16.爆発
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宮田はそれを聞いてしばし無言であったが、短いため息をついたかと思うとすっくと立ち上がり、カバンを手にかけて部屋を出ようとした。逃げる気なのかと奈々は慌てて宮田のズボンを掴み、
「どこいくのよ」
「・・・不毛な話はしたくない。帰る」
「・・・不毛ってどういう意味!?」
宮田はこちらを見ようともしないが、ただ振り払う気はないようで、その場に立ち止まったままだ。
「普通課の宿題だって・・・1日2日で終わるような量じゃないよね?」
奈々は宮田を見上げるようにしながら聞くが、宮田が振り向いて目を合わせることはない。
「宮田は毎日忙しくしてるし、まとまった時間だって取れないじゃん・・・ちょこちょこ・・・どこかで会ってたんでしょう?」
女の計算能力はときに恐ろしく早く正確な時がある。
言われた通り、宮田は週1回程度、喫茶店で相手に宿題を丸写しさせてもらっていた。
「私は夏休みに入ってから今日まで1度も会えなかったのに・・・その人には・・・・・・会ってたん・・・だ・・・」
途中から涙声になり上手に言葉が出てこなくなった。
そしてズボンを掴んでいた手はするりと落ちて、目から流れる滴を受け止める皿になる。
気がついたらCDは再生を終えていて、部屋には小さな泣き声が響くだけ。
宮田は至極面倒臭そうに片手で額を抑え、大きなため息をついてから口を開いた。
「時々、その辺で宿題を写させてもらった。それだけだ」
酷く冷静な声。
泣いている相手を気遣うようなセリフは一つもない。
「なんで・・・黙ってたの」
「別に言うことじゃねぇだろ」
「言うことでしょ!?他の女の子とコソコソ会っておいて・・・」
宮田との噛み合わない会話にイライラし、奈々はつい声を荒げてしまった。
「私に・・・たっちゃんと遊んでろって・・・よその男と遊んでろって言ったのは・・・その子とデートするためだったんじゃないの!?」
「んなわけねぇだろ!」
宮田もなかなか短気な男だ。冷静を装うつもりが、負けじと声を張り上げてしまった。
“オレにはお前だけ”くらいのセリフを言えれば良かったのだが、それを言えれば宮田一郎も苦労しない。相変わらず周りくどいことばかり言う宮田に、奈々は苛立ちを止められない。
「どこいくのよ」
「・・・不毛な話はしたくない。帰る」
「・・・不毛ってどういう意味!?」
宮田はこちらを見ようともしないが、ただ振り払う気はないようで、その場に立ち止まったままだ。
「普通課の宿題だって・・・1日2日で終わるような量じゃないよね?」
奈々は