記憶黙殺

 ストラがいつからストラだったのか、それは誰にもわからない。
 ストラが本当にストラだったのか、それも誰にもわからない。
 ストラなんて子供が実際に存在したのかどうか、それもまた、わからない。


 困ったことに、これらのことはストラ自身にもわからなかった。
 なぜなら、結局のところ、彼はストラではなかったからである。


 ──ストレンジ冒険記 「記憶黙殺」
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