19.イカナイデ
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放課後。
宮田の教室に行ってみると、今日は掃除当番ではないらしい。
いったいどこへ行ったのかと思いながら教室の前でも待つこと30分。
静かな廊下に弾んだ女の声が響いてきたかと思ったら、宮田と蓼丸が連れ立って階段を登ってきたのが見えた。蓼丸は宮田の腕に自分の腕を絡ませていた。
心臓がビリリと音を立てて破けたような気がした。
それくらいの衝撃を食らいながら、ダメージを受けてないフリをして平静を保つ。
「あ、高杉さんだぁ」
蓼丸がこう言ったのを聞いて、宮田は相手の腕を力任せに振り解いた。まるでマズいものを観られたかのような仕草。
「じゃあねぇ、宮田君。また明日ね」
「・・・・待たせたな」
蓼丸の挨拶に無反応なまま、宮田は教室の前で待っていた奈々の頭を撫でる。
ポンと置かれた手のひらに何も感じないほど、心が冷えているのがわかる。
宮田は教室から自分の鞄を取るとまたすぐに奈々の元へ戻り、小さく「いくか」と言った。奈々は耳鳴りのする中、フラフラと宮田の後ろをついていく形になった。
しばらく無言で歩き続ける。
自転車通学の奈々と、バス通学の宮田。
学校からバス停までの300mくらいしか共通の通学路はない。
そしてそのバス停はもうすぐそこに見えている。
「放課後な」なんて言いながら、自分から話題すら振らずに終わらす気なのだろうかと、悲しいのか腹立たしいのか、よくわからない感情が心に渦を巻く。
バス停まで着くかどうかという時、宮田がようやく口を開いた。
「オレが漕ぐから、お前が後ろに乗れよ」
「え?」
戸惑う奈々から自転車を奪うようにハンドルを握るとサドルに跨がり、首を振って奈々に後ろに座るよう促した。宮田に命令されるのに慣れてしまい、抵抗する考えもなく素直に後ろに座る。
奈々がしっかり座ったのを確認して宮田は自転車を漕ぎ出した。
宮田の教室に行ってみると、今日は掃除当番ではないらしい。
いったいどこへ行ったのかと思いながら教室の前でも待つこと30分。
静かな廊下に弾んだ女の声が響いてきたかと思ったら、宮田と蓼丸が連れ立って階段を登ってきたのが見えた。蓼丸は宮田の腕に自分の腕を絡ませていた。
心臓がビリリと音を立てて破けたような気がした。
それくらいの衝撃を食らいながら、ダメージを受けてないフリをして平静を保つ。
「あ、高杉さんだぁ」
蓼丸がこう言ったのを聞いて、宮田は相手の腕を力任せに振り解いた。まるでマズいものを観られたかのような仕草。
「じゃあねぇ、宮田君。また明日ね」
「・・・・待たせたな」
蓼丸の挨拶に無反応なまま、宮田は教室の前で待っていた奈々の頭を撫でる。
ポンと置かれた手のひらに何も感じないほど、心が冷えているのがわかる。
宮田は教室から自分の鞄を取るとまたすぐに奈々の元へ戻り、小さく「いくか」と言った。奈々は耳鳴りのする中、フラフラと宮田の後ろをついていく形になった。
しばらく無言で歩き続ける。
自転車通学の奈々と、バス通学の宮田。
学校からバス停までの300mくらいしか共通の通学路はない。
そしてそのバス停はもうすぐそこに見えている。
「放課後な」なんて言いながら、自分から話題すら振らずに終わらす気なのだろうかと、悲しいのか腹立たしいのか、よくわからない感情が心に渦を巻く。
バス停まで着くかどうかという時、宮田がようやく口を開いた。
「オレが漕ぐから、お前が後ろに乗れよ」
「え?」
戸惑う奈々から自転車を奪うようにハンドルを握るとサドルに跨がり、首を振って奈々に後ろに座るよう促した。宮田に命令されるのに慣れてしまい、抵抗する考えもなく素直に後ろに座る。
奈々がしっかり座ったのを確認して宮田は自転車を漕ぎ出した。