第3章 異説小田原征伐 蘇りし海の亡霊と海神伝説
日中に真鶴はクリクリに呼び出され、日本海溝の海洋族の宮殿に来ていた。現在、宮殿は新たな海王神の為に、女官と海洋戦士が清掃したり置物の配置を変えていた。
「あ!?海王神真鶴様。今、王座の間を綺麗に整えています」
「皆、ご苦労。無理をせず、休む時には休むんだぞ」
真鶴の朗らかな笑みと言葉に、皆は勿体なきお言葉を!!と涙を流していた。クリクリは真鶴の肩に乗り、いすみの寝室へ向かうクリと促した。
いすみの寝室は、宮殿の最奥にあったが、造りと装飾は以外にも質素だった。部屋の隅に置いてある二枚貝の寝台を見ると、凪沙が眠っていた。真鶴は何があったのかと、必死に起こしたが、目を覚まさなかった。
「何故・・凪沙がこんな所で眠っているんだ?確か、宮殿の離宮で暮らしていたはず・・・」
「いすみが、真鶴に会わせないために、呪いで凪沙を眠らせたんだクリ。ここまで酷いとは思っていなかったクリ」
「・・・そんな、いくらいすみでも、凪沙の自由を奪うことをするはずはないと信じてたが・・・」
「いすみは同族に対しても、酷い事をするクリ。掟を守るためなら、無慈悲で容赦ないクリ」
クリクリは真鶴の胸の中で涙を流した。真鶴の紅玉が付いた籠手は、黒く濁り始めた。
「・・・やはり、俺が新しい海王神として掟を壊し、自由な世界を作らなければならないな」
真鶴の瑠璃色の瞳は漆黒色に変わり始めた。そして、クリクリを強く抱きしめながら誓った。
「いすみが憎い・・・あいつだけは、俺が息の根を止める・・・。奴に味方する輩も始末してやる」
真鶴は、眠り続ける凪沙をじっと見続けた。
「凪沙を目覚めさせる方法は1つだけあるクリ」
クリクリは真鶴の耳元で囁いた。
「そうか。それを奪い取れば、凪沙は目覚める・・・いすみと一緒に、そいつも・・始末してやる」
真鶴は闇に取り憑かれたかのように変貌し、宮殿を出た。クリクリは胸に抱かれながら、上手く行ったクリと妖しく笑っていた。
真鶴は、宮殿から直ぐに小田原城の本丸、氏政の部屋に入った。氏政は慌てふためきながら望遠鏡で相模湾を眺めていた。
「真鶴!?豊臣軍が相模湾まで来ているぞ!!伊豆の城は落とされてしまったのか・・・」
「案ずるな。近隣の城主達は海洋族の力で海中に逃がし、無事、小田原城に生還したぞ。むしろこのまま、秀吉と主力部隊がくれば、こちらの計画通りだ」
真鶴は冷静な口調で氏政に説明した。すると、氏政は真鶴の様子に違和感を持った。
「そういえば真鶴、ちょっと見ない間に雰囲気が変わったような・・・あまり物事に動揺しなくなったというか・・・」
「はは、そう見えるかな?俺もそろそろ本気を出さないといけないと思っただけだよ」
真鶴はいつもの朗らかな笑みを氏政に向け言った。
「あ!?海王神真鶴様。今、王座の間を綺麗に整えています」
「皆、ご苦労。無理をせず、休む時には休むんだぞ」
真鶴の朗らかな笑みと言葉に、皆は勿体なきお言葉を!!と涙を流していた。クリクリは真鶴の肩に乗り、いすみの寝室へ向かうクリと促した。
いすみの寝室は、宮殿の最奥にあったが、造りと装飾は以外にも質素だった。部屋の隅に置いてある二枚貝の寝台を見ると、凪沙が眠っていた。真鶴は何があったのかと、必死に起こしたが、目を覚まさなかった。
「何故・・凪沙がこんな所で眠っているんだ?確か、宮殿の離宮で暮らしていたはず・・・」
「いすみが、真鶴に会わせないために、呪いで凪沙を眠らせたんだクリ。ここまで酷いとは思っていなかったクリ」
「・・・そんな、いくらいすみでも、凪沙の自由を奪うことをするはずはないと信じてたが・・・」
「いすみは同族に対しても、酷い事をするクリ。掟を守るためなら、無慈悲で容赦ないクリ」
クリクリは真鶴の胸の中で涙を流した。真鶴の紅玉が付いた籠手は、黒く濁り始めた。
「・・・やはり、俺が新しい海王神として掟を壊し、自由な世界を作らなければならないな」
真鶴の瑠璃色の瞳は漆黒色に変わり始めた。そして、クリクリを強く抱きしめながら誓った。
「いすみが憎い・・・あいつだけは、俺が息の根を止める・・・。奴に味方する輩も始末してやる」
真鶴は、眠り続ける凪沙をじっと見続けた。
「凪沙を目覚めさせる方法は1つだけあるクリ」
クリクリは真鶴の耳元で囁いた。
「そうか。それを奪い取れば、凪沙は目覚める・・・いすみと一緒に、そいつも・・始末してやる」
真鶴は闇に取り憑かれたかのように変貌し、宮殿を出た。クリクリは胸に抱かれながら、上手く行ったクリと妖しく笑っていた。
真鶴は、宮殿から直ぐに小田原城の本丸、氏政の部屋に入った。氏政は慌てふためきながら望遠鏡で相模湾を眺めていた。
「真鶴!?豊臣軍が相模湾まで来ているぞ!!伊豆の城は落とされてしまったのか・・・」
「案ずるな。近隣の城主達は海洋族の力で海中に逃がし、無事、小田原城に生還したぞ。むしろこのまま、秀吉と主力部隊がくれば、こちらの計画通りだ」
真鶴は冷静な口調で氏政に説明した。すると、氏政は真鶴の様子に違和感を持った。
「そういえば真鶴、ちょっと見ない間に雰囲気が変わったような・・・あまり物事に動揺しなくなったというか・・・」
「はは、そう見えるかな?俺もそろそろ本気を出さないといけないと思っただけだよ」
真鶴はいつもの朗らかな笑みを氏政に向け言った。