第2章 九州の大一揆編 炎の魔人と聖火の神
「俺がお前の兄、煉太郎だぜ。覚えているかい?市場で買って一緒に食べた金平糖を」
紅史郎は透き通った輝きを放つ金平糖の瓶を見て、瞳に生気が戻った。南蛮市で買って、一緒に食べた金平糖を懐かしさのあまり、涙が流れ球磨を抱きしめた。
「球磨・・僕は、貴方にまた煉太郎兄さんと言って良いのか?」
胡桃も正気に戻り、球磨の元に駆けつけた。ツクモは自分がかけた強力な呪いがいとも簡単に解けたのに理解できなかった。
「同時に呪いを解けば解決ってな」
球磨は得意げに言うと、ツクモは未だに信じられない口振りだった。
「何故・・余の呪いは完璧だったとね・・・。君に、両方は助けられない。片方を犠牲にしなければならない事を証明してやりたかったのに・・・」
「俺には片方選択なんて無理だぜ。だから、2人を助けたいと、一か八か賭けに出たんだ」
ツクモは初めて球磨に悔しい顔を向けた。しかし球磨は、彼に歩み寄りハッキリと言った。
「俺は2人を助けたが、真に救いたい奴がいる。それはツクモ、お前だ!!」
ツクモは『何だと?』と意味がわからず、球磨を嘲笑った。
「おかしな事を言うとね。余と君は敵同士たい!!」
「お前はただの悪とは違う。推測だが、お前は邪念を植え付けられて、利用されている」
球磨はツクモを説得したが、彼は聞く耳を持たなかった。ツクモは苛立った顔をし、球磨に黒い火炎弾を放った。球磨は巨大な地球儀の像に激突した。
「うぅ・・くっそ・・・・説得は聞かねーか・・」
「下らん事言うとーね。余は生まれながらにして炎の魔神。禍津日神(マガツイノカミ)様の配下の1人とね」
球磨は直ぐに体勢を整え、再び槍を構えた。
「そこの壁画を見て、胡桃が教えてくれた。お前は太陽神アポロに似ている。お前は生まれた時から魔神ではなく、元々は太陽神だったんじゃねーのかい?」
「下らん戯言を!!」
ツクモは再び、黒い炎で渦を作り球磨を包んだ。しかし、球磨の揺るがぬ意志と強い魔力で、聖なる炎が放たれ、邪悪な渦は打ち消された。ツクモは『バカな!?』と焦り始めたが、球磨の姿がプロメテウスに見え、急に激しい頭痛を起こした。
「く・・プロメテウス・・余は・・いいや・・私は・・」
ツクモは頭を押さえ、苦しみながら正気を失ったかのように、炎の矢を連発させた。球磨と紅史郎は胡桃を護りながら互いの武器で炎を消した。
「援護するよ!!兄さん!!」
「ああ!!お前と一緒に戦える日を待っていたぜ!」
球磨と紅史郎は、幼い頃に共に鍛錬した記憶が蘇り、ツクモを相手に、ウキウキと心を躍らせていた。
「球磨さん、紅史郎さん!!助けていただき、ありがとうございます。これまでのご無礼を申し訳ございません!!」
胡桃が謝ると、球磨と紅史郎は『気にするな!』と彼女に笑いかけながら言った。ツクモは容赦なく炎の攻撃を繰り出した。
「・・・っち・・あいつ、我を失ってやがる・・早くケリを着けねーと、宮殿は大火災だぞ!!」
「これで、ツクモの額に付いている紅玉を壊してください!!」
胡桃は栗色の髪をまとめていた、今までに見たことも無い、無色透明で煌びやかに光を放つかんざしを外し球磨に渡した。
「これは、『ダイヤモンド』という世界で一番硬い宝石でできたかんざしです。これなら紅玉を壊せます」
球磨は『ありがとうな』と、胡桃の手の甲に口づけし、彼女にルビーが装飾された十字架の御守りを渡した。
「こいつが、お前を護ってくれるぜ!」
胡桃は球磨と紅史郎の無事を十字架に祈りを込めた。球磨は、自らも聖なる炎に包まれ、ツクモに攻撃を仕掛けた。
「ここで、決着をつけてやるぜ!!ツクモ!!」
ツクモも『望むところたい!!』と、2双の輪に黒い炎をまとわせ、接近する球磨に攻撃を繰り出した。球磨は槍で攻撃を防ぎ続けたが、隙をつかれ、ツクモに蹴り飛ばされてしまった。しかし、紅史郎が彼をがっしりと支え言った。
「僕がツクモに隙を作る。兄さんは胡桃さんの言った通り、額の紅玉を狙うんだ」
球磨が、『悪いな』と礼を言い頷くと、再びツクモに立ち向かった。
「2人で余に歯向かっても無駄とーね!!」
ツクモの額の紅玉は闇色に濁り、カンラン石の瞳も黒く変化した。紅史郎の強く煌びやかな炎は徐々に火力を増し、ツクモの片方の輪を破壊した。手に強い衝撃と火傷を負ったツクモは動きを止めた。球磨は槍を十字に描き、ツクモに放ち、完全に怯んだ隙に、ダイヤモンドのかんざしで額の紅玉を凄まじい勢いで狙い刺した。闇に染まった紅玉は粉々に砕け散った。その時、ツクモと紅史郎の脳裏に、いにしえの記憶が蘇った。
