第2章 九州の大一揆編 炎の魔人と聖火の神
その頃、桜龍達はイフリートと攻防を続けていたが、押され始め、ついには島原の港まで追い詰められてしまった。
「くっそ!!このまま有明海を溶岩で埋め尽くす気だ!!」
桜龍は球磨が戻るまで足止めをしようと、護符に雷の力を宿し、魔人の足を痺れさせた。魔人の足は麻痺し、目の前の荒れ地に転んだその隙を見て、モトスと湘は、巨大な竜巻に聖なる水を交わせ、魔人を渦に閉じ込めた。
「この程度の力で俺様の動きを止められるとでも思ったか!!」
魔人は体中から熱気を出し、渦を一瞬で消した。次の手を考えている桜龍に黒い火炎弾が飛んできた。それを千里が大地の力で魔人の炎を土の壁で遮ろうとしたが、相殺するのでやっとだった。
「く・・・魔人の力も上がっていますね・・・」
桜龍、モトス、千里、湘は、今度は4人で雷、風、大地、水の力を放ったが、全く効果がでなかった。魔人はもう終わりだ!!と巨大な手で4人を振り払い、吹き飛ばした。
「う・・俺達では倒せぬのか・・・・」
「全く・・日ノ本どころか世界中が溶岩の地になったら、ここは死の星になってしまうよ・・・」
地に叩きつけられた4人は、立ち上がるのがやっとだった。
「そうだ、桜龍とやらは、聖なる龍の瞳を持っているのだな。俺様の力の糧として貰おうではないか!!」
魔人は桜龍を標的にし、彼に灼熱の炎を帯びた溶岩石を繰り出した。桜龍は結界を張り、仲間も包んで護ったが、破られるのも時間の問題だった。仁摩とつるぎと美羅は助けなくては!!と援護しようとした時、赤い鎧の男に止められた。
「彼らが来ます。だから、君たちは見守っていてください」
それでも桜龍達が危ない!!と仁摩は行こうとしたが、男の強い気迫に動くのを止めた。仁摩は、この気迫を何処かで感じたことがあると、不思議に思っていた。
「さあ!!もう結界も破けるな!!大人しく聖龍の瞳を俺様に渡しな!!」
「誰が渡すか、貴様のような世界の脅威に!!」
「では、力尽くで奪うまでだ!!!」
魔人の強い拳で、ついに結界は破れてしまった。桜龍が魔人の手に捕まるその時、間に2つの光が現れ、魔人の手を遮り吹き飛ばした。
「この忌々しい光は・・・まさか!?」
魔人イフリートは古に感じたことがある神々しい光に戸惑い始めた。美羅とつるぎは心の中に珠姫の言葉が聞こえた。
(さぁ、目覚めなさい、鏡の守護者、『美羅』、聖剣の守護者、『つるぎ』!!)
美羅とつるぎは、姉の言葉を聞いた直後に、胸元が光り出し、つるぎの心からは黄金の聖剣、美羅からは黄金の手鏡が出現した。
「・・・思い出したわ!!姉さん、あたしは魔の力を祓う鏡」
「私は、斬魔の聖剣・・・アポロ様の剣!!」
桜龍は姉妹の姿を見て、良かったなと笑顔を向けた。そして、神々しい姿となった球磨達に対しても変わらない態度で迎えた。
「遅かったじゃねーか、球磨ちゃんと、えーっと・・太陽神様と呼べば良いのかな?」
「桜龍、皆!!遅くなってすまねえ!!話は長くなるが、今はこいつを皆で倒そうぜ!!」
「私は、真の姿に戻ることが出来ました。私は、ツクモでもあり、紅史郎でもあります」
アポロは桜龍に笑顔を向けながら告げると、桜龍はそうかと頷いた。湘とモトスは目を丸くしながら球磨に尋ねた。
「その姿・・・球磨なのか?ツクモと紅史郎は、西洋神話の太陽神だったのか・・・」
「お主達の暖かい光で、体力が回復していくぞ。そして、勝利の希望にも溢れていく」
先程まで魔人の攻撃で傷ついた4人は再び攻撃態勢に入った。
「弟さんだけではなく、ツクモとも分り合えて良かったですね、球磨さん」
千里が微かに笑いながら球磨に言うと、彼は『まぁな!!』と陽気な返事をした。湘は何時もの球磨で良かったとホッとしていた。
「姿は神々しくなっても、性格は変わらないな、暴れ牛」
「うるさいやい!!それから、この姿は炎の神『プロメテウス』だが、普通に球磨と言ってな!!」
