17.最終日
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「私はさぁ、奈々」
「んー」
「宮田くんって、奈々が大好きなんだと思うよ?」
フーコにそう言われても、根拠も何もなければ信じることができない。
「・・・どうして?」
「だって、あの超他人に興味ない宮田くんが朝必ずうちのクラスの前通るの知ってた?」
「へ?」
「あんたいつも朝ギリギリに来るから知らないだろうけど。8組の教室って別にうちのクラスの前通らなくても行けるじゃない?なのにわざわざ通ってくるの。あんたの机を見に!」
「は、はぁ??」
全く知らなかった新情報が飛び込んできて、なおかつそれがちょっとマニアックな愛情表現だったことを知り、脳の処理が追いついていかない。
「奈々がいなくても、そのクラスの前を通りたいわけよ。大好きすぎるでしょ!?」
「えー・・・・う、うーん」
「嬉しくないの!?」
「だ、だって・・・休み時間とか全然会いに来ないのになぁって・・」
「寝てるんじゃないの?1年のときもそうだったじゃん」
「ま、まぁ・・・」
それからフーコは、宮田がいかに奈々を大事にしているかを語ってくれた。宮田の性格上、交際を公にしたくないタイプだろうにここまでオープンにしているのは他の男に取られないためだとか、ちょくちょく教科書を忘れるのは借りる口実を作るためだとか・・・
わかりにくい愛情表現を他人経由でたっぷり確認したのはうれしかったが、奈々は正直なところ、もう少しわかりやすい愛情表現をしてくれればいいのにと思うばかりだった。
別れ際、「私も宮田くんみたいな一途な愛をくれる男を探すわぁ」とフーコが手を振りながら冗談めかして言ったが、「そうだね、頑張って!」と胸を張って自慢ができるような気持ちにはならなかった。
「私・・・・宮田のこと何にも見てなかったのかなぁ」
明日の用意をしながら、文房具を買い忘れたことを思い出す。
まあいい、と諦めてカバンのチャックを閉めた。
今日も宮田からの電話はなかった。
「んー」
「宮田くんって、奈々が大好きなんだと思うよ?」
フーコにそう言われても、根拠も何もなければ信じることができない。
「・・・どうして?」
「だって、あの超他人に興味ない宮田くんが朝必ずうちのクラスの前通るの知ってた?」
「へ?」
「あんたいつも朝ギリギリに来るから知らないだろうけど。8組の教室って別にうちのクラスの前通らなくても行けるじゃない?なのにわざわざ通ってくるの。あんたの机を見に!」
「は、はぁ??」
全く知らなかった新情報が飛び込んできて、なおかつそれがちょっとマニアックな愛情表現だったことを知り、脳の処理が追いついていかない。
「奈々がいなくても、そのクラスの前を通りたいわけよ。大好きすぎるでしょ!?」
「えー・・・・う、うーん」
「嬉しくないの!?」
「だ、だって・・・休み時間とか全然会いに来ないのになぁって・・」
「寝てるんじゃないの?1年のときもそうだったじゃん」
「ま、まぁ・・・」
それからフーコは、宮田がいかに奈々を大事にしているかを語ってくれた。宮田の性格上、交際を公にしたくないタイプだろうにここまでオープンにしているのは他の男に取られないためだとか、ちょくちょく教科書を忘れるのは借りる口実を作るためだとか・・・
わかりにくい愛情表現を他人経由でたっぷり確認したのはうれしかったが、奈々は正直なところ、もう少しわかりやすい愛情表現をしてくれればいいのにと思うばかりだった。
別れ際、「私も宮田くんみたいな一途な愛をくれる男を探すわぁ」とフーコが手を振りながら冗談めかして言ったが、「そうだね、頑張って!」と胸を張って自慢ができるような気持ちにはならなかった。
「私・・・・宮田のこと何にも見てなかったのかなぁ」
明日の用意をしながら、文房具を買い忘れたことを思い出す。
まあいい、と諦めてカバンのチャックを閉めた。
今日も宮田からの電話はなかった。