24.今思えば
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終わりのないあみだくじみたいに、選択肢をあっちこっち移動しては、結論が見えそうになると横棒を1本足してむやみやたらに逃げ回ったり、それまでの道のりを結論ごと消してしまいたくなる。
数学の宿題をしていたつもりが、ノートにはミミズの這ったような線がいくつも並んでいた。恋煩いは勉学にも支障をきたしているようだ。
そもそも、これが「恋」であるのかも疑わしいほど、二人の接点は薄くなる一方だった。
試合が終わって2週間経っても、向こうからは特に何かのお誘いもない。はぁ、とため息をつきながら、真っ白なカレンダーに目をやる。
「奈々、達也くんから電話よぉ」
「・・・・はーい」
母親がノックと同時にドアを開けて子機と頭を扉の間から挟んできた。
“達也くん”と聞いただけで用件がわかる。昨日発売したジャンプを借りたいのだろう。
「宮田くんじゃなくて残念ねぇ?」
面白くなさそうな返事を聞いて母親が茶化すように笑ったが、奈々は反論する気力すらなく、「別にぃ」と平坦な声で答えた。
「おー、久しぶりだなぁ」
「そうね。先週、休刊だったからね」
「おいおい、まるでオレが毎週ジャンプ借りてるみたいな言い方・・・」
「毎週じゃん」
「ワハハ。いーじゃねーか、マガジンはオレが買うことで協議一致しただろ?」
「まーそうだけど。サンデーも買っといてよ」
「あれは青木の担当」
「まーくん忙しくてなかなか借りられないんだもん」
昔は誰かが買えば読んでいた程度の週刊雑誌を、最近は1人1冊担当を決めて分担して買うことに決めたらしい。
「今から取りに行ってもいいか?」
「もう夜の9時過ぎてますけどぉ」
「色気出しやがって、今更お前なんか襲うかよ」
「そ、そういう意味じゃないけど!できるならもっと早い時間に来てよね!」
「あーいあい」
木村が来るとどうしても話が長くなってしまう。まだ宿題も終わっていないのにな、と机の上のノートに目を落として、
「明日・・・フーコに見せてもらお・・・・」
数学の宿題をしていたつもりが、ノートにはミミズの這ったような線がいくつも並んでいた。恋煩いは勉学にも支障をきたしているようだ。
そもそも、これが「恋」であるのかも疑わしいほど、二人の接点は薄くなる一方だった。
試合が終わって2週間経っても、向こうからは特に何かのお誘いもない。はぁ、とため息をつきながら、真っ白なカレンダーに目をやる。
「奈々、達也くんから電話よぉ」
「・・・・はーい」
母親がノックと同時にドアを開けて子機と頭を扉の間から挟んできた。
“達也くん”と聞いただけで用件がわかる。昨日発売したジャンプを借りたいのだろう。
「宮田くんじゃなくて残念ねぇ?」
面白くなさそうな返事を聞いて母親が茶化すように笑ったが、奈々は反論する気力すらなく、「別にぃ」と平坦な声で答えた。
「おー、久しぶりだなぁ」
「そうね。先週、休刊だったからね」
「おいおい、まるでオレが毎週ジャンプ借りてるみたいな言い方・・・」
「毎週じゃん」
「ワハハ。いーじゃねーか、マガジンはオレが買うことで協議一致しただろ?」
「まーそうだけど。サンデーも買っといてよ」
「あれは青木の担当」
「まーくん忙しくてなかなか借りられないんだもん」
昔は誰かが買えば読んでいた程度の週刊雑誌を、最近は1人1冊担当を決めて分担して買うことに決めたらしい。
「今から取りに行ってもいいか?」
「もう夜の9時過ぎてますけどぉ」
「色気出しやがって、今更お前なんか襲うかよ」
「そ、そういう意味じゃないけど!できるならもっと早い時間に来てよね!」
「あーいあい」
木村が来るとどうしても話が長くなってしまう。まだ宿題も終わっていないのにな、と机の上のノートに目を落として、
「明日・・・フーコに見せてもらお・・・・」