強敵を前に、相変わらずの湘と球磨の喧嘩漫才に皆は朗らかな顔になったが、モトスは魔人の攻撃が来るぞ!!と皆に促し、一斉に火炎の一撃を避けた。
「島原で決着を着けるぞ!!皆」
球磨は西洋槍を天に掲げ、皆に合図した。皆も「おおー!!!!」と叫び、反撃に出た。
「例え太陽神と炎の神が復活したところで、俺様は無敵の力を得た。貴様らなんぞ塵にしてやる!!」
魔人イフリートは再び灼熱の炎を帯びた拳で攻撃しようとしたが、球磨の火炎の槍で拳に傷を付けられた。さらに、アポロの太陽光線で片腕を破壊させた。
「ぐぅわああああ!!!!!!!」
2人は神の斬撃を魔人に喰らわせた。魔人はあまりの衝撃に叫び声を出した。
「あれが・・・炎の神と太陽神の力か・・・すげぇぜ!!球磨ちゃん、ツクモ!!紅史郎!!」
「だから、クマちゃん言うな!!!」
球磨は桜龍を怒りながら、息を合わせ、火炎と雷撃を魔人にぶつけた。
「おのれ・・・調子に乗るな!!小童共!!」
魔人は口から灼熱の炎を吐き出し、モトスと湘の旋風と水流の合体技で相殺させた。その時、湘は魔人の鋭い角が太陽の光を吸収しているのを見て、もしやと思った。
「あの角が太陽の熱を吸収し、力を増強させているのかもしれない。あれを壊せば力は弱まるはずだ!!」
湘が皆に言うと、モトスは精霊のハネを広げ分身し、魔人を錯乱させながら角を調べた。
「・・・確かに、角からはとてつもない邪気を感じるぞ。とりあえず角の中枢神経を破壊しておこうか」
モトスは猛毒を塗ってあるクナイを取り出し、角の付け根に投げた。すると、魔人は速攻に猛毒が聞き始め、動きが止まった。
「皆!!魔人は弱り始めている!!攻めるのは今だ!!!」
モトスは皆の元に着地し、合図した。千里は真っ先に頷き、地面から岩石を階段状に出現させ、魔人に近づき、投げ小刀で魔人の目を潰した。
「ぐぅ・・・・ぎ・・ぎざまらー!!!!!」
目が見えなくなった魔人は無差別に口から炎を吐き、島原半島もろとも焼け野原にしようとした時、紅の鎧と兜を身につけた銀髪の戦士が、巨大な斧を、目に見えぬ速さで振い、2本の角を破壊した。球磨はその姿を見て、もしやと声を出した。
「貴方はもしや!!伝説の傭兵『紅蓮の増鬼』か!!」
球磨はまじまじと増鬼の顔を見ていたが、兜で顔がはっきりとは見えなかった。傭兵は球磨の方を向き、口元が笑っている風に見えた。桜龍は彼の勇猛果敢な姿に覚えがあった。
「あの人がクマちゃんが尊敬する紅蓮の増鬼かぁ・・・」
(でも、初めて会う気がしない・・・むしろ俺達の身近に居る人のような・・・・もしかしたら)
桜龍は増鬼の正体を大方察していたが、クスッと笑い、心の中に留めておこうと決めていた。増鬼は、美羅とつるぎの前に現れ、珠姫は鬼の里で治療すると告げ、素早く彼女を抱え姿を消した。
「姉さんをよろしくお願いします、増鬼様!!」
「く・・・これでは太陽の力を吸収出来なくなってしまったぞ・・・こうなったら、九州本土を一気に破壊してやる!!」
魔人は跳躍し、本土がある方向を気で察知し、巨大な溶岩の塊を投げようとした。湘は止めようと水で巨大な龍を作ったが、塊を包むのには威力が足りず、蒸発してしまった。湘は歯を食いしばりながら再び術を放とうとした時、彼の首に下げていたイルカの刺繍の御守りから声が聞こえた。
(湘、海王様と海洋族は貴方の味方です。そして、私もあなたを見守っています。だから、自分の力を信じて)
湘は、離ればなれになった人魚の母の声が聞こえ、不思議に思ったが、同時に勇気づけられ、深呼吸し、再び巨大な水龍を放った。すると、海の中から、魔人をも飲み込んでしまう程の巨大な海龍が出現し、水龍と一緒に魔人に大衝撃を与えた。
(この海龍は奴の術か・・・・)
湘はイルカの御守りを見ながら、内心複雑な顔をしていた。
(この御守りは、前に桜龍がくれた物・・・まさか、母が作った物だったとはな)
