第3章 異説小田原征伐 蘇りし海の亡霊と海神伝説
その頃、桜龍達はミズチと九頭竜王の圧倒的な力になお押され続けていた。ミズチはこれ以上長期戦になる事にウンザリしていたので、標的を湘といすみから桜龍に変え、攻撃を集中させた。
「聖なる龍の瞳を持つ君がこれから先、1番厄介になる存在だねぇ。君には死んで貰うよ」
ミズチは黒い水の塊を出現させ、桜龍目掛け投げ放った。桜龍は凄まじい速さで迫ってくる塊を雷撃で打ち消そうとしたが、吸収され水の塊の中に捕らわれてしまった。
「う・・・・ごぼ・・・」
桜龍は闇の水中に閉じ込められ、呼吸困難と力を吸収されもがき苦しんでいた。
「このままでは呼吸が出来ず、死ぬねぇ、彼。そうしたら、聖なる龍の瞳だけ頂いて帰るよ」
いすみと湘は桜龍を助けようと、水の塊を攻撃しようとしたが、ミズチに脅された。
「それに攻撃を当てると、桜龍も死ぬようになるよ」
「く・・・桜龍・・卑劣な手を使いおって!!ミズチ!!!」
いすみは再びミズチに向けて三叉槍の突きを繰り出した。しかし、ミズチはいとも簡単に二双の刃で受け止めた。
「その男を助けたいのは、仲間としてかい?それとも、聖龍の力を利用しようとしているのかな?」
ミズチはいすみをあざ笑いながら、刃で彼の槍を弾き落とした。無防備になったいすみは、ミズチに刃を向けられ、手が出なかった。ミズチは遠慮無くいすみを刃で切り裂こうとしたが、湘の氷の銃弾が彼の腕を凍らせた。その隙にいすみは術を唱え、水を龍の形に召喚させ、ミズチに浴びさせた。ミズチは攻撃を喰らい、少し怯んでいた。
「桜龍も勇士達も大切な仲間だ!!桜龍を解放しろ!!」
「・・・やるな、君達。だけど僕はこの程度では死なないよ。何たって、厄神マガツイノカミ様の力を授かっているのだからな」
ミズチは本気を出し、2人を強力な闇の波動で吹き飛ばした。
「そろそろ、桜龍も終わりかな。残念でした、大切な仲間を助けられなくって」
ミズチはほくそ笑みながら、黒い水の塊を眺めた。
(息が・・力が・・もう駄目か・・・俺はこんなところで終わるわけにはいかないのに・・・)
桜龍は苦しさで意識が途切れそうになったが、誰かに呼びかけられた。
「希望を捨ててはいけないぞ、桜龍」
目の前に海神姿の真鶴が現れ、彼の眼帯に手を当てた。すると、聖なる龍の瞳が黒い水の塊を打ち消し、桜龍は解放された。
「あんたは・・海の神『スサノオノミコト?』いいや・・・真鶴さんかい?」
桜龍は隣に立つ真鶴の神々しい姿に驚いていた。
「どうやら俺の真の姿は、海龍海神だったみたいだ。これで皆と戦える」
真鶴は海龍の矢を、空中を飛んでいる九頭竜に放った。すると、九頭竜の急所に当たり、モトス達を拘束していた毛が解れた。五十鈴はプルプルした巨大なクラゲを召喚させ、3人はそこに着地した。続いて、亘は九頭竜の傷跡をさらに大斧で切り裂き、アナンは旋風を両拳にまとい、素早く重い爆裂拳を喰らわせた。
「亘達、元の姿に戻れたのだな。俺達も負けぬようかかるぞ!!」
モトス達も気を集中させ、再び九頭竜に挑んだ。
「おのれ!!!!蘇ったか!!忌々しい海龍めが!!!!!」
九頭竜王は雄叫びを上げながら力をためた。球磨は九頭竜目掛け、槍から巨大な火炎放射を出した。九頭竜の毛は跡形もなく焼け焦げた。
「さっき、俺達を縛りつけたお返しだぜ!!」
続いて、モトスは九頭竜の傷口に麻痺毒を塗り込んだクナイを投げた。
「これで動きを鈍らせられるぞ」
さらに千里は、鋭い小石が混ざった砂嵐で目くらましさせ、広い範囲に傷を負わせた。すると、上空から陽気な男の声が聞こえた。
「遅くなってすまねーぜ、いすみちゃん、皆」
蕨が天空から急降下し、錫杖から光線を放った。九頭竜は目を焼かれた。
「お・・おのれー!!鳥人間め!!」
蕨はいすみの前に舞い降りた。いすみは少し照ながら礼を言った。
「助太刀感謝する・・・蕨。それと、常葉と一緒に土竜(どりゅう)王を説得してくれて、ありがとう」
「長年の付き合いでしょ、いすみちゃん。八郎じいはまだまだ頑固だけど、少し和解しようと考えてる方向だぜ!」
「そうか・・・」
「なぁ、いすみ。これ以上自分の過去を背負うな。何があったか聞かねーが、もう罪だなんて思わなくて良いんだよ」
「しかしワレは・・・」
「蕨殿の言う通りですよ、いすみ様。九頭竜がいすみ様の過去の因縁ならなおさら浄化させるのが筋でしょう」
湘はいすみに握手を求め、彼は手を強く握った。すると、湘の姿も絹の衣をまとった神のような姿になった。湘は得意げな顔で解釈した。
「これが私の覚醒姿か。水か海の神といったところだな」
「湘は海龍と海洋族の力を受け継いだのだな」
