第2章 九州の大一揆編 炎の魔人と聖火の神
島原港から少し離れた磯で、海王神いすみはその場を去ろうとしていた。すると、珠姫を抱えている増鬼が彼に話しかけた。
「勇士達に一目会わずに、もう行ってしまうのですか?」
「鬼の一族の者か・・・まだ戦いは続いておるのに、姿を消した貴様には言われたくない」
「私は自分の努めを果たしましたから。あの子達なら魔人を倒せる。特に球磨と紅史郎なら。海王神も思っていることは同じでしょう?」
「・・・我は小童達の為では無く、溶岩の海にされたくないと思い、力を貸しただけだ」
いすみは頑固な態度で海に潜り、増鬼と分かれた。増鬼はやれやれと苦笑いしながら、海王神が磯から離れていくのを見続けた。
(相変わらず、海王神は素直ではないですねー)
そしてついに、勇士達も形勢逆転で魔人を追い詰め始めた。
「最後まで油断は出来ないぞ・・・。敵は追い詰められると禁術を出すかもしれない!!」
湘と桜龍は魔人が邪悪な気を体中にまとっているのを察知していた。球磨とアポロは2人で顔を合わせ、決心した。
「ここで、決着を付けようぜ!!アポロ、皆!!」
「ああ。私の体を邪悪に染めた奴に今こそ、報復を受けてもらうぞ!!」
2人が武器を構え、魔人と最終決着を付けようとした時、胡桃とつるぎが彼らに近づいた。
「球磨さん・・・どうか無事で。戦いが終わったら、皆で史跡を案内しますね」
「アポロ神・・うーん、ツクモ様・・いいや、紅史郎。その・・お主に告げたいことがある。だから、生きて還って来て欲しい!!」
つるぎの懇願に、美羅も頷いた。すると、球磨とアポロは笑顔で行ってくるぜと彼女達に言った。そして、2人は最大限に気を爆発させ、黄金の光に包まれた。
「さぁ、長年の因縁に終止符を打ってやるぜ!!!」
一方、白州とお都留と精霊戦士達は、天草や島原に取り残された民達の救出活動をしていた。すると、白州は遠くで戦っている球磨とアポロの姿を見て、少し残念そうな顔をしていた。
「今回は俺の入る隙がねーな」
小精霊は球磨兄ちゃんの元に行かないじゅら?と尋ねようとしたが、お都留に止められた。
「俺達も負けねーように、俺達にしか出来ない事をまっとうしようぜ!!」
精霊達は『おー!!!』と歓声を上げ、民の救助に力を注いだ。
その頃、球磨とアポロは魔人と攻防を繰り広げていた。桜龍達も援護しながら、2人の勝利を導いていた。
「おのれ・・・最後の手段だ、この星を黒い溶岩で燃え尽くしてやる!!そしてプロメテウス!!長年の恨みを晴らしてやる!!!!」
魔人は禁呪を使い、姿は原型を留めないドロドロとした溶岩の物体と変化した。周りの草木は溶岩で溶け消えてしまった。まずは青い海を黒く染めようと進攻しようとしたが、桜龍達に阻止された。
「球磨!!アポロ神!!今こそ、最大の力で泥んこ魔人を成敗してやれ!!」
「アポロ様・・いいや、紅史郎、この聖剣を使ってくれ!!」
「球磨、この鏡で魔人の力を封印して!!」
球磨とアポロは2人から神器を受け取り、西洋槍と双剣に聖火をまとわせ、魔人に突撃した。魔人が繰り出すドロドロの手を交わし、斬り刻んで行った。
『日ノ本・・いいや、この星を滅ぼさせたりはしない!!』
2人は同時に叫び、アポロは双剣を魔人の腕に投げ刺し、つるぎから授かった聖剣で胸を貫いた。
「さぁ!!プロメテウス、勇士達!!今こそとどめを!!!!」
桜龍、湘、モトス、千里は祈りを込め、球磨の持つ黄金の鏡に魔力を注いだ。球磨は魔人に鏡を向け、桜龍の雷、湘の水、モトスの風、千里の土、そして球磨の炎の力が放たれ、魔人の動きを完全に封印した。そして、動けなくなった魔人の頭上に突撃した。
「もう二度と、復活しないように成敗するぜ!!!!!」