湘は母と桜龍が会ったことがあるのか、今度聞いてみようと思った。
「くっそ!!このまま有明海を溶岩で埋め尽くす気だ!!」
桜龍は球磨が戻るまで足止めをしようと、護符に雷の力を宿し、魔人の足を痺れさせた。魔人の足は麻痺し、目の前の荒れ地に転んだその隙を見て、モトスと湘は、巨大な竜巻に聖なる水を交わせ、魔人を渦に閉じ込めた。
「この程度の力で俺様の動きを止められるとでも思ったか!!」
魔人は体中から熱気を出し、渦を一瞬で消した。次の手を考えている桜龍に黒い火炎弾が飛んできた。それを千里が大地の力で魔人の炎を土の壁で遮ろうとしたが、相殺するのでやっとだった。
「く・・・魔人の力も上がっていますね・・・」
桜龍、モトス、千里、湘は、今度は4人で雷、風、大地、水の力を放ったが、全く効果がでなかった。魔人はもう終わりだ!!と巨大な手で4人を振り払い、吹き飛ばした。
「う・・俺達では倒せぬのか・・・・」
「全く・・日ノ本どころか世界中が溶岩の地になったら、ここは死の星になってしまうよ・・・」
地に叩きつけられた4人は、立ち上がるのがやっとだった。
「そうだ、桜龍とやらは、聖なる龍の瞳を持っているのだな。俺様の力の糧として貰おうではないか!!」
魔人は桜龍を標的にし、彼に灼熱の炎を帯びた溶岩石を繰り出した。桜龍は結界を張り、仲間も包んで護ったが、破られるのも時間の問題だった。仁摩とつるぎと美羅は助けなくては!!と援護しようとした時、赤い鎧の男に止められた。
「彼らが来ます。だから、君たちは見守っていてください」
それでも桜龍達が危ない!!と仁摩は行こうとしたが、男の強い気迫に動くのを止めた。仁摩は、この気迫を何処かで感じたことがあると、不思議に思っていた。
「さあ!!もう結界も破けるな!!大人しく聖龍の瞳を俺様に渡しな!!」
「誰が渡すか、貴様のような世界の脅威に!!」
「では、力尽くで奪うまでだ!!!」
魔人の強い拳で、ついに結界は破れてしまった。桜龍が魔人の手に捕まるその時、間に2つの光が現れ、魔人の手を遮り吹き飛ばした。
「この忌々しい光は・・・まさか!?」
魔人イフリートは古に感じたことがある神々しい光に戸惑い始めた。美羅とつるぎは心の中に珠姫の言葉が聞こえた。
(さぁ、目覚めなさい、鏡の守護者、『美羅』、聖剣の守護者、『つるぎ』!!)
美羅とつるぎは、姉の言葉を聞いた直後に、胸元が光り出し、つるぎの心からは黄金の聖剣、美羅からは黄金の手鏡が出現した。
「・・・思い出したわ!!姉さん、あたしは魔の力を祓う鏡」
「私は、斬魔の聖剣・・・アポロ様の剣!!」
桜龍は姉妹の姿を見て、良かったなと笑顔を向けた。そして、神々しい姿となった球磨達に対しても変わらない態度で迎えた。
「遅かったじゃねーか、球磨ちゃんと、えーっと・・太陽神様と呼べば良いのかな?」
「桜龍、皆!!遅くなってすまねえ!!話は長くなるが、今はこいつを皆で倒そうぜ!!」
「私は、真の姿に戻ることが出来ました。私は、ツクモでもあり、紅史郎でもあります」
アポロは桜龍に笑顔を向けながら告げると、桜龍はそうかと頷いた。湘とモトスは目を丸くしながら球磨に尋ねた。
「その姿・・・球磨なのか?ツクモと紅史郎は、西洋神話の太陽神だったのか・・・」
「お主達の暖かい光で、体力が回復していくぞ。そして、勝利の希望にも溢れていく」
先程まで魔人の攻撃で傷ついた4人は再び攻撃態勢に入った。
「弟さんだけではなく、ツクモとも分り合えて良かったですね、球磨さん」
千里が微かに笑いながら球磨に言うと、彼は『まぁな!!』と陽気な返事をした。湘は何時もの球磨で良かったとホッとしていた。
「姿は神々しくなっても、性格は変わらないな、暴れ牛」
「うるさいやい!!それから、この姿は炎の神『プロメテウス』だが、普通に球磨と言ってな!!」