紅史郎は透き通った輝きを放つ金平糖の瓶を見て、瞳に生気が戻った。南蛮市で買って、一緒に食べた金平糖を懐かしさのあまり、涙が流れ球磨を抱きしめた。
「球磨・・僕は、貴方にまた煉太郎兄さんと言って良いのか?」
胡桃も正気に戻り、球磨の元に駆けつけた。ツクモは自分がかけた強力な呪いがいとも簡単に解けたのに理解できなかった。
「同時に呪いを解けば解決ってな」
球磨は得意げに言うと、ツクモは未だに信じられない口振りだった。
「何故・・余の呪いは完璧だったとね・・・。君に、両方は助けられない。片方を犠牲にしなければならない事を証明してやりたかったのに・・・」
「俺には片方選択なんて無理だぜ。だから、2人を助けたいと、一か八か賭けに出たんだ」
ツクモは初めて球磨に悔しい顔を向けた。しかし球磨は、彼に歩み寄りハッキリと言った。
「俺は2人を助けたが、真に救いたい奴がいる。それはツクモ、お前だ!!」
ツクモは『何だと?』と意味がわからず、球磨を嘲笑った。
「おかしな事を言うとね。余と君は敵同士たい!!」
「お前はただの悪とは違う。推測だが、お前は邪念を植え付けられて、利用されている」
球磨はツクモを説得したが、彼は聞く耳を持たなかった。ツクモは苛立った顔をし、球磨に黒い火炎弾を放った。球磨は巨大な地球儀の像に激突した。
「うぅ・・くっそ・・・・説得は聞かねーか・・」
「下らん事言うとーね。余は生まれながらにして炎の魔神。禍津日神(マガツイノカミ)様の配下の1人とね」
球磨は直ぐに体勢を整え、再び槍を構えた。
「そこの壁画を見て、胡桃が教えてくれた。お前は太陽神アポロに似ている。お前は生まれた時から魔神ではなく、元々は太陽神だったんじゃねーのかい?」
「下らん戯言を!!」
ツクモは再び、黒い炎で渦を作り球磨を包んだ。しかし、球磨の揺るがぬ意志と強い魔力で、聖なる炎が放たれ、邪悪な渦は打ち消された。ツクモは『バカな!?』と焦り始めたが、球磨の姿がプロメテウスに見え、急に激しい頭痛を起こした。
「く・・プロメテウス・・余は・・いいや・・私は・・」
ツクモは頭を押さえ、苦しみながら正気を失ったかのように、炎の矢を連発させた。球磨と紅史郎は胡桃を護りながら互いの武器で炎を消した。
「援護するよ!!兄さん!!」
「ああ!!お前と一緒に戦える日を待っていたぜ!」
球磨と紅史郎は、幼い頃に共に鍛錬した記憶が蘇り、ツクモを相手に、ウキウキと心を躍らせていた。
「球磨さん、紅史郎さん!!助けていただき、ありがとうございます。これまでのご無礼を申し訳ございません!!」
胡桃が謝ると、球磨と紅史郎は『気にするな!』と彼女に笑いかけながら言った。ツクモは容赦なく炎の攻撃を繰り出した。
「・・・っち・・あいつ、我を失ってやがる・・早くケリを着けねーと、宮殿は大火災だぞ!!」
「これで、ツクモの額に付いている紅玉を壊してください!!」
胡桃は栗色の髪をまとめていた、今までに見たことも無い、無色透明で煌びやかに光を放つかんざしを外し球磨に渡した。
「これは、『ダイヤモンド』という世界で一番硬い宝石でできたかんざしです。これなら紅玉を壊せます」
球磨は『ありがとうな』と、胡桃の手の甲に口づけし、彼女にルビーが装飾された十字架の御守りを渡した。
「こいつが、お前を護ってくれるぜ!」
胡桃は球磨と紅史郎の無事を十字架に祈りを込めた。球磨は、自らも聖なる炎に包まれ、ツクモに攻撃を仕掛けた。
「ここで、決着をつけてやるぜ!!ツクモ!!」
ツクモも『望むところたい!!』と、2双の輪に黒い炎をまとわせ、接近する球磨に攻撃を繰り出した。球磨は槍で攻撃を防ぎ続けたが、隙をつかれ、ツクモに蹴り飛ばされてしまった。しかし、紅史郎が彼をがっしりと支え言った。
「僕がツクモに隙を作る。兄さんは胡桃さんの言った通り、額の紅玉を狙うんだ」
球磨が、『悪いな』と礼を言い頷くと、再びツクモに立ち向かった。
「2人で余に歯向かっても無駄とーね!!」
ツクモの額の紅玉は闇色に濁り、カンラン石の瞳も黒く変化した。紅史郎の強く煌びやかな炎は徐々に火力を増し、ツクモの片方の輪を破壊した。手に強い衝撃と火傷を負ったツクモは動きを止めた。球磨は槍を十字に描き、ツクモに放ち、完全に怯んだ隙に、ダイヤモンドのかんざしで額の紅玉を凄まじい勢いで狙い刺した。闇に染まった紅玉は粉々に砕け散った。その時、ツクモと紅史郎の脳裏に、いにしえの記憶が蘇った。