店長のぼやきいろいろ

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  • 遅刻!猫の日小ネタです!

    20250224(月)11:50



    「ねぇお父さん、お母さん、今日は何の日か知ってる?」

    休日の朝、3人で朝食を囲み「いただきます」と声をそろえて。
    最初に味噌汁を一啜りしたところで一勇にそう問われた俺は、壁にかかっているカレンダーに視線を移した。

    「ん?あ〜、そうか、今日は2月22日…。」
    「猫の日、だね!」

    箸を片手に答えを告げる嫁さん。
    情報収集のために朝からつけっぱなしのテレビからも、「今日は猫の日です!」と爽やかに告げるアナウンサーの声が聞こえた。







    《続々々々々々々々々々々・2月22日》







    「昨日ね、友達と話してたんだ。もし猫になったらどんな感じかな、って。」

    茶碗に山盛りのご飯を思いっきり頬張ったあと、一勇が突然そう言い出すので、俺は危うく口に含んだ味噌汁を吹き出しそうになった。

    「ぶっ!一勇、おまえ…。」
    「うん、ぼくは猫になった感じをちょっとだけ知ってるからね。でも言ってないよ、ちゃんと話を合わせておいた。安心して。」

    ぽやぽやっとしているようで、実は賢い息子に胸を撫で下ろす。
    こういうところは、嫁さんに似たんだろうな…なんて。

    猫の日にちなんだ限定猫型スイーツやら猫グッズやらを紹介しているテレビ画面を眺めつつ、俺は箸を進める。

    「それでね、友達が『もし一緒に猫になっなら、いつもの公園のいちばん大きな木に登ってみたいね、どっちが先にてっぺんに着けるか競争しよう』って言ってたんだ。」
    「ふふ、楽しそうだね。」

    もりもりと朝ごはんを食べながら、にこにこと穏やかな笑顔で一勇の話に耳を傾ける嫁さん。
    どこまでも空想の話なのに(いや、俺達の場合は若干過去でもあるのが何とも言えないが)、一勇はまるで将来の夢を語るかのように目を輝かせていて。

    「でしょ?そう言えば、僕たちも、いつも誰か一人が猫になってて、みんなで一緒に猫になったことないなぁって。」

    ああ…そう来たか。

    一勇、毎年誰かが猫になる家庭なんて、世界中でウチぐらいしかないからな?

    その話題で「確かにね〜」って母親が頷いてくれる状況も、ウチでしかありえないからな?

    「ね、お父さんとお母さんは、もし3人一緒に猫になったら、何がしたい?」

    突然の一勇からの質問、真剣に答えを探す嫁さん。

    「うーん、猫だからできること…かぁ。やっぱり、木登り?」
    「僕はね、まず3人でお散歩!」
    「それは猫じゃなくてもできるんじゃないか?」

    俺が突っ込めば、一勇はいつの間にか最後の一口になっていたご飯をぱくん!と口に放り込んで。

    「でも、猫だったら狭いところも通れるし、塀の上も歩けるし、きっと楽しいよ!」
    「なるほど。」
    「あとね、疲れたら3人でお昼寝する!」
    「それも猫じゃなくてもできるけど?」
    「でも、みんなもふもふだから、くっついて寝たらきっとあったかくて気持ちいいよ!」
    「それもそうかもね。」
    「あと、3人で美味しいものをいっぱい食べる!」
    「それも別に…いや、猫ならそれこそ腹がいっぱいになるまで食えるか。身体が小さいもんな。」
    「一勇、いつもはお魚はあんまり食べてくれないけれど、猫になったら沢山食べてくれるかしら?」

