第3章 異説小田原征伐 蘇りし海の亡霊と海神伝説
碓氷峠麓で、千里は飛天族の長『蕨(わらび)』と別れ、前田利家達が攻めている松井田城へ向かった。城下町には兵や民はいなかった。建物は壊されておらず、城下で戦った形跡が無く、城内も大砲や銃声が無かったので、違和感を持った。
「城主が降伏したとしたら、祝いの歓声が聞こえるはずなのですが・・・」
千里は外壕を警戒しながら歩き、城門に入った時、天守方面から叫び声が聞こえた。千里は急ぎ、天守へ向かった。
「はん!!道場破りならぬ天守破りに来たか!!そんな長物で、俺の拳を受け止められると思っているのか?」
海洋族一暴れん坊のアナンが、かぶき者の前田利家と一戦交えていた。
「海洋族だか知らんが、ここは突破させてもらうぜ!!槍の叉座の前田利家が相手だ!!」
利家は、自分の背丈より長い、槍をアナンに向け、目にも見えぬ速さで突きを繰り出した。
「ほう。流石は槍術に長けているな。だが、この速さでは擦りもしねーぜ!!」
アナンは軽業で柄に乗り、踊ったり逆立ちをした。見ていた北条兵や海洋族は、お見事!!と拍手していた。
「ふざけやがって!!とっとと槍から降りろ!!猿山の大将が!!」
「猿山は余計だぜ、前田の坊や🎵俺は海洋族で、海亀の化身なんだぜ」
アナンは柄に手を置き、腕を軸に回転回し蹴りを放った。利家は顔に当たる寸前に、槍を投げ飛ばし、攻撃から免れたが、蹴りによる風圧で、門の前に水を帯びた竜巻が起きた。
「そらよ!!上州名物空っ風を合わせた、鳴門の渦潮の舞蹴りだぜ」
アナンの竜巻蹴りは威力が高く、利家もろとも、兵士を吹き飛ばそうとした。その時、巨大な岩壁が地面から突き出て、竜巻を相殺した。アナンは、術の主の姿を見ると、驚き戸惑った。
「お前は人造戦士!?因縁の風の流れはお前だったのか・・・?てか、生きていたのか・・・?」
「その技・・見覚えがあります。貴方とは瀬戸内海で戦った事がありますね」
千里が受け答えると、アナンは、宿敵との再会に心を躍らせていた。
「やはりそうか。この無機物な戦闘士は人造戦士だと分かるぜ。何でここに居るかは聞かねーが、てめぇとは一戦交えたかったから嬉しいぜ!!」
アナンは亀の甲羅で出来た籠手で、構えの姿勢を取った。千里は籠手に仕込んでいる刃を出さず、拳で構えた。
「遠慮無く、袖や着物に隠してる武器を使っても良いんだぜ」
アナンは千里が暗器を持っているのを見透かしていた。だが千里は首を横に振り、素直に答えた。
「あなたのような、正々堂々と闘う相手に、武器は使えません」
「そうかよ。だが、俺は過去の俺とは違う。あれから、いすみとは完全に決別し、鍛錬にいそしんだ」
アナンは千里目掛け、拳を出し先手攻撃をした。
「俺を舐めんなよ!!」
千里は間一髪、彼の鋭い拳を見切り横に避けた。
(拳の速さも威力も強くなってますね)
千里も相手の動きを分析しながら攻撃を仕掛けた。千里の堅く鋭い蹴りをアナンは咄嗟に両腕を交差させ、直接攻撃を防いだが、蹴りの圧力で飛ばされ、門に叩きつけられた。
「腕は落ちていねーようだな。こいつは本気を出さねえとな」
アナンは北条兵を呼び止め、指示した。
「こいつと本気でやり合うと、城がぶっ壊れるだろうから、城主サンと城に居る民を行田の忍城に逃してやれ」
「城が壊れるのですか!?」
兵達は慌てふためいていたが、アナンは余裕の笑みを浮かべていた。
「どっちみち、山しか無いこの地で籠城も負担が掛かるだろうから、周りに砦がある武蔵国へ行けよ。城は戦が終わったら直すからよ」
アナンの指示に、兵士達は天守へ行き、城主と民を逃がそうと走った。阻止しようとした利家達はお堀に潜伏していた海洋族に止められた。
「利家殿、皆さん。アナンの相手は僕がします。皆さんは忍城へ向かってください」
「すまねぇ、千里。ここはお前に任す」
利家達は松井田城を後にし、南東武蔵国の忍城へ向かった。
