18.ちょっと待ってろ
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宮田に言われるがまま、いつもの屋上へ続く踊り場へ。
あの喧嘩別れした日から一度も会っていなかったのに、この何もなかった感はなんなんだろうかと、奈々はいささか面白くない気持ちだった。
「こないだプロテストを受けて合格した」
階段で並んで腰掛けてすぐ、宮田は遠くを見ながらボソリと呟いた。
「・・・そう・・・」
何を言うのかと思ったらこれか、と奈々はさらに面白くない気持ちになり、ひどく平坦なリアクションしか出せなくなっていた。
「プロになったら・・・定期的に試合があるから・・・」
「・・・うん」
それっきり黙ると、宮田はいつも色々と一方的に話しかけてくる奈々がおとなしいことを不思議がり、
「・・・なんかあったのか?」
その的外れというか、素っ頓狂というか、呑気な回答に心底苛立ちが止まらなくなった奈々はすっくと立ち上がって
「なんかあったか?じゃないよね」
「は?」
「私に何か言うことないの?」
「・・・・別に」
宮田は本当に、奈々が怒っている理由がわからないらしい。
悪びれるそぶりもなく、開き直るわけでもなく、本当にワケがわからないというような顔でこちらを見ている。
「今さっき私、旦那が浮気しただの離婚しただの言われてたの聞いてた?」
「聞いてたけど」
「そ、それに対する説明とか弁解とかないの!?」
宮田はまたこういう流れか、と面倒臭そうにため息をついて
「別に」
と答える。
「え、じゃ、じゃあ本当なの!?」
「そんなわけねぇだろ」
「じゃあ・・・」
会話がヒートアップしてきたのに合わせて宮田も腰を上げ立ち上がる。
「どうでもいいんだよ、そんなの」
立ち上がってズボンの埃を払いながら宮田が言うと、
「よくないよ!ちゃんと説明してよ」
「なんでだよ、面倒くせぇ」
「そう言う問題じゃないでしょ!?」
2人の声がだんだんと大きくなってきたこともあり、踊り場の下の方でこちらを伺うような人だかりができてきた。
これ以上はただの見せ物だ、と思った宮田は、この流れを区切るように深呼吸をし、
「続きは放課後だ。遅くなるけどちょっと待ってろ」
と言って、振り返りもせずに階段を降りて行った。
取り残された奈々は昼ごはんを食べるような心境にはなれず、チャイムが鳴るまでその場に立ち尽くしていた。
5時間目は腹の虫の大合唱がおさまらず、密かに宮田を恨んだ。
あの喧嘩別れした日から一度も会っていなかったのに、この何もなかった感はなんなんだろうかと、奈々はいささか面白くない気持ちだった。
「こないだプロテストを受けて合格した」
階段で並んで腰掛けてすぐ、宮田は遠くを見ながらボソリと呟いた。
「・・・そう・・・」
何を言うのかと思ったらこれか、と奈々はさらに面白くない気持ちになり、ひどく平坦なリアクションしか出せなくなっていた。
「プロになったら・・・定期的に試合があるから・・・」
「・・・うん」
それっきり黙ると、宮田はいつも色々と一方的に話しかけてくる奈々がおとなしいことを不思議がり、
「・・・なんかあったのか?」
その的外れというか、素っ頓狂というか、呑気な回答に心底苛立ちが止まらなくなった奈々はすっくと立ち上がって
「なんかあったか?じゃないよね」
「は?」
「私に何か言うことないの?」
「・・・・別に」
宮田は本当に、奈々が怒っている理由がわからないらしい。
悪びれるそぶりもなく、開き直るわけでもなく、本当にワケがわからないというような顔でこちらを見ている。
「今さっき私、旦那が浮気しただの離婚しただの言われてたの聞いてた?」
「聞いてたけど」
「そ、それに対する説明とか弁解とかないの!?」
宮田はまたこういう流れか、と面倒臭そうにため息をついて
「別に」
と答える。
「え、じゃ、じゃあ本当なの!?」
「そんなわけねぇだろ」
「じゃあ・・・」
会話がヒートアップしてきたのに合わせて宮田も腰を上げ立ち上がる。
「どうでもいいんだよ、そんなの」
立ち上がってズボンの埃を払いながら宮田が言うと、
「よくないよ!ちゃんと説明してよ」
「なんでだよ、面倒くせぇ」
「そう言う問題じゃないでしょ!?」
2人の声がだんだんと大きくなってきたこともあり、踊り場の下の方でこちらを伺うような人だかりができてきた。
これ以上はただの見せ物だ、と思った宮田は、この流れを区切るように深呼吸をし、
「続きは放課後だ。遅くなるけどちょっと待ってろ」
と言って、振り返りもせずに階段を降りて行った。
取り残された奈々は昼ごはんを食べるような心境にはなれず、チャイムが鳴るまでその場に立ち尽くしていた。
5時間目は腹の虫の大合唱がおさまらず、密かに宮田を恨んだ。