    空想上の話で盛り上がる、朝の食卓。

    楽しげな一勇と嫁さんを視界に捉え、こんな話もたまにはいいか…なんて思いながら、同時に、そうだ、これは空想の話なんだ…と改めて自分に言い聞かせる。

    今年は、誰も猫にならないぞ。
    簡単なことだ、今日1日、浦原商店に近づかなければいいだけなんだ。

    「ああ美味しかった!」
    「ごちそうさまでした〜!」

    そして、いつものように朝食を食べ終わり、家族3人でぱちんと手を合わせた、その時だった。

    ぽんっ!
    「にゃっ?!」
    ぽんっ!
    「ににゃっ?!」
    ぽんっ!
    「ニャッ?!」

    …見事、俺達3人は、それぞれの座っていた椅子の上で、猫の姿になっていた。




    「ニャニャ、ニャニャ〜!?(な、なんで猫になっちまったんだ!?)」
    「な〜ん?(お母さん、浦原さんからもらったもの、朝食に出てた?)」
    「に、にに〜?(そう言えば、今日のお味噌汁のお味噌は、浦原さんからいただいたものだけど…でも、ずっと前から使ってたよ?)」
    「ニャニャ〜…(まさか、味噌の奥の方に猫になる薬が仕込んであったとか…?)」
    「な〜ん?(それが、ちょうど猫の日に発動しちゃったとか?狙ってたのかな?)」
    「ニャ〜…(浦原さんめ…ウチの味噌の減り具合まで計算してるとか、恐ろしすぎるだろ…)」
    「にゃあ〜ん(せめて、お茶碗を水につけてから猫になりたかったなぁ)」
    「ニャニャ…(織姫、そこじゃねぇだろ…)」

    にゃ〜にゃ〜、にーにーと会話して。
    俺達3人は猫になった顔を見合わせると、同時に「ぷにゃっ!」と小さく吹き出した。

    「ニャニャ!ニャ!(しょーがねぇ。猫になっちまったんだし、この際一勇のやりたかったこと、全部やるか!)」
    「な〜ん?(え、いいの!?)」
    「にゃ〜ん?(ふふ、いいんじゃない?まずは3人でお散歩かな?)」

    猫にならなくたってできるだろ?なんて言ったけど、3人で散歩なんて、いつしたのかもう思い出せないくらい前のこと。

    今年も猫になっちまったのは不服だけど、3人で散歩…という一勇の願いを叶えるいいきっかけになったこともまた事実。

    猫になっちまった以上、今日は仕事にならねぇからな。
    それならいっそ、家族と1日過ごすのも悪くない。

    どうせ、半日程度で元に戻れるんだろうし…なんて、楽観的になっちまうのは、多分嫁さんの影響だ。

    「ニャニャー!(じゃあ、腹ごなしの散歩と行くか!疲れたら昼寝すればいいし)」
    「なーん!(やったー!)」
    「にゃにゃ〜!(ふふふ、すっごく楽しそうね!)」

    換気用に少しだけ開けてあったリビング窓から、するり…と抜け出して。
    俺達3人は、猫の姿で散歩へと出かけたのだった。








    「うーん…どうしてお父さんだけ、元に戻れないんだろうねぇ?」
    「ねぇ…もう夕方なのに。」
    「ニャニャ…(何でだよ…)。」


    (2025.2.24)



    ************************


    遅刻しましたが、どうにか今年も猫の日小ネタをアップできました!ああ、よかった!(自己満)

    それにしても、サイトを確認しようとしたら、強制でCM見させるタイプの広告がでてきたんですけど、あれ何ですか…?
    サイトのお客様、毎回アレに対応しなくちゃいけないの、かなりのストレスなのでは…?
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  • 2月2日コメント御礼

    20250211(火)11:41
    明夢様

    ぼやきにアップした「愛妻の日」小ネタにコメントありがとうございます!あんまり愛妻の日関係なくてこじつけっぽくもありましたが(笑)、読んでいただけて嬉しいです\(^o^)/
    織姫ちゃんが「ABCookies」に勤めているので、よくネタ的に「朝が早い」を使うんですけど、実際のところどうなのかな…とググったところ、やはり朝から仕込むためオープン担当はめっちゃ朝早いそうです。代わりに3時頃には仕事を上がれるため、仕事上がりに映画に行ったりカフェ行ったりする時間が取れて利点でもある…と書かれてましたが。
    そんな記事を読んで思いついた小ネタでございます。一護、織姫ちゃんの勤務に合わせるには自宅で働くのがやっぱりよさそうですよね。だから翻訳家なのか…と納得してみたり。
    明夢様も変わらずお忙しいとは思いますが、まだまだ寒い毎日、お身体に気をつけてお過ごしくださいませ!
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  • 遅刻愛妻の日小ネタ