球磨は頭上から凄まじい威力で、西洋槍を振い、魔人の頭を貫き倒した。魔人は神々の力にひれ伏し、断末魔の叫びを上げながら聖火に焼かれ消滅した。溶岩で傷ついた大地は、珠姫から授かった宝玉の力により、元の姿に戻った。美しい自然が戻った雲仙岳の麓を見て、2人はやったな!!と腕組みし、桜龍達も2人の元に駆けつけ、勝利の言葉をかけた。
「球磨ちゃん!!アポロ神!!格好良かったぜ!!!これが兄弟の絆ってやつだな!!」
桜龍は歓喜しながら両腕で2人の肩を組んだ。2人は互いに顔を見合わせ、クスッと笑った。
「ありがとう、桜龍。こうして皆と戦えて、魔人を倒せたのが信じられないよ」
「ははは!!姿は多少変わっても、性格は変わらないな、紅史郎」
紅史郎は球磨に頭を撫でられ、照れながら尋ねた。
「また・・・兄さんと呼んで言いかな?私・・いいや僕の場合は、アポロなのか?ツクモなのか?・・・はは・・」
「俺は今、お前のことを紅史郎って言ったぜ!!お前はアポロでもツクモでもあるが、俺の大切な弟だぜ!!」
つるぎは遠目で、2人の兄弟愛を見て涙ぐんでいた。湘は彼女の姿を見て言った。
「紅史郎の元へ行かないのかい?」
「・・・後でで良い。今は、兄弟が分り合えた事に喜びを感じている」
湘はそうかと、優しく笑いながら、涙顔を隠しているつるぎに笑いかけた。一方、胡桃は仁摩と話していた。
「仁摩さん、私を父の元に帰るように努力してくださったのに、拒絶してごめんなさい。私、家族の元に帰って、もう一度考えてみる。学者を目指しているけど、勇士達の戦いの役に立つ研究をしてみたいと思うの」
「胡桃さん・・・。紋治さんも胡桃さんが将来学者に成れるようにと応援していますよ。だから、希望の未来が来るためにも、私達は戦うわ!!」
仁摩の奥ゆかしく勇ましい姿に、胡桃は私も頑張らないと!!と決意し、美羅も何かを決意していた。女性が目標を見つけ、頑張ろうとする姿に、男性陣達も負けぬように努めるぞと意気込んでいた。
第13話 完
「勇士達に一目会わずに、もう行ってしまうのですか?」
「鬼の一族の者か・・・まだ戦いは続いておるのに、姿を消した貴様には言われたくない」
「私は自分の努めを果たしましたから。あの子達なら魔人を倒せる。特に球磨と紅史郎なら。海王神も思っていることは同じでしょう?」
「・・・我は小童達の為では無く、溶岩の海にされたくないと思い、力を貸しただけだ」
いすみは頑固な態度で海に潜り、増鬼と分かれた。増鬼はやれやれと苦笑いしながら、海王神が磯から離れていくのを見続けた。
(相変わらず、海王神は素直ではないですねー)
そしてついに、勇士達も形勢逆転で魔人を追い詰め始めた。
「最後まで油断は出来ないぞ・・・。敵は追い詰められると禁術を出すかもしれない!!」
湘と桜龍は魔人が邪悪な気を体中にまとっているのを察知していた。球磨とアポロは2人で顔を合わせ、決心した。
「ここで、決着を付けようぜ!!アポロ、皆!!」
「ああ。私の体を邪悪に染めた奴に今こそ、報復を受けてもらうぞ!!」
2人が武器を構え、魔人と最終決着を付けようとした時、胡桃とつるぎが彼らに近づいた。
「球磨さん・・・どうか無事で。戦いが終わったら、皆で史跡を案内しますね」
「アポロ神・・うーん、ツクモ様・・いいや、紅史郎。その・・お主に告げたいことがある。だから、生きて還って来て欲しい!!」
つるぎの懇願に、美羅も頷いた。すると、球磨とアポロは笑顔で行ってくるぜと彼女達に言った。そして、2人は最大限に気を爆発させ、黄金の光に包まれた。
「さぁ、長年の因縁に終止符を打ってやるぜ!!!」
一方、白州とお都留と精霊戦士達は、天草や島原に取り残された民達の救出活動をしていた。すると、白州は遠くで戦っている球磨とアポロの姿を見て、少し残念そうな顔をしていた。
