店長のぼやきいろいろ

遅刻愛妻の日小ネタ

2025/02/02 11:23



「おかえりなさい、一護くん!」

1月31日、夜9時30分。
無事に虚退治を終えて家に戻れば、嫁さんが掃き出し窓を開けて出迎えてくれた。

「ただいま。織姫、まだ起きてたのか。先に寝てていいって言ったのに。」

嫁さんの仕事は、パン屋。
店が毎朝8時にオープンするため、オープンからのシフトの日は、朝の5時には家を出ていく。

だから、嫁さんは今夜も9時前には就寝しなければならなかったのに、タイミング悪く虚が現れて。
俺1人で魂葬するから大丈夫だ…と告げて虚の元へ向かったが、やはり彼女は俺を待って、ちゃんと起きていた。

「でも、やっぱり心配で。ケガしなかったかな、とか。」
「そんじょそこらの虚じゃ、俺に傷一つつけらんねぇって知ってるだろ?明日の朝、早いのに…。」

俺は無傷の死神体を嫁さんにしっかり見せてから、身体に戻って。
胡桃色の頭をぽすぽすと撫でれば、ようやく嫁さんは安心したような笑顔を見せた。

「ありがとう、一護くん。じゃあ、申し訳ないけど、先におやすみなさいするね。」
「おう。おやすみ、織姫。」

本当は、もう少し嫁さんと話していたかったけれど、彼女の仕事柄そうはいかないことは十分解っている。
まだ9時30分、さすがに寝るのはまだ早いしな…と考え、特に見たいテレビ番組も読みたい本もない俺は、ソファに寝転ぶと適当にスマホを開いた。




…しばらくして。

「織姫、寝たか…?」
「ううん…。眠れないよぅ…。」

寝室のドアを少しだけ開けて俺が声をかければ、困ったような嫁さんの小声が返ってきた。

「やっぱり寝てなかったか。」

なんとなく、だけど。
寝室のドアが閉まっていても、嫁さんが起きている気配を感じていた俺。
眉を八の字にして布団を被っているであろう嫁さんを想像し、小さく笑って。
リビングの灯りを消し、俺もまた寝室へと入った。

「寝なくちゃ、寝なくちゃ…って思えば思うほど、眠れなくなっちゃうんだよねぇ…。」
「じゃあ、織姫が寝るまで、俺が隣にいるよ。」
「え?」

確かに、寝るにはちょっと早い時間だけど、別にしたいこともないし。
俺が今いちばん「したいこと」は、嫁さんと一緒に過ごすこと…なんだ。

せっかく夫婦になったんだ。
二人の時間を、少しでも増やしたい…なんて、嫁さんには恥ずかしくて言えないけど。

「いいの?一護くんの貴重な自由時間でしょ?」
「いいんだよ。こうやってただ織姫の隣にいるのも、悪くない。」
「…ありがとう。嬉しい…。」

俺が嫁さんのいるベッドに入り横になれば、彼女はすりすりと猫のように身体を擦り寄せてきた。

あったかくて、柔らかくて、優しくて…クソ可愛い。

俺の、大事な嫁さん。

そう言えば、今日は「愛妻の日」だって、ネットニュースに出てたな。

俺が愛しさを込めて彼女の頭や髪をゆっくりと撫でれば、嫁さんはうっとりして目を閉じて。

「ふふふ、気持ちいいなぁ…。何だか眠れそうな気がしてきたよ…。」

彼女の頭から肩辺りまで、胡桃色の上を何度も上下する俺の手。
全然飽きのこない、滑らかな触り心地。

「鬱陶しくねぇ?」
「全然。むしろ、落ち着くっていうか…。ほら、赤ちゃんもお母さんに背中をトントンしてもらうと眠くなるって言うじゃない?」
「オマエ、赤ちゃんかよ。」

俺のツッコミに小さなあくびで返事をした嫁さんが、俺の胸にそっとおでこをくっつける。

そろそろ、眠くなってきたのかな。

って言うか、何だか俺も眠たくなってきた…。

織姫の髪を何度も梳いているうちに、だんだんと重たくなってくる俺の目蓋。

やべぇな、これじゃ俺の方が先に寝ちゃいそうだ…。

織姫の髪が、気持ちよすぎるからかな。
それとも、赤ん坊と同じで、やっぱりこの規則的な動きが、眠気を誘発すんのかな。

それとも…。

「一護くんと一緒だと、すごく安心…するの…。おやすみなさい…。」

…ああ、それだ。

「安心」するんだ…この温もりに、匂いに、…存在に…。

「おやすみ、織姫…。」

寝るにはちょっと早いけど…まぁいいか。
その分、明日は早起きして、仕事へ出かける嫁さんを見送ろう。

そんなことを考えながら、俺は嫁さんの髪を撫でるのを止め、代わりに彼女の身体を包み込むように抱き寄せ、目を閉じた。



キミの隣が、いつだっていちばん安らげる場所。




(2025.02.02)








感動の「わんぷり」最終回から1週間、ついに「キミプリ」が始まりました!
前々作「ひろプリ」が素晴らしかったので、「わんぷり」どうかな…なんて思いながら見始めたら、ちゃんとめっちゃ面白かったので、多分「キミプリ」もそうなるんじゃないかな、という予感。
プリキュアって、本当にハズレのない作品を毎年世に送り出していて、すごいコンテンツだなぁと改めて思います。
あと毎年キャラデザがどんどん複雑化していて、アニメの技術の進化もすごい…。キュアアイドルのキャラデザ、めっちゃ複雑だと思いませんか?今期もみんな可愛いぜ…。推しが決められない…。

そして、まだ私と一緒にプリキュアを見てくれる娘、ありがとう(笑)。
もう、可愛くて癒されるものだけ摂取して生きていきたい…(ここに一織とかずくんも含まれます、勿論)。

コメント

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  • 明夢2025/02/02 11:32

    素敵一織ありがとうございます
    明夢

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  • 明夢2025/02/02 11:32

    素敵一織ありがとうございます
    明夢

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