    20250202(日)11:23



    「おかえりなさい、一護くん!」

    1月31日、夜9時30分。
    無事に虚退治を終えて家に戻れば、嫁さんが掃き出し窓を開けて出迎えてくれた。

    「ただいま。織姫、まだ起きてたのか。先に寝てていいって言ったのに。」

    嫁さんの仕事は、パン屋。
    店が毎朝8時にオープンするため、オープンからのシフトの日は、朝の5時には家を出ていく。

    だから、嫁さんは今夜も9時前には就寝しなければならなかったのに、タイミング悪く虚が現れて。
    俺1人で魂葬するから大丈夫だ…と告げて虚の元へ向かったが、やはり彼女は俺を待って、ちゃんと起きていた。

    「でも、やっぱり心配で。ケガしなかったかな、とか。」
    「そんじょそこらの虚じゃ、俺に傷一つつけらんねぇって知ってるだろ?明日の朝、早いのに…。」

    俺は無傷の死神体を嫁さんにしっかり見せてから、身体に戻って。
    胡桃色の頭をぽすぽすと撫でれば、ようやく嫁さんは安心したような笑顔を見せた。

    「ありがとう、一護くん。じゃあ、申し訳ないけど、先におやすみなさいするね。」
    「おう。おやすみ、織姫。」

    本当は、もう少し嫁さんと話していたかったけれど、彼女の仕事柄そうはいかないことは十分解っている。
    まだ9時30分、さすがに寝るのはまだ早いしな…と考え、特に見たいテレビ番組も読みたい本もない俺は、ソファに寝転ぶと適当にスマホを開いた。




    …しばらくして。

    「織姫、寝たか…?」
    「ううん…。眠れないよぅ…。」

    寝室のドアを少しだけ開けて俺が声をかければ、困ったような嫁さんの小声が返ってきた。

    「やっぱり寝てなかったか。」

    なんとなく、だけど。
    寝室のドアが閉まっていても、嫁さんが起きている気配を感じていた俺。
    眉を八の字にして布団を被っているであろう嫁さんを想像し、小さく笑って。
    リビングの灯りを消し、俺もまた寝室へと入った。

    「寝なくちゃ、寝なくちゃ…って思えば思うほど、眠れなくなっちゃうんだよねぇ…。」
    「じゃあ、織姫が寝るまで、俺が隣にいるよ。」
    「え?」

    確かに、寝るにはちょっと早い時間だけど、別にしたいこともないし。
    俺が今いちばん「したいこと」は、嫁さんと一緒に過ごすこと…なんだ。

    せっかく夫婦になったんだ。
    二人の時間を、少しでも増やしたい…なんて、嫁さんには恥ずかしくて言えないけど。

    「いいの?一護くんの貴重な自由時間でしょ?」
    「いいんだよ。こうやってただ織姫の隣にいるのも、悪くない。」
    「…ありがとう。嬉しい…。」

    俺が嫁さんのいるベッドに入り横になれば、彼女はすりすりと猫のように身体を擦り寄せてきた。

    あったかくて、柔らかくて、優しくて…クソ可愛い。

    俺の、大事な嫁さん。

    そう言えば、今日は「愛妻の日」だって、ネットニュースに出てたな。

    俺が愛しさを込めて彼女の頭や髪をゆっくりと撫でれば、嫁さんはうっとりして目を閉じて。

    「ふふふ、気持ちいいなぁ…。何だか眠れそうな気がしてきたよ…。」

    彼女の頭から肩辺りまで、胡桃色の上を何度も上下する俺の手。
    全然飽きのこない、滑らかな触り心地。

    「鬱陶しくねぇ?」
    「全然。むしろ、落ち着くっていうか…。ほら、赤ちゃんもお母さんに背中をトントンしてもらうと眠くなるって言うじゃない?」
    「オマエ、赤ちゃんかよ。」

