第3章 異説小田原征伐 蘇りし海の亡霊と海神伝説
『これで終わりだ!!』
先にアナンの旋風の拳は、千里の腹部に当たった。千里は衝撃で倒れそうになり、アナンは決まった顔をしたが、千里の一瞬の神業で鋼鉄の拳がアナンの頬に炸裂した。
「く・・・悔しいが、やはりお前は強いわ・・・」
アナンは満足そうな笑みを浮かべ、倒れ崩れた。すると千里はしゃがみながら、アナンに言った。
「貴方の力に感服しました。壇ノ浦の戦い以上に強くなっていましたよ」
千里はアナンに肩を貸し、起こした後、頭を下げてお願いをした。
「どうか、共に戦っては貰えないでしょうか」
「・・・勝者が敗者に頭下げんなよ・・・」
「僕は鬼神と呼ばれていましたが、それは皆が居たから強い自分でいられたのです。僕1人の力では、仲間の人造戦士も、弁慶殿・・・義経様を救えなかった・・・」
千里は眼鏡を付け、少し瞳が潤んでいた。アナンは何も言わずに耳を傾けていた。
「魔改造戦士と闇の一族を討つには、皆の力が必要です。奴らは、真鶴を傀儡(くぐつ)として利用するでしょう」
アナンは千里が言う、これからの脅威に危機感を覚え、顔を伏せながら彼の手を強く握った。
「・・・俺の負けだ。敗者は勝者に従うぜ。だが、真鶴を助ける為に力を貸すだけだからな!!」
「おやおや?ここで裏切るのかい?」
突然、林の奥から、妖しい声の男が姿を現した。
「誰だ!!テメェは!!」
「闇の一族の者ですか!!」
「僕はミズチ。厄神四天王『水の邪神』。裏切るのは勝手だが、真の姿に覚醒した真鶴に勝てると思ってるのかい?」
「真の姿・・って、どういう事だ!!説明しやがれ!!」
ミズチはアナンの叫びに耳を塞ぎ、嫌々返答した。
「・・・面倒くさいなぁ。説明しなくてもいずれ分かるよ。それより君の仲間、五十鈴を戦えない体にしたよ」
「五十鈴に何しやがった!!」
「いけません!!アナン!!」
アナンはミズチの挑発に乗ってしまい、怒りの鉄拳を放とうと彼に殴りかかった。しかし、簡単に腕を掴まれ、腕肘固めをさせられた。
「僕に挑むのは、魔改造戦士の大芹以上に無謀だよ」
「く・・・よくも五十鈴を・・」
「彼は生きているよ。魔力を頂いただけだ。この際、君の力も頂いておくか」
ミズチはアナンを拘束しながら、黒い渦で体を覆った。千里は渦を消そうと、聖なる土で攻撃したが、打ち消された。
「千里君だったかな、厳美君と大芹から聞いているよ。今、2人は次の戦いの為に、他の魔改造戦士を強化させているよ」
「それはどういう事ですか!!」
「教えてあげようか。この戦いは、五分五分で真鶴が勝つか、君達が勝つかだよ。四天王に未来予知が出来る者がいるけど、2つの未来が見えると言っていたよ。しばらくは平穏な日々か、闇の海に沈んだ日ノ本か」
「・・・つまり僕達が勝ったら、次は魔改造戦士を使い、日ノ本を滅ぼすのですか」
「まぁ、真鶴が闇の海の王になっても、それは一時的なもので、直ぐに卑弩羅様が用済みにするだろうな」
「やはり、真鶴を利用するだけ利用して始末するのですね・・・」
千里は鎖鎌を構え、ミズチの嫌らしい顔に睨みつけた。
「ふふ、鬼のような顔だねぇ。今ここで、厳美君や大芹に見せたい位だよ」
ミズチは微笑みながら、力を吸われ小さな海亀に変わったアナンの首を掴んだ。
「く・・・真鶴を消させないぜ・・」
「なるほど、君は海亀の化身かぁ。てっきりカミツキガメかと思ったよ。ちなみにキザな五十鈴は、間抜けそうなタツノオトシゴだったよ」
ミズチは藻の池に、アナンを放り投げた。
「それじゃあ、またね」
