18.ちょっと待ってろ
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新学期が始まってしばらく。
とある昼休みのこと。
「高杉、お前ひょっとして離婚した?」
「・・・・はあ?」
クラスメイトの男子が嬉しそうな顔をして近づいてきて、何を言うかと思ったら宮田のゴシップだ。こいつは1年の時も同じクラスだったのだが、人の噂を聞きつけては面白おかしく茶化してくる、自分ではクラスのムードメーカーだと思い込んでいるような厄介者だ。
「お前の旦那、ここ最近ずーっと蓼丸と一緒にいるぜ?」
今一番聴きたくないワードナンバーワンの“蓼丸”がこの厄介者の口から飛び出した。作り笑いで一蹴できるような余裕はなく、どんな表情を作っていいかわからないまま、どんどん心が曇り始めていくのがわかった。
「ちょっと、だからなんだって言うのよ?」
隣にいたフーコが楯突くと、厄介者はさらに嬉しそうに
「だーかーらー。旦那が浮気してるか、すでに離婚したかだろ?」
「オレがなんだって?」
突然飛んできた言葉に驚いて、厄介者が首をぐるりと後ろに向けると、そこにはいつものように目を閉じてスカした感じの宮田が腕を組んで壁にもたれかかっていた。
「あ、浮気旦那の登場」
このシチュエーションでも全くへこたれず悪態をつき続けるのだから大したものである。宮田がボクシングをやっていることは誰もが知っていて、ここまで大っぴらに喧嘩を売ってくる人間は非常に珍しいのだが。
「み、宮田・・・どうしたの?」
「ああ、ちょっといいか?」
「・・・うん」