1 近所のおかしな子
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ことの始まりは、一週間前の母の言葉だった。
──あかり、来週、お母さん出張なの。それでしばらく帰ってこられないの。だから、望月さんところに泊まりに行ってらっしゃいよ。──
当然、あかりは反発した。「望月さん」というのは親戚でもなんでもない、ちょっと付きあいがあるだけの近所の家だ。よそで会うのならともかく、家にあがるのには気を使う。
しかし、すでに母は勝手に望月家と連絡をとり、すべての予定を決めてしまっていた。今から断るのは、さすがに申し訳ない。それに実際、あかりは暇だった。友達は塾や家族旅行でとても遊べる状態ではなく、かといってわざわざどこかに出かけるには暑すぎる。子供と遊ぶのも、ひょっとしたらいい暇つぶしになるかもしれない。そう思い、おとなしく引きうけることにしたのだった。
家へ入ると、すぐさま瑠璃奈は、自分の部屋にあかりを招いた。そして、あかりを床の絨毯の上に座らせると、なぜかクローゼットをあけて服をかきわけはじめた。
「瑠璃奈はこの日を心待ちにしていたんだよ。じゃあ、あとはよろしく。ああ、何かあったら僕は庭にいるから」
父親は、菓子と飲み物を持ってくると、すぐさま引きあげていった。
瑠璃奈はというと、さっきからクローゼットの奥に頭を突っこんで、何かを探している様子だった。
「瑠璃奈ちゃん、何探してるの?」
すると、瑠璃奈の動きがぴたりと止まった。そして、クローゼットから頭を抜くと、ちょっと怒った口調で言った。
「ダメ! あたしのことは『ルリ』って呼んでって、前に言ったじゃん」
そんなこと、まったく記憶にない。あかりは口ごもった。
「そ、そうだったかな。でも、それは……」
「『瑠璃奈ちゃん』とか『瑠璃奈』って、叱られるときの呼ばれ方なの。だからダメ」
「へえ」
正直、呼び方なんてどうでもいい。あかりはもう一度問いなおした。
「じゃあルリ、何探してるの?」
「ううんとね、これ!」
──あかり、来週、お母さん出張なの。それでしばらく帰ってこられないの。だから、望月さんところに泊まりに行ってらっしゃいよ。──
当然、あかりは反発した。「望月さん」というのは親戚でもなんでもない、ちょっと付きあいがあるだけの近所の家だ。よそで会うのならともかく、家にあがるのには気を使う。
しかし、すでに母は勝手に望月家と連絡をとり、すべての予定を決めてしまっていた。今から断るのは、さすがに申し訳ない。それに実際、あかりは暇だった。友達は塾や家族旅行でとても遊べる状態ではなく、かといってわざわざどこかに出かけるには暑すぎる。子供と遊ぶのも、ひょっとしたらいい暇つぶしになるかもしれない。そう思い、おとなしく引きうけることにしたのだった。
家へ入ると、すぐさま瑠璃奈は、自分の部屋にあかりを招いた。そして、あかりを床の絨毯の上に座らせると、なぜかクローゼットをあけて服をかきわけはじめた。
「瑠璃奈はこの日を心待ちにしていたんだよ。じゃあ、あとはよろしく。ああ、何かあったら僕は庭にいるから」
父親は、菓子と飲み物を持ってくると、すぐさま引きあげていった。
瑠璃奈はというと、さっきからクローゼットの奥に頭を突っこんで、何かを探している様子だった。
「瑠璃奈ちゃん、何探してるの?」
すると、瑠璃奈の動きがぴたりと止まった。そして、クローゼットから頭を抜くと、ちょっと怒った口調で言った。
「ダメ! あたしのことは『ルリ』って呼んでって、前に言ったじゃん」
そんなこと、まったく記憶にない。あかりは口ごもった。
「そ、そうだったかな。でも、それは……」
「『瑠璃奈ちゃん』とか『瑠璃奈』って、叱られるときの呼ばれ方なの。だからダメ」
「へえ」
正直、呼び方なんてどうでもいい。あかりはもう一度問いなおした。
「じゃあルリ、何探してるの?」
「ううんとね、これ!」