いすみの言葉に、皆も納得し頷いていた。球磨は3人の神々しい姿を見て、しみじみと思っていた。
(湘といすみ様と真鶴さんは、ギリシャ神話のポセイドンみたいだな)
「聖なる龍の瞳を持つ君がこれから先、1番厄介になる存在だねぇ。君には死んで貰うよ」
ミズチは黒い水の塊を出現させ、桜龍目掛け投げ放った。桜龍は凄まじい速さで迫ってくる塊を雷撃で打ち消そうとしたが、吸収され水の塊の中に捕らわれてしまった。
「う・・・・ごぼ・・・」
桜龍は闇の水中に閉じ込められ、呼吸困難と力を吸収されもがき苦しんでいた。
「このままでは呼吸が出来ず、死ぬねぇ、彼。そうしたら、聖なる龍の瞳だけ頂いて帰るよ」
いすみと湘は桜龍を助けようと、水の塊を攻撃しようとしたが、ミズチに脅された。
「それに攻撃を当てると、桜龍も死ぬようになるよ」
「く・・・桜龍・・卑劣な手を使いおって!!ミズチ!!!」
いすみは再びミズチに向けて三叉槍の突きを繰り出した。しかし、ミズチはいとも簡単に二双の刃で受け止めた。
「その男を助けたいのは、仲間としてかい?それとも、聖龍の力を利用しようとしているのかな?」
ミズチはいすみをあざ笑いながら、刃で彼の槍を弾き落とした。無防備になったいすみは、ミズチに刃を向けられ、手が出なかった。ミズチは遠慮無くいすみを刃で切り裂こうとしたが、湘の氷の銃弾が彼の腕を凍らせた。その隙にいすみは術を唱え、水を龍の形に召喚させ、ミズチに浴びさせた。ミズチは攻撃を喰らい、少し怯んでいた。
「桜龍も勇士達も大切な仲間だ!!桜龍を解放しろ!!」
「・・・やるな、君達。だけど僕はこの程度では死なないよ。何たって、厄神マガツイノカミ様の力を授かっているのだからな」
ミズチは本気を出し、2人を強力な闇の波動で吹き飛ばした。
「そろそろ、桜龍も終わりかな。残念でした、大切な仲間を助けられなくって」
ミズチはほくそ笑みながら、黒い水の塊を眺めた。
(息が・・力が・・もう駄目か・・・俺はこんなところで終わるわけにはいかないのに・・・)
桜龍は苦しさで意識が途切れそうになったが、誰かに呼びかけられた。
「希望を捨ててはいけないぞ、桜龍」
目の前に海神姿の真鶴が現れ、彼の眼帯に手を当てた。すると、聖なる龍の瞳が黒い水の塊を打ち消し、桜龍は解放された。
「あんたは・・海の神『スサノオノミコト?』いいや・・・真鶴さんかい?」
桜龍は隣に立つ真鶴の神々しい姿に驚いていた。
「どうやら俺の真の姿は、海龍海神だったみたいだ。これで皆と戦える」
真鶴は海龍の矢を、空中を飛んでいる九頭竜に放った。すると、九頭竜の急所に当たり、モトス達を拘束していた毛が解れた。五十鈴はプルプルした巨大なクラゲを召喚させ、3人はそこに着地した。続いて、亘は九頭竜の傷跡をさらに大斧で切り裂き、アナンは旋風を両拳にまとい、素早く重い爆裂拳を喰らわせた。
「亘達、元の姿に戻れたのだな。俺達も負けぬようかかるぞ!!」
モトス達も気を集中させ、再び九頭竜に挑んだ。
「おのれ!!!!蘇ったか!!忌々しい海龍めが!!!!!」
九頭竜王は雄叫びを上げながら力をためた。球磨は九頭竜目掛け、槍から巨大な火炎放射を出した。九頭竜の毛は跡形もなく焼け焦げた。
「さっき、俺達を縛りつけたお返しだぜ!!」
続いて、モトスは九頭竜の傷口に麻痺毒を塗り込んだクナイを投げた。
「これで動きを鈍らせられるぞ」
さらに千里は、鋭い小石が混ざった砂嵐で目くらましさせ、広い範囲に傷を負わせた。すると、上空から陽気な男の声が聞こえた。
「遅くなってすまねーぜ、いすみちゃん、皆」
蕨が天空から急降下し、錫杖から光線を放った。九頭竜は目を焼かれた。
「お・・おのれー!!鳥人間め!!」
蕨はいすみの前に舞い降りた。いすみは少し照ながら礼を言った。
「助太刀感謝する・・・蕨。それと、常葉と一緒に土竜(どりゅう)王を説得してくれて、ありがとう」
「長年の付き合いでしょ、いすみちゃん。八郎じいはまだまだ頑固だけど、少し和解しようと考えてる方向だぜ!」
「そうか・・・」
「なぁ、いすみ。これ以上自分の過去を背負うな。何があったか聞かねーが、もう罪だなんて思わなくて良いんだよ」
「しかしワレは・・・」
「蕨殿の言う通りですよ、いすみ様。九頭竜がいすみ様の過去の因縁ならなおさら浄化させるのが筋でしょう」
湘はいすみに握手を求め、彼は手を強く握った。すると、湘の姿も絹の衣をまとった神のような姿になった。湘は得意げな顔で解釈した。
「これが私の覚醒姿か。水か海の神といったところだな」
「湘は海龍と海洋族の力を受け継いだのだな」
いすみの言葉に、皆も納得し頷いていた。球磨は3人の神々しい姿を見て、しみじみと思っていた。
(湘といすみ様と真鶴さんは、ギリシャ神話のポセイドンみたいだな)