「邪魔者も居なくなったし、本気でやり合うか!!千里!!源平合戦の屈辱晴らしてやるぜ!!」
アナンの渦潮をまとった蹴り技と、千里の鋼鉄の拳がぶつかり合った。
「城主が降伏したとしたら、祝いの歓声が聞こえるはずなのですが・・・」
千里は外壕を警戒しながら歩き、城門に入った時、天守方面から叫び声が聞こえた。千里は急ぎ、天守へ向かった。
「はん!!道場破りならぬ天守破りに来たか!!そんな長物で、俺の拳を受け止められると思っているのか?」
海洋族一暴れん坊のアナンが、かぶき者の前田利家と一戦交えていた。
「海洋族だか知らんが、ここは突破させてもらうぜ!!槍の叉座の前田利家が相手だ!!」
利家は、自分の背丈より長い、槍をアナンに向け、目にも見えぬ速さで突きを繰り出した。
「ほう。流石は槍術に長けているな。だが、この速さでは擦りもしねーぜ!!」
アナンは軽業で柄に乗り、踊ったり逆立ちをした。見ていた北条兵や海洋族は、お見事!!と拍手していた。
「ふざけやがって!!とっとと槍から降りろ!!猿山の大将が!!」
「猿山は余計だぜ、前田の坊や🎵俺は海洋族で、海亀の化身なんだぜ」
アナンは柄に手を置き、腕を軸に回転回し蹴りを放った。利家は顔に当たる寸前に、槍を投げ飛ばし、攻撃から免れたが、蹴りによる風圧で、門の前に水を帯びた竜巻が起きた。
「そらよ!!上州名物空っ風を合わせた、鳴門の渦潮の舞蹴りだぜ」
アナンの竜巻蹴りは威力が高く、利家もろとも、兵士を吹き飛ばそうとした。その時、巨大な岩壁が地面から突き出て、竜巻を相殺した。アナンは、術の主の姿を見ると、驚き戸惑った。
「お前は人造戦士!?因縁の風の流れはお前だったのか・・・?てか、生きていたのか・・・?」
「その技・・見覚えがあります。貴方とは瀬戸内海で戦った事がありますね」
千里が受け答えると、アナンは、宿敵との再会に心を躍らせていた。
「やはりそうか。この無機物な戦闘士は人造戦士だと分かるぜ。何でここに居るかは聞かねーが、てめぇとは一戦交えたかったから嬉しいぜ!!」
アナンは亀の甲羅で出来た籠手で、構えの姿勢を取った。千里は籠手に仕込んでいる刃を出さず、拳で構えた。
「遠慮無く、袖や着物に隠してる武器を使っても良いんだぜ」
アナンは千里が暗器を持っているのを見透かしていた。だが千里は首を横に振り、素直に答えた。
「あなたのような、正々堂々と闘う相手に、武器は使えません」
「そうかよ。だが、俺は過去の俺とは違う。あれから、いすみとは完全に決別し、鍛錬にいそしんだ」
アナンは千里目掛け、拳を出し先手攻撃をした。
「俺を舐めんなよ!!」
千里は間一髪、彼の鋭い拳を見切り横に避けた。
(拳の速さも威力も強くなってますね)
千里も相手の動きを分析しながら攻撃を仕掛けた。千里の堅く鋭い蹴りをアナンは咄嗟に両腕を交差させ、直接攻撃を防いだが、蹴りの圧力で飛ばされ、門に叩きつけられた。
「腕は落ちていねーようだな。こいつは本気を出さねえとな」
アナンは北条兵を呼び止め、指示した。
「こいつと本気でやり合うと、城がぶっ壊れるだろうから、城主サンと城に居る民を行田の忍城に逃してやれ」
「城が壊れるのですか!?」
兵達は慌てふためいていたが、アナンは余裕の笑みを浮かべていた。
「どっちみち、山しか無いこの地で籠城も負担が掛かるだろうから、周りに砦がある武蔵国へ行けよ。城は戦が終わったら直すからよ」
アナンの指示に、兵士達は天守へ行き、城主と民を逃がそうと走った。阻止しようとした利家達はお堀に潜伏していた海洋族に止められた。
「利家殿、皆さん。アナンの相手は僕がします。皆さんは忍城へ向かってください」
「すまねぇ、千里。ここはお前に任す」
利家達は松井田城を後にし、南東武蔵国の忍城へ向かった。
「邪魔者も居なくなったし、本気でやり合うか!!千里!!源平合戦の屈辱晴らしてやるぜ!!」
アナンの渦潮をまとった蹴り技と、千里の鋼鉄の拳がぶつかり合った。