    俺のツッコミに小さなあくびで返事をした嫁さんが、俺の胸にそっとおでこをくっつける。

    そろそろ、眠くなってきたのかな。

    って言うか、何だか俺も眠たくなってきた…。

    織姫の髪を何度も梳いているうちに、だんだんと重たくなってくる俺の目蓋。

    やべぇな、これじゃ俺の方が先に寝ちゃいそうだ…。

    織姫の髪が、気持ちよすぎるからかな。
    それとも、赤ん坊と同じで、やっぱりこの規則的な動きが、眠気を誘発すんのかな。

    それとも…。

    「一護くんと一緒だと、すごく安心…するの…。おやすみなさい…。」

    …ああ、それだ。

    「安心」するんだ…この温もりに、匂いに、…存在に…。

    「おやすみ、織姫…。」

    寝るにはちょっと早いけど…まぁいいか。
    その分、明日は早起きして、仕事へ出かける嫁さんを見送ろう。

    そんなことを考えながら、俺は嫁さんの髪を撫でるのを止め、代わりに彼女の身体を包み込むように抱き寄せ、目を閉じた。



    キミの隣が、いつだっていちばん安らげる場所。




    (2025.02.02)








    感動の「わんぷり」最終回から1週間、ついに「キミプリ」が始まりました!
    前々作「ひろプリ」が素晴らしかったので、「わんぷり」どうかな…なんて思いながら見始めたら、ちゃんとめっちゃ面白かったので、多分「キミプリ」もそうなるんじゃないかな、という予感。
    プリキュアって、本当にハズレのない作品を毎年世に送り出していて、すごいコンテンツだなぁと改めて思います。
    あと毎年キャラデザがどんどん複雑化していて、アニメの技術の進化もすごい…。キュアアイドルのキャラデザ、めっちゃ複雑だと思いませんか?今期もみんな可愛いぜ…。推しが決められない…。

    そして、まだ私と一緒にプリキュアを見てくれる娘、ありがとう(笑)。
    もう、可愛くて癒されるものだけ摂取して生きていきたい…(ここに一織とかずくんも含まれます、勿論)。

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  • 新年1発目の小ネタは、ちょっと詩っぽく

    20250119(日)22:38


    「なぁなぁ、昨日の大学祭で黒崎と一緒に歩いてたの、黒崎の彼女だろ?」
    「そうそう!俺も見た見た!めっちゃ可愛かった!どこかのアイドルかと思うレベル!」
    「うわぁぁ、マジで羨ましいぜ!」

    だろうな、だろうな
    俺は内心、大きく頷く

    本人は全く無自覚だけど
    アイドルみたいに可愛くて、スタイルも抜群で
    しかも性格は素直で、優しくて、明るくて、努力家で
    あのはにかんだ笑顔を見るたび、ふわっと心があったかくなる

    俺の自慢の、最高のカノジョ

    しかも、俺のせいで危ない目にも沢山あって
    怖い思いも辛い思いも沢山して
    俺のヒトとは違う「顔」も沢山見て
    それでも、俺を「いちばん」に選んでくれる

    俺の大切な、最愛のカノジョ

    どうだ、羨ましいだろう
    …絶対に誰にも譲らないけど





    「織姫ちゃん、昨日は楽しかったかい?」
    「昨日?そう言えば、日曜日に織姫ちゃんが休みを取るなんて珍しいね。何かあったの?」
    「それがほら、あのオレンジの彼氏に大学祭に誘われて、連れてってもらったんだって!」
    「ああ!あのイケメンの!ちょっと見た目は怖そうだけど、優しいのね〜!」

    うふふ、そうなんです、そうなんです

    あたしは口元がニヤけそうになるのを必死でこらえる

    本人は「フツーだろ」って、当たり前な顔をするけれど
    どこから見てもカッコよくて、オレンジ色の髪は、お日様みたいにキラキラしてて
    誰に対しても優しくて、強くて、誠実で、真面目で
    あたしのことをいつも心配してくれる

    あたしの大好きな、最強のカレシさん

    彼が背負っているものはとても重くて、大きくて
    でも、それから逃げず、傷つきながらも真っ直ぐに向き合って、乗り越えて
    そうして、沢山の世界を、命を護ってきた

    あたしがずっと護りたい、大切なカレシさん

    彼に相応しい女の子になれるように…
    あたし、もっともっと自分を磨きます






    「あらあら、可愛い子だねえ。目がくりくりっとしてて。」

    そうだろう、そうだろう
    ですよね、ですよね

    俺は内心、大きく頷く
    あたしは心の中で、首を大きく縦に振る

    たまたま信号待ちで隣になったおばあさんが、ウチのベビーカーを覗き込んで

    ウチの子があどけない笑顔を見せれば、そのおばあさんもとろけそうな笑顔になった

    ウチの嫁さん似の、大くて丸い目
    きょとんとした顔もにっこりと笑った顔も、本当に嫁さんそっくりで
    そりゃ可愛いに決まってるんだ

    「綺麗な髪ね。お父さんと同じ髪色だし、地毛かしら?」

    あたしの旦那様似の、大好きなオレンジ色の髪
    弾けるような笑顔は、どこまでも眩しくて
    まるでベビーカーの中に、小さな太陽があるみたいでしょう?