強敵を前に、相変わらずの湘と球磨の喧嘩漫才に皆は朗らかな顔になったが、モトスは魔人の攻撃が来るぞ!!と皆に促し、一斉に火炎の一撃を避けた。
「島原で決着を着けるぞ!!皆」
球磨は西洋槍を天に掲げ、皆に合図した。皆も「おおー!!!!」と叫び、反撃に出た。
「例え太陽神と炎の神が復活したところで、俺様は無敵の力を得た。貴様らなんぞ塵にしてやる!!」
魔人イフリートは再び灼熱の炎を帯びた拳で攻撃しようとしたが、球磨の火炎の槍で拳に傷を付けられた。さらに、アポロの太陽光線で片腕を破壊させた。
「ぐぅわああああ!!!!!!!」
2人は神の斬撃を魔人に喰らわせた。魔人はあまりの衝撃に叫び声を出した。
「あれが・・・炎の神と太陽神の力か・・・すげぇぜ!!球磨ちゃん、ツクモ!!紅史郎!!」
「だから、クマちゃん言うな!!!」
球磨は桜龍を怒りながら、息を合わせ、火炎と雷撃を魔人にぶつけた。
「おのれ・・・調子に乗るな!!小童共!!」
魔人は口から灼熱の炎を吐き出し、モトスと湘の旋風と水流の合体技で相殺させた。その時、湘は魔人の鋭い角が太陽の光を吸収しているのを見て、もしやと思った。
「あの角が太陽の熱を吸収し、力を増強させているのかもしれない。あれを壊せば力は弱まるはずだ!!」
湘が皆に言うと、モトスは精霊のハネを広げ分身し、魔人を錯乱させながら角を調べた。
「・・・確かに、角からはとてつもない邪気を感じるぞ。とりあえず角の中枢神経を破壊しておこうか」
モトスは猛毒を塗ってあるクナイを取り出し、角の付け根に投げた。すると、魔人は速攻に猛毒が聞き始め、動きが止まった。
「皆!!魔人は弱り始めている!!攻めるのは今だ!!!」
モトスは皆の元に着地し、合図した。千里は真っ先に頷き、地面から岩石を階段状に出現させ、魔人に近づき、投げ小刀で魔人の目を潰した。
「ぐぅ・・・・ぎ・・ぎざまらー!!!!!」
目が見えなくなった魔人は無差別に口から炎を吐き、島原半島もろとも焼け野原にしようとした時、紅の鎧と兜を身につけた銀髪の戦士が、巨大な斧を、目に見えぬ速さで振い、2本の角を破壊した。球磨はその姿を見て、もしやと声を出した。
「貴方はもしや!!伝説の傭兵『紅蓮の増鬼』か!!」
球磨はまじまじと増鬼の顔を見ていたが、兜で顔がはっきりとは見えなかった。傭兵は球磨の方を向き、口元が笑っている風に見えた。桜龍は彼の勇猛果敢な姿に覚えがあった。
「あの人がクマちゃんが尊敬する紅蓮の増鬼かぁ・・・」
(でも、初めて会う気がしない・・・むしろ俺達の身近に居る人のような・・・・もしかしたら)
桜龍は増鬼の正体を大方察していたが、クスッと笑い、心の中に留めておこうと決めていた。増鬼は、美羅とつるぎの前に現れ、珠姫は鬼の里で治療すると告げ、素早く彼女を抱え姿を消した。
「姉さんをよろしくお願いします、増鬼様!!」
「く・・・これでは太陽の力を吸収出来なくなってしまったぞ・・・こうなったら、九州本土を一気に破壊してやる!!」
魔人は跳躍し、本土がある方向を気で察知し、巨大な溶岩の塊を投げようとした。湘は止めようと水で巨大な龍を作ったが、塊を包むのには威力が足りず、蒸発してしまった。湘は歯を食いしばりながら再び術を放とうとした時、彼の首に下げていたイルカの刺繍の御守りから声が聞こえた。
(湘、海王様と海洋族は貴方の味方です。そして、私もあなたを見守っています。だから、自分の力を信じて)
湘は、離ればなれになった人魚の母の声が聞こえ、不思議に思ったが、同時に勇気づけられ、深呼吸し、再び巨大な水龍を放った。すると、海の中から、魔人をも飲み込んでしまう程の巨大な海龍が出現し、水龍と一緒に魔人に大衝撃を与えた。
(この海龍は奴の術か・・・・)
湘はイルカの御守りを見ながら、内心複雑な顔をしていた。
(この御守りは、前に桜龍がくれた物・・・まさか、母が作った物だったとはな)
湘は母と桜龍が会ったことがあるのか、今度聞いてみようと思った。