「今回は俺の入る隙がねーな」
小精霊は球磨兄ちゃんの元に行かないじゅら?と尋ねようとしたが、お都留に止められた。
「俺達も負けねーように、俺達にしか出来ない事をまっとうしようぜ!!」
精霊達は『おー!!!』と歓声を上げ、民の救助に力を注いだ。
その頃、球磨とアポロは魔人と攻防を繰り広げていた。桜龍達も援護しながら、2人の勝利を導いていた。
「おのれ・・・最後の手段だ、この星を黒い溶岩で燃え尽くしてやる!!そしてプロメテウス!!長年の恨みを晴らしてやる!!!!」
魔人は禁呪を使い、姿は原型を留めないドロドロとした溶岩の物体と変化した。周りの草木は溶岩で溶け消えてしまった。まずは青い海を黒く染めようと進攻しようとしたが、桜龍達に阻止された。
「球磨!!アポロ神!!今こそ、最大の力で泥んこ魔人を成敗してやれ!!」
「アポロ様・・いいや、紅史郎、この聖剣を使ってくれ!!」
「球磨、この鏡で魔人の力を封印して!!」
球磨とアポロは2人から神器を受け取り、西洋槍と双剣に聖火をまとわせ、魔人に突撃した。魔人が繰り出すドロドロの手を交わし、斬り刻んで行った。
『日ノ本・・いいや、この星を滅ぼさせたりはしない!!』
2人は同時に叫び、アポロは双剣を魔人の腕に投げ刺し、つるぎから授かった聖剣で胸を貫いた。
「さぁ!!プロメテウス、勇士達!!今こそとどめを!!!!」
桜龍、湘、モトス、千里は祈りを込め、球磨の持つ黄金の鏡に魔力を注いだ。球磨は魔人に鏡を向け、桜龍の雷、湘の水、モトスの風、千里の土、そして球磨の炎の力が放たれ、魔人の動きを完全に封印した。そして、動けなくなった魔人の頭上に突撃した。
「もう二度と、復活しないように成敗するぜ!!!!!」
球磨は頭上から凄まじい威力で、西洋槍を振い、魔人の頭を貫き倒した。魔人は神々の力にひれ伏し、断末魔の叫びを上げながら聖火に焼かれ消滅した。溶岩で傷ついた大地は、珠姫から授かった宝玉の力により、元の姿に戻った。美しい自然が戻った雲仙岳の麓を見て、2人はやったな!!と腕組みし、桜龍達も2人の元に駆けつけ、勝利の言葉をかけた。
「球磨ちゃん!!アポロ神!!格好良かったぜ!!!これが兄弟の絆ってやつだな!!」
桜龍は歓喜しながら両腕で2人の肩を組んだ。2人は互いに顔を見合わせ、クスッと笑った。
「ありがとう、桜龍。こうして皆と戦えて、魔人を倒せたのが信じられないよ」
「ははは!!姿は多少変わっても、性格は変わらないな、紅史郎」
紅史郎は球磨に頭を撫でられ、照れながら尋ねた。
「また・・・兄さんと呼んで言いかな?私・・いいや僕の場合は、アポロなのか?ツクモなのか?・・・はは・・」
「俺は今、お前のことを紅史郎って言ったぜ!!お前はアポロでもツクモでもあるが、俺の大切な弟だぜ!!」
つるぎは遠目で、2人の兄弟愛を見て涙ぐんでいた。湘は彼女の姿を見て言った。
「紅史郎の元へ行かないのかい?」
「・・・後でで良い。今は、兄弟が分り合えた事に喜びを感じている」
湘はそうかと、優しく笑いながら、涙顔を隠しているつるぎに笑いかけた。一方、胡桃は仁摩と話していた。
「仁摩さん、私を父の元に帰るように努力してくださったのに、拒絶してごめんなさい。私、家族の元に帰って、もう一度考えてみる。学者を目指しているけど、勇士達の戦いの役に立つ研究をしてみたいと思うの」
「胡桃さん・・・。紋治さんも胡桃さんが将来学者に成れるようにと応援していますよ。だから、希望の未来が来るためにも、私達は戦うわ!!」
仁摩の奥ゆかしく勇ましい姿に、胡桃は私も頑張らないと!!と決意し、美羅も何かを決意していた。女性が目標を見つけ、頑張ろうとする姿に、男性陣達も負けぬように努めるぞと意気込んでいた。
第13話 完