    けれど、そんなこと言ったら「またのろけて」って言われちまうし
    でも、そんなこと声に出したら「親バカ」って言われちゃうから

    だから、笑顔でそのおばあさんに二人で「ありがとうございます」って小声で答えて、会釈を返した





    「ねえねえ、あの人、かずくんのお父さんとお母さん?」
    「すぐわかったよ!かずくんとこ、お父さんはめっちゃカッコいいし、お母さんはめっちゃ美人なんだね!」

    そうでしょう、そうでしょう
    僕はえへんと胸を張る

    だって、僕のお父さんは強くてカッコよくて、「ほんやくか」っていう難しいお仕事をしていて

    僕のお母さんは、優しくて可愛くておもしろくて、お菓子作りもとっても上手

    それで、二人とも僕のことを、いっぱい「ぎゅ〜」してくれる

    僕の大好きな、自慢のお父さんとお母さん

    それに、お父さんとお母さん、いつでもすごくすごく仲良しなんだよ

    でも、そのことを言うと、お父さんもお母さんも何でか分からないけどすごく恥ずかしいんだって

    だから、僕は黙ったまま、後ろを向いてこっそり手を振った

    もちろん、お父さんはニッて笑ってくれて、お母さんは小さく手を振り返してくれたよ




    今日は僕の、授業参観日

    授業は、「家族の話」だって。


    (2025.01.18)
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  • 明けましておめでとうございます!

    20250101(水)17:58
    昔からのお客様も、フォレストプラスさんからのお客様も、2025年もどうぞよろしくお願いいたします。

    今年も変わらず、のそのそと亀更新していきたいと思います。
    一織を愛する気持ちだけはなくしておりませんので…!
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  • 12月25日コメント御礼

    20241230(月)23:30
    明夢様

    お忙しい中、ぼやきにアップしたクリスマス小ネタにコメントありがとうございます!(⁠^⁠^⁠)
    今回のお話は、職場の人との雑談していたら「昔、クリスマスの時期にケーキにひたすらイチゴを乗せるだけのバイトをしたことがある」という方がいて、そこから「じゃあ、織姫ちゃんはクリスマスに一護に会うのは厳しいのかな」とか考えた結果生まれました。
    とは言え、27日ぐらいにはお休みをもらった織姫ちゃんと会って、しっかり充電してそうなんですけどね、一護(笑)。

    明夢様には、今年も本当にお世話になりました!サイトの移設が間に合ったのも、明夢様がフォレストさんの閉鎖を教えてくださったお陰です!
    これからも、ゆるく長く繋がっていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします!


    ぼやきのクリスマスネタを読んでくださった皆様も、ありがとうございます!もう大晦日かぁ、早いよ〜!
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  • クリスマス小ネタです!(糖度低めかも)

    20241225(水)21:35


    それは、12月24日の1週間前。

    「井上は、やっぱりクリスマスはずっと仕事忙しいのか?」
    「うん。ケーキ屋だからね。1年でいちばん忙しいよ。臨時のバイトさんを雇ってるぐらいだもん。黒崎くんは?」
    「俺も、卒論を仕上げながら、同時に卒論発表に向けてパワポ作らなくちゃいけなくてさ。年明けてすぐに提出と発表が控えてるんだ。」
    「そっかぁ。何だかカッコいい!でも、大学4年生ってやっぱり忙しいんだね。クリスマスもお正月も関係ないのは、うちの店と一緒だね。」

    一護の手には、ABCookiesで買った朝食用のパン。
    隣を歩く仕事上がりの織姫の髪は、ゆるく三つ編みされている。

    夕日に照らされ、道路に長く伸びる、2人の影。
    こうして直接顔を見ながら近況を話すのも、実は随分久しぶりで。

    微妙な距離を開けて並ぶその影を見つめながら、一護はきゅっ…と静かに唇をかんだ。

    互いの状況を話せば話すほど、「大学を卒業するまでは、お付き合いは保留」と言った織姫の言葉が正しかったことを改めて証明されているようで。

    誰が悪いわけでもない。
    自分の意志で選んだ道だ…それでもやっぱり、悔しかった。

    自分と織姫、2人の置かれた立場を考えれば、「恋人同士の甘いクリスマス」なんて程遠い…そんなこと、とっくにわかっていた筈なのに…。

    「でも…ね。」

    俯きがちに歩く一護の隣で、しばらく黙ったまま歩いていた織姫が、少しの静寂のあと、白い息と共に、ふ…と言葉を紡ぐ。

    「ん?」
    「あたし…淋しくなんてないよ。だって、あたしがクリスマスにお仕事してるとき、黒崎くんも自分の為に一生懸命卒論を頑張っているんだなって思ったら、どんなに忙しくてもお仕事頑張れそうだもん。今年は、黒崎くんと一緒に頑張るクリスマス、だよ!」
    「井上…。」

    一護が隣を見下ろせば、自分を見上げ、ふわりと笑う織姫。
    その柔らかな笑顔に嘘はなく、一護は呆気にとられ目を見開いた。

    淋しくない、筈はないのに。
    離れ離れの、クリスマスなのに。

    それでも、そんな風に綺麗に笑えるのか…と。
    一護の薄暗かった心に、ぽっ…と灯りが灯る。

    「そういうのって、黒崎くんと、心が繋がってるみたいで素敵だな…な、なーんてね!えへへ!あ、そうだ!あのね、あたし、クリスマス前にまたマドレーヌ焼いて届けにいくね!ちょっと早めのクリスマスプレゼントですぞ!あとね、あと…!」
    「い…井上!」

    照れ隠しに、まるでマシンガンのように喋り出した織姫の言葉を遮る一護。
    織姫がぴたりと口を閉じ、きょとんとして一護を見上げる。

    一護は頭をガリガリっとかいたあと、胸ポケットからスマホを取り出し、時間を確認した。

    「井上…今から少し時間あるか?」
    「う…うん。特に予定はないよ?」

    織姫の表情をちらりと伺ったあと、一護は真っ直ぐ道の先を見つめた。

    「なぁ…今から、クリスマスプレゼント、買いに行かないか?」
    「え?だ、誰の?」
    「勿論、俺は井上に、井上は俺に。…去年マドレーヌもらった時も思ったんだ。井上のマドレーヌは確かに美味いし嬉しいけど、食うとなくなっちまうんだよな。だから、ちゃんと形に残せるプレゼント…お互いに渡し合えるといいなって。」
    「黒崎くん…。」
    「高価なモノじゃなくていいんだ。ただ、クリスマスにお互い離れて頑張ってるとき、それがあったら『繋がってるな』って、思えるんじゃないかな、って…。」
    「…!」

    一護を見上げる織姫の薄茶の瞳が見開かれ、僅かに揺れて。
    そして、ふにゃり…と歪んだ。

    「…素敵、かも。でも、形に残るものって…重くない?」
    「やっぱ、そういうつまんねーこと気にしてたのか。ばぁか。重いわけねぇだろ。」
    「うん…。」
    「もっと自惚れろ。もう大学じゃ、オマエはとっくに俺の自慢のカノジョなんだから。」
    「うん…。」
    「来年のクリスマスは、きっと一緒にいられるから。俺が、そうしてみせる。」
    「うん…。」

    一護は、織姫の手をそっと取ると、きゅっ…と握りしめた。

    「駅前の雑貨屋にでも行くか。何を強請るか、考えとけよ。」
    「…ふふふ、黒崎くんもね。こう見えてもワタクシ、社会人ですから。少し前にボーナスもいただいているのですぞ!」
    「そりゃ、とびきりのプレゼントが強請れそうだな。」

