日記

「不思議な時計と赤帽子」について

2020/09/09 18:05
この作品の原案を構想していた頃から一貫していたテーマは、「幸せとは何か?」です。

「レイと故郷の時計」〜「不思議な時計と赤帽子」において、レイという少女は自分のことを「不幸」と感じつづけています。作品も意図的に彼女が不幸に見えるような書きかたをしているのですが、「不思議な時計と赤帽子」9章の最後で彼女の実父がその固定概念を崩す台詞を口にします。
彼女は自分を不幸と思い込むあまりに最悪の事態を起こしかけますが、この台詞をきっかけに自らの運命が本当に不幸なものであったかを考えなおしています。

ただ、小説として執筆した際にあまりにも意図的に彼女を不幸そうに書いてしまったため、本編だけではこのテーマは伝わらないと思い、新たに「時の国の王女」を執筆しました。
この作品に登場するレイチェル王女は「レイ」が失ったものを持っているかわりに「レイ」が持っていたものをすべて失っています。

はたして「レイ」と「レイチェル王女」はどちらが幸せなのか、または不幸なのか?その理由は何なのか?ということを考えながら読んでいただけるととても嬉しいです。

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