19.イカナイデ
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「一体・・・何が言いたい?」
宮田は再び額を手で押さえながら、絞り出すように言った。
「好きって言えば満足か?毎日電話すりゃ満たされるのか?他の女と会話しなきゃいいのか?お前がいなきゃダメだとでも言えばいいのか?」
「そうじゃない!」
「じゃあ、なんなんだよ!」
「そうじゃないよ、宮田・・・」
それきり奈々は続ける言葉を失い、ただこれを押し殺すかのように泣く声が静かな公園に響くだけだった。
宮田も額に手を添え、片手で頭を抱えながら、沈黙を続けた。
やがて、宮田の腕時計がピッと5時を告げる電子音を発したのを機に、奈々は顔を上げた。
「・・・ジム、遅れちゃったね。ごめん・・・もう、いいから」
言いながら自分に嫌気が差した。
本当はジムなんかより自分を優先して欲しい。
行かないで側にいて欲しい。
なのに、自分はこの後に及んでまだイイ女を演じるつもりなのかと。
宮田はしばらく考えたあと、ショルダーバッグを肩に下げてすっくと立ち上がった。
「・・・・1人で・・・帰れるのか?」
「うん・・・まだ明るいし・・・」
「そうか・・・」
宮田はそれから、何も言わずにその場を離れた。
ざっざっと靴が砂を蹴る音が響いて、その音の大きさが自分の孤独を誇張する。
イカナイデ
喉元から溢れ出そうな感情が堰を切ることは、最後までなかった。
宮田は再び額を手で押さえながら、絞り出すように言った。
「好きって言えば満足か?毎日電話すりゃ満たされるのか?他の女と会話しなきゃいいのか?お前がいなきゃダメだとでも言えばいいのか?」
「そうじゃない!」
「じゃあ、なんなんだよ!」
「そうじゃないよ、宮田・・・」
それきり奈々は続ける言葉を失い、ただこれを押し殺すかのように泣く声が静かな公園に響くだけだった。
宮田も額に手を添え、片手で頭を抱えながら、沈黙を続けた。
やがて、宮田の腕時計がピッと5時を告げる電子音を発したのを機に、奈々は顔を上げた。
「・・・ジム、遅れちゃったね。ごめん・・・もう、いいから」
言いながら自分に嫌気が差した。
本当はジムなんかより自分を優先して欲しい。
行かないで側にいて欲しい。
なのに、自分はこの後に及んでまだイイ女を演じるつもりなのかと。
宮田はしばらく考えたあと、ショルダーバッグを肩に下げてすっくと立ち上がった。
「・・・・1人で・・・帰れるのか?」
「うん・・・まだ明るいし・・・」
「そうか・・・」
宮田はそれから、何も言わずにその場を離れた。
ざっざっと靴が砂を蹴る音が響いて、その音の大きさが自分の孤独を誇張する。
イカナイデ
喉元から溢れ出そうな感情が堰を切ることは、最後までなかった。