    道路に伸びた長い影は、寄り添ったまま、空座駅の方へと向かっていったのだった。







    「お兄ちゃん、今日は織姫ちゃんと約束してないの?」
    「やっぱり、お店が忙しいのかな。」

    12月24日。
    一護がコーヒーを淹れに一階へ降りれば、リビングのソファに座っていた遊子と夏梨が同時に兄を振り返った。

    「まぁな。今日も明日売るケーキを準備してから帰るって言ってたから、相当残業するんだろうぜ。」
    「そっか。せっかくのクリスマスなのに、織姫ちゃんに会えなくて残念だね、一兄。」
    「いいんだよ。俺だって、卒論発表の準備しないといけないんだし。」

    そっけなく背中で語る兄に、妹達は顔を見合わせ溜め息をつく。
    確かに、一護はここのところ部屋に籠もってパソコンと向き合ってばかりなのだ。

    「…あれ、お兄ちゃん。そんなタンブラー持ってたっけ?」

    コーヒーを淹れ、自室に戻ろうとする一護。
    その手に収まった見慣れぬタンブラーを、遊子が指差す。

    「ん?ああ、マグカップだと、すぐにコーヒーが冷めちまうからさ。保温性の高いやつ、買ってもらったんだ。」

    そう言い残し、階段を上がっていく一護の足音は、疲れている筈なのにどこか軽やかだった。




    「織姫ちゃん、クリーム塗れたよ!飾りつけよろしく!」
    「はぁい!」

    その頃、織姫は閉店したABCookiesで、明日販売するケーキを作っていた。

    「あと少しで、明日の午前中に予約された分のケーキが出来上がる。残業させて悪いが、よろしく頼むよ。」
    「はい!大丈夫ですよ、店長!」

    そう笑顔で返した織姫は、コックコートの上から、胸元辺りを指でそっと探る。
    そこにある小さな花の形を指先で辿り、織姫は笑みを零した。

    「…ありがとう、黒崎くん。あたしも、頑張るよ。」





    君がくれた、オレンジ色のタンブラー。
    貴方が選んだ、六花のペンダント。


    離れていても、2人を繋ぐ。




    (2024.12.25)



    アクセスしてくださった皆様にも、メリークリスマスです!


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  • 大遅刻「いい夫婦の日」小ネタ

    20241201(日)22:35

    皆様、お久しぶりです。
    せっかく書いたので、供養させてくだせぇ…。





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    「ごめんね織姫ちゃん、こんな日まで残業させちゃって。」
    「大丈夫ですよ、店長!…でも、今日なにかありましたっけ?」

    残業なんてよくあることなのに、今日はいつもの5倍は申し訳なさそうに頭を下げる店長。
    その理由が分からず小首を傾げるあたしに、店長は売れ残りのパンを差し出して。

    「ほら、今日は11月22日、『いい夫婦の日』でしょ?織姫ちゃん新婚さんだし、旦那さんも織姫ちゃんの帰りを待ってるかな…ってね。」
    「いい夫婦の…日…?」

     




    《いい夫婦の条件》






    「いい夫婦の日、かぁ…。」

    あたしは街灯がぽつぽつと灯る暗い道を歩きながら、1人呟く。

    そもそも「いい夫婦」って、どんな夫婦なのかな。

    あたしは、大好きな一護くんと結婚できて、毎日が本当に幸せ。

    今日も、一護くんは1日在宅勤務で、あたしは普通に出勤だったから、「家事は任せとけ」って送り出してくれた。

    昔から「当たり前だろ」って言って、さりげない優しさを沢山くれていたけど、結婚してますます優しくった気がする。

    ずっと優しくて、カッコよくて、あたしを変わらず護ってくれる。

    だから、一護くんは間違いなく「いい旦那様」なんだけど…それに対して、あたしは「いい奥様」になれているのかな。

    一護くんは、あたしに不満や文句を言ったことなんて、結婚してから一度もなくて。

    でも、優しい一護くんのこと…もしかしたらいろいろ我慢してることがあるかもしれない、よね?

    もっと家事をしてほしい、とか。
    もっと夕飯のおかずの量を増やしてほしい、とか。
    もっとキレのあるツッコミしてほしい、とか。
    鼻歌を歌うときは、もう少しボリュームを下げてほしい、とか。

    「う〜〜〜っ…。」

    考えれば考えるほど、あたしのダメダメポイントが浮かんできて、不安になってくる。

    今夜だって、「いい夫婦の日」だなんて知らなかったから、夕飯のおかず、普通に唐揚げとお味噌汁を仕込んできちゃったよ。

    せっかくなら、もっと豪華なメニューにすれば良かったなぁ…。

    「…よし!決めた!」

    「いい夫婦」であるためには、「いい旦那様」と「いい奥様」が揃わなくちゃダメだもんね。

    「家に帰ったら、一護くんにあたしのダメなところ、思い切って聞いてみよう!」

    聞くのはちょっと怖いけど、でも、あたしは一護くんとちゃんと釣り合う「いい奥様」でありたい。
    今日は「いい夫婦の日」なんだもの、あたしは一護くんのためにも成長しなくちゃいけないんだ。

    あたしは、小走りで一護くんの待つマンションへと向かった。





    「ただいま、一護くん!」
    「おう、おかえり。遅かったな、お疲れ様。」

    玄関先であたしを迎えてくれた一護くんと、「ただいま」「おかえりなさい」のキスをして。
    あたしは決心が揺らがないうちに、と彼の顔が離れてすぐに口を開いた。

    「ねぇ、一護くん。今日はね、『いい夫婦の日』なんだって!」
    「へ?…そういや、さっきニュースでそんなこと言ってたけど…どうしたんだ、帰ってきていきなり。」

    不思議そうにあたしを見下ろす一護くん。

    「だからね、今日は一護くんにも、普段あたしに言えないようなこと、ちゃんと言ってほしいの。」
    「普段言えないようなこと…?」
    「うん。あるでしょ?きっと。あたし、一護くんと『いい夫婦』になりたいの!だから!」

    どんな文句も不満も、ちゃんと受け止めるよ。
    そんな想いを、真っ直ぐ視線でぶつければ。

    「あ〜…。」

    一護くんは、少し困ったように視線を彷徨わせて。
    ため息を一つついたあと、あたしを抱き上げ目の高さを合わせた。

    「わかった。…今日は『いい夫婦の日』だからな。1回しか言わないから、ちゃんと聞けよ。」
    「う…うん!」
    「あのさ、織姫。」






    「いつも言葉にはできねぇけど…愛してるよ。俺は、オマエと結婚できて、毎日幸せだ。」






    「はにゃ〜…。ず、ズルいよぅ、一護くん…。」
    「は?ズルいってなんだ!?『いい夫婦の日』ぐらい、ちゃんと『愛してる』って言ってほしいってことじゃなかったのか!?」




    (一護と織姫は、間違いなく「いい夫婦」です!)




    (2024.12.01)
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  • スキ!御礼文、更新しました!

    20241104(月)23:04
    お久しぶりです。皆様、お元気でしたか?

    ずっと更新できずにいるにも関わらず、サイトに足を運んでくださったり、スキ!ボタンを押してくださったりするお客様、いつも本当にありがとうございます。

    御礼になるかはわかりませんが、久しぶりに、スキ!御礼文を更新しました。
    前回が織姫ちゃんハピバ話だったので、そりゃあ放置してましたよね、私…。

    サイトトップのハートマークをタップしていただくと、読むことができます。
    よろしければ、読んでやってくださいませ。

    今回のネタ、大した内容でもないのに、無駄にダラダラ~っと長くて、オチはまとまらなくて…やはりコツコツ書き続けないと腕は落ちるんだな〜と実感…。
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  • デザート、公開しました!新作はありません!

    20241006(日)16:04
    旧サイトからのお客様には「裏すいか」とお呼びいただいていた「デザート」…つまり大人向けのお話が収録されている本棚を公開にしました。

    18歳以上の皆様、お読みになられる場合は自己責任でお願いします!
    18歳未満の皆様、このサイトは多分あなたが18歳になるまでずっと残っていますので、18歳の誕生日が来たらまたアクセスしてくださいね!

    旧サイトからのお客様、「デザート」新作はありませんが、これからもよろしくお願いします(?)。

    こちらのサイトでは以前のような隠しコンテンツは無理そうなので、「メインディッシュ」「サイドメニュー」などと一緒に堂々と並べるしかなくて違和感が…これでいいのかな(笑)。



    最後に一言!
    「わんぷり」悟いろ尊いぃぃ!
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