ミズチは闇の渦の中に消えた。千里は急ぎ池に浮かんでいるアナンを助けた。
先にアナンの旋風の拳は、千里の腹部に当たった。千里は衝撃で倒れそうになり、アナンは決まった顔をしたが、千里の一瞬の神業で鋼鉄の拳がアナンの頬に炸裂した。
「く・・・悔しいが、やはりお前は強いわ・・・」
アナンは満足そうな笑みを浮かべ、倒れ崩れた。すると千里はしゃがみながら、アナンに言った。
「貴方の力に感服しました。壇ノ浦の戦い以上に強くなっていましたよ」
千里はアナンに肩を貸し、起こした後、頭を下げてお願いをした。
「どうか、共に戦っては貰えないでしょうか」
「・・・勝者が敗者に頭下げんなよ・・・」
「僕は鬼神と呼ばれていましたが、それは皆が居たから強い自分でいられたのです。僕1人の力では、仲間の人造戦士も、弁慶殿・・・義経様を救えなかった・・・」
千里は眼鏡を付け、少し瞳が潤んでいた。アナンは何も言わずに耳を傾けていた。
「魔改造戦士と闇の一族を討つには、皆の力が必要です。奴らは、真鶴を傀儡(くぐつ)として利用するでしょう」
アナンは千里が言う、これからの脅威に危機感を覚え、顔を伏せながら彼の手を強く握った。
「・・・俺の負けだ。敗者は勝者に従うぜ。だが、真鶴を助ける為に力を貸すだけだからな!!」
「おやおや?ここで裏切るのかい?」
突然、林の奥から、妖しい声の男が姿を現した。
「誰だ!!テメェは!!」
「闇の一族の者ですか!!」
「僕はミズチ。厄神四天王『水の邪神』。裏切るのは勝手だが、真の姿に覚醒した真鶴に勝てると思ってるのかい?」
「真の姿・・って、どういう事だ!!説明しやがれ!!」
ミズチはアナンの叫びに耳を塞ぎ、嫌々返答した。
「・・・面倒くさいなぁ。説明しなくてもいずれ分かるよ。それより君の仲間、五十鈴を戦えない体にしたよ」
「五十鈴に何しやがった!!」
「いけません!!アナン!!」
アナンはミズチの挑発に乗ってしまい、怒りの鉄拳を放とうと彼に殴りかかった。しかし、簡単に腕を掴まれ、腕肘固めをさせられた。
「僕に挑むのは、魔改造戦士の大芹以上に無謀だよ」
「く・・・よくも五十鈴を・・」
「彼は生きているよ。魔力を頂いただけだ。この際、君の力も頂いておくか」
ミズチはアナンを拘束しながら、黒い渦で体を覆った。千里は渦を消そうと、聖なる土で攻撃したが、打ち消された。
「千里君だったかな、厳美君と大芹から聞いているよ。今、2人は次の戦いの為に、他の魔改造戦士を強化させているよ」
「それはどういう事ですか!!」
「教えてあげようか。この戦いは、五分五分で真鶴が勝つか、君達が勝つかだよ。四天王に未来予知が出来る者がいるけど、2つの未来が見えると言っていたよ。しばらくは平穏な日々か、闇の海に沈んだ日ノ本か」
「・・・つまり僕達が勝ったら、次は魔改造戦士を使い、日ノ本を滅ぼすのですか」
「まぁ、真鶴が闇の海の王になっても、それは一時的なもので、直ぐに卑弩羅様が用済みにするだろうな」
「やはり、真鶴を利用するだけ利用して始末するのですね・・・」
千里は鎖鎌を構え、ミズチの嫌らしい顔に睨みつけた。
「ふふ、鬼のような顔だねぇ。今ここで、厳美君や大芹に見せたい位だよ」
ミズチは微笑みながら、力を吸われ小さな海亀に変わったアナンの首を掴んだ。
「く・・・真鶴を消させないぜ・・」
「なるほど、君は海亀の化身かぁ。てっきりカミツキガメかと思ったよ。ちなみにキザな五十鈴は、間抜けそうなタツノオトシゴだったよ」
ミズチは藻の池に、アナンを放り投げた。
「それじゃあ、またね」
ミズチは闇の渦の中に消えた。千里は急ぎ池に浮かんでいるアナンを助けた。