2 夢空間
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ゆめくうかん?」
あかりはルリの言葉を理解できず、ゆっくりと復唱した。
「うん。夢の空間だから、夢空間。すごーい、おばあちゃんの言ってた通り、どっちを向いても星だらけだあ!」
ルリは呑気に、このいかれたプラネタリウムのような空間を見渡していた。
とりあえず、あかりは足元を見た。そこにあったのは、先程の魔法円だった。しかし、あの麻布はなくなっており、円だけが不気味に白く光り輝いていた。
この空間は上も下も薄紫の星空で、あかりたちは、ぽつんとその中に浮かんでいた。ほかに地面らしきものはない。もし、足元の円がなくなれば、この宇宙のような星空空間を真っ逆さまに落ちていくほかないだろう。あかりは急に不安になった。
「ねえ、ここはどこなの?」
声を出してみてはじめて、あかりは自分が震えていることに気がついた。口の中で歯がカチカチと鳴っている。あかりはとにかく、高いところが苦手だった。一方、ルリはケロリとしていた。
「だから、夢空間だよ。よし、それじゃあ遊びに行こう!」
ルリは楽しそうに左手を差しだし、あかりの右手をとった。
「遊びに行く? どこへ? どうやって?」
ここには何もない。「行く」ための道もない。だが、ルリは笑顔を崩さずに答えた。
「それは、これから決めるんだよ。行こう!」
そして、強くあかりの手を引き、はずみをつけて円から飛びおりた。
あかりはひっと息を呑んだ。あまりにも唐突な行動に、悲鳴を出す暇もなかった。
ルリに引きずられるようにして、あかりは先の見えない星空の中に吸いこまれた。高速で周囲の星が上へと消えていくのがわかった。どうやら、ふたりが見ているのは本物の星空ではなさそうである。
「ひいぃ! 嫌、嫌嫌嫌嫌!」
かすれ声であかりは何度も繰りかえした。人間、本当に怖いときは大声が出ないものである。そんなあかりの呻きが聞こえたのか聞こえていないのか、ルリは何かを見つけたらしく、それはそれは上機嫌な声で叫んだ。
「あ、あれがいいよ! あの夢、すっごく楽しそう!」
途端に、急降下が止まった。まっすぐ下に向かっていた体がふわりと浮かびあがり、今度は斜め上に引っぱられはじめた。おそるおそる上を見てみると、ふたりを引っぱっていたのは、ルリの右手に握られた杖だった。杖は青白い光を放っていた。そして、あかりたちもまた、青白い光に包まれていた。
「これ、なんなの?」
なんとか呼吸を整えながら、あかりは尋ねた。
「杖があたしたちを導いてくれているの」
ルリはなんでもなさそうに答えた。
「ほら、あれ。とっても楽しそうだと思わない? あたし、今日はあの夢に遊びに行こうと思って!」
そう言って、ルリは杖で遠くを指した。見ると、豆電球のような黄色い光がこちらに近づいてきていた。いや、正確には、あかりたちがそちらに近づいていた。
気づいたときには、あかりの目の前は真っ黄色だった。
電球を目の前に差しだされたかのような眩しさに、あかりは思わず目を閉じた。
あかりはルリの言葉を理解できず、ゆっくりと復唱した。
「うん。夢の空間だから、夢空間。すごーい、おばあちゃんの言ってた通り、どっちを向いても星だらけだあ!」
ルリは呑気に、このいかれたプラネタリウムのような空間を見渡していた。
とりあえず、あかりは足元を見た。そこにあったのは、先程の魔法円だった。しかし、あの麻布はなくなっており、円だけが不気味に白く光り輝いていた。
この空間は上も下も薄紫の星空で、あかりたちは、ぽつんとその中に浮かんでいた。ほかに地面らしきものはない。もし、足元の円がなくなれば、この宇宙のような星空空間を真っ逆さまに落ちていくほかないだろう。あかりは急に不安になった。
「ねえ、ここはどこなの?」
声を出してみてはじめて、あかりは自分が震えていることに気がついた。口の中で歯がカチカチと鳴っている。あかりはとにかく、高いところが苦手だった。一方、ルリはケロリとしていた。
「だから、夢空間だよ。よし、それじゃあ遊びに行こう!」
ルリは楽しそうに左手を差しだし、あかりの右手をとった。
「遊びに行く? どこへ? どうやって?」
ここには何もない。「行く」ための道もない。だが、ルリは笑顔を崩さずに答えた。
「それは、これから決めるんだよ。行こう!」
そして、強くあかりの手を引き、はずみをつけて円から飛びおりた。
あかりはひっと息を呑んだ。あまりにも唐突な行動に、悲鳴を出す暇もなかった。
ルリに引きずられるようにして、あかりは先の見えない星空の中に吸いこまれた。高速で周囲の星が上へと消えていくのがわかった。どうやら、ふたりが見ているのは本物の星空ではなさそうである。
「ひいぃ! 嫌、嫌嫌嫌嫌!」
かすれ声であかりは何度も繰りかえした。人間、本当に怖いときは大声が出ないものである。そんなあかりの呻きが聞こえたのか聞こえていないのか、ルリは何かを見つけたらしく、それはそれは上機嫌な声で叫んだ。
「あ、あれがいいよ! あの夢、すっごく楽しそう!」
途端に、急降下が止まった。まっすぐ下に向かっていた体がふわりと浮かびあがり、今度は斜め上に引っぱられはじめた。おそるおそる上を見てみると、ふたりを引っぱっていたのは、ルリの右手に握られた杖だった。杖は青白い光を放っていた。そして、あかりたちもまた、青白い光に包まれていた。
「これ、なんなの?」
なんとか呼吸を整えながら、あかりは尋ねた。
「杖があたしたちを導いてくれているの」
ルリはなんでもなさそうに答えた。
「ほら、あれ。とっても楽しそうだと思わない? あたし、今日はあの夢に遊びに行こうと思って!」
そう言って、ルリは杖で遠くを指した。見ると、豆電球のような黄色い光がこちらに近づいてきていた。いや、正確には、あかりたちがそちらに近づいていた。
気づいたときには、あかりの目の前は真っ黄色だった。
電球を目の前に差しだされたかのような眩しさに、あかりは思わず目を閉じた。