平安の官吏か・・・?長い間、大芹に支配されていたんだな」
「これが、大芹のやり方です。奴は、自分の敵とみなした者は、徹底的に痛めつけるか、魔改造戦士の実験台の末、奴隷戦士にするかのどちらかです」
千里も鎖鎌の分銅を振り回し、敵の胸に分銅を投げつけた。そして連続で胸を貫いていき、次々と魔石を真っ二つに砕いた。すると位の高い医師らしき男の魂は解放された。
モトスは目にも留まらぬ素早い動きで、敵の懐に入り、双曲刀で敵の胸を刺していくと、役人や兵士の魂が解放されていった。桜龍は浄化した魔改造戦士に違和感を覚えた。
「これまで魂を解放させた者は、役人や兵士、位の高い者ばかりだな・・・。女子供、身分の低い者には手を出していないようだな」
「随分と偏っているな。無差別に魔改造しても可笑しくないと思っていたが・・・まさか!?」
モトスは次々と敵を倒し、大芹の懐に入り、首筋に曲刀を当てながら問うた。
「盲目の少女に瞳を入れ、治療したのは貴様か?非道な行為をするが、何か事情を抱えているのか?」
「・・・何を言い出すかと思えば、戯言を言う。私は弱者に構っているほど暇ではないぞ!!」
大芹は黒龍の腕を振り上げ、モトスを引き裂こうとした。モトスは素早く後ろに避け、大芹の繰り出す攻撃を曲刀で受け止めたり、紙一重に避けていった。モトスは勢いよく足に旋風をまとい、大芹の腹部に跳び蹴りを喰らわせ、川まで吹き飛ばした。その間に千里と桜龍は魔改造奴隷の魂を解放させモトスに加勢した。
「モトスさん!!大芹はこの程度では倒れません!!加勢します!!」
「こいつを成敗したいところだが、マガツイノ神や闇の一族とやらについて問い詰めてやろうじゃねーか!!」
桜龍は水面から飛び上がってきた大芹に目掛け、大雷撃を放った。
「さっきのお返しだ!!水もしたたるイイおじサマを黒焦げにしてやるよ♪」
「ぐあああああ!!!!」
「大芹!!あなたの真意がどうであれ、義経様と弁慶殿・・・仲間達を皆殺しにした無念、晴らさせてもらいますよ!!」
千里は怯んでいる大芹を鎌で切り裂こうとしたが、一瞬動きが止まった。大芹は不気味な笑みを浮かべ、黒龍の手の平から黒い気功を溜めていた。しかし狙いは河原に倒れている魔改造奴隷に放った。
(この攻撃は・・・モトスさん、桜龍さんが危ない!!)
モトスと桜龍は急ぎ結界を張ったが、千里は『間に合わない!!』と、急ぎ2人の目の前で聖なる土の防壁を作った。その時、壁の中で激しい爆発音と熱風を感じた。墓標はキノコ雲で覆われた・・・。
「また懲りずに墓荒らしか?それとも、荒地に巣食う病魔退治か?」
魔改造戦士の大芹は弱っている兵士の頭を掴み、拳で殴り倒そうとした。
「魔改造奴隷として造り替えるか、豹剛(ひょうごう)のエサにするかどうしようかなぁー」
桜龍は素早く異形の腕に破魔の護符を当てた。兵士は拘束から解放され、その場を後ずさりした。
「誰かね?楽しいひと時を邪魔する不届き者は?・・おや、君は九州で会った桜龍とやらかな?」
「不届き者は貴様だ・・・これ以上、戦意喪失の兵士を痛めつけんな!!」
「ほう、威勢が良いな。これ以上生意気な口を叩けないよう、袋叩きにしてやろうか」
大芹は複数の黒ずくめの魔改造戦士に合図し、桜龍を痛めつけろと指を鳴らした。魔改造戦士は袖から刀や鉤爪を出現させ、桜龍に襲いかかった。桜龍は静かに鞘を握り、相手の動きを見切り、紙一重に避けながら抜刀し、数体斬り飛ばした。大芹は戸惑いも怒りも無く、面白いと拍手していた。
「ほう、私が改良に改良を重ねた戦闘奴隷を数秒で斬りつけるとは、流石は聖なる龍の守護者だねぇ」
桜龍は非人道的な大芹のやり方に、怒りが頂点に達し、大芹に叫び反論した。
「戦闘奴隷か・・・こいつらは元々人間だったんだろうが!!まさか、連れ去った役人や兵士をこの姿にしたのか!!」
「説明するまでもなく、物分かりが良いねぇー君。私は、面白半分にここに来る、お偉いさん方のイヌ共を捕まえて、実験台にしているだけだよ」
大芹は先程桜龍に斬られた魔改造戦士を魔術で蘇らせた。
「君達は終身奴隷だから、私が飽きるまで戦い続けてもらうよ」
「なんて悪趣味な野郎だ!!こいつらの魂と身体を解放しろ」
桜龍は天高く跳躍し、懐から破魔の護符を複数取り出した。そして、魔改造戦士の体をめがけ、投げ飛ばした。すると彼らは一斉に苦しみ出し、力が強くない戦士は光に浄化された。残った魔改造戦士らを桜龍は太刀で斬り、魂を浄化させ体は黒い泥となり消えた。
「やはりこいつらは闇から造られた人造戦士か・・・貴様は長い間、酷使していたんだな」
「酷使だと?こやつらは、それ相応の罪を犯したのだ。だから報復として、マガツイノ神様の為に働かせてるだけだ」
大芹が指をパチンと鳴らすと、泥から魔改造戦士が姿を現した。
「ははは!!私は飽きるまで泥人形を何度も蘇らせることが出来る!!さぁ、桜龍を二度と立ち上がれぬよう、徹底的に痛めつけろ!!」
魔改造戦士は再び桜龍に攻撃を仕掛けた。桜龍は標的を大芹にしようと考え、敵の攻撃を素早く避けながら、標的の懐に入り、聖なる光をまとった太刀で胸を突いた。
「貴様は生かしては危険だ!!」
「ほう、この一撃は、私が人間だったら即死だと分かるよ・・・だが・・」
大芹は刀が刺さってもなお、大笑いしながら右腕の黒龍の腕で桜龍の首を掴み、激しい雷撃を喰らわせた。
「う・・ぐぅ・・あああああああ!!!!!」
「ははははは!!苦しいか!!私はこの程度の力では死なぬ!!昔の私とは違うのだよ!!」
「う・・む・・昔の私って・・・お前はまさか・・・元々は人間だったのか・・・・?」
桜龍は先程、聖なる龍の瞳を通して見えた光景を思い出した。
「ま・・まさかお前・・・疫病被害の村の・・・・・」
桜龍が雷撃に苦しみながら言葉を続けようとしたが、大芹の白目に血が走り、さらに雷撃が強くなった。
「これ以上減らず口を叩くな!!!!」
大芹は強い力で桜龍の首を握り潰そうとした時、横からカマイタチが黒龍の腕を切り裂いた。同時に桜龍は解放され、千里が彼に肩を貸した。
「桜龍!!すまぬ、来るのが遅くなった!!」
「立てますか?桜龍さん!!」
「モトスさん・・千里も都に来ていたのか・・・ちょいと魔改造戦士を舐めてかかっちまったが、俺はまだピンピンしているぜ」
桜龍は咳き込んでいながらも、早く立ち直ることが出来た。
「ほう、千里に虫けらか。元気そうでなによりだ。貴様らも私に始末されに来たのか?」
「始末されるのは貴様の方だ、大芹。造られし者でも、駒のように使うとは非道な行為だ!!」
モトスと千里は武器を構え、攻撃態勢に入った。
「面白い。客人が増えたから盛大に迎えてやろうではないか!!」
大芹は魔改造奴隷の体内に埋まっていた、ボロボロの魔石に術を掛け、再び泥に覆わせ蘇らせた。
「魔改造戦士はマガツイノカミの鱗から作られた魔石が弱点です」
黒い魔石を壊せば閉じ込められている魂は解放されると、千里は説明した。モトスと桜龍は了解と合図し、襲いかかる魔改造奴隷と刃を交えた。
「人間だった心も感情も封じ込められ、奴隷兵として使われる。こんな非道なやり方許せねぇ・・・」
桜龍は敵の腹部を蹴り、よろけた隙に胸を刺した。魔石は壊れ、魂が解放された。平安時代の役人らしき男は涙を流しながら、桜龍に礼を言い成仏した。
「この姿は、平安の官吏か・・・?長い間、大芹に支配されていたんだな」
「これが、大芹のやり方です。奴は、自分の敵とみなした者は、徹底的に痛めつけるか、魔改造戦士の実験台の末、奴隷戦士にするかのどちらかです」
千里も鎖鎌の分銅を振り回し、敵の胸に分銅を投げつけた。そして連続で胸を貫いていき、次々と魔石を真っ二つに砕いた。すると位の高い医師らしき男の魂は解放された。
モトスは目にも留まらぬ素早い動きで、敵の懐に入り、双曲刀で敵の胸を刺していくと、役人や兵士の魂が解放されていった。桜龍は浄化した魔改造戦士に違和感を覚えた。
「これまで魂を解放させた者は、役人や兵士、位の高い者ばかりだな・・・。女子供、身分の低い者には手を出していないようだな」
「随分と偏っているな。無差別に魔改造しても可笑しくないと思っていたが・・・まさか!?」
モトスは次々と敵を倒し、大芹の懐に入り、首筋に曲刀を当てながら問うた。
「盲目の少女に瞳を入れ、治療したのは貴様か?非道な行為をするが、何か事情を抱えているのか?」
「・・・何を言い出すかと思えば、戯言を言う。私は弱者に構っているほど暇ではないぞ!!」
大芹は黒龍の腕を振り上げ、モトスを引き裂こうとした。モトスは素早く後ろに避け、大芹の繰り出す攻撃を曲刀で受け止めたり、紙一重に避けていった。モトスは勢いよく足に旋風をまとい、大芹の腹部に跳び蹴りを喰らわせ、川まで吹き飛ばした。その間に千里と桜龍は魔改造奴隷の魂を解放させモトスに加勢した。
「モトスさん!!大芹はこの程度では倒れません!!加勢します!!」
「こいつを成敗したいところだが、マガツイノ神や闇の一族とやらについて問い詰めてやろうじゃねーか!!」
桜龍は水面から飛び上がってきた大芹に目掛け、大雷撃を放った。
「さっきのお返しだ!!水もしたたるイイおじサマを黒焦げにしてやるよ♪」
「ぐあああああ!!!!」
「大芹!!あなたの真意がどうであれ、義経様と弁慶殿・・・仲間達を皆殺しにした無念、晴らさせてもらいますよ!!」
千里は怯んでいる大芹を鎌で切り裂こうとしたが、一瞬動きが止まった。大芹は不気味な笑みを浮かべ、黒龍の手の平から黒い気功を溜めていた。しかし狙いは河原に倒れている魔改造奴隷に放った。
(この攻撃は・・・モトスさん、桜龍さんが危ない!!)
モトスと桜龍は急ぎ結界を張ったが、千里は『間に合わない!!』と、急ぎ2人の目の前で聖なる土の防壁を作った。その時、壁の中で激しい爆発音と熱風を感じた。墓標はキノコ雲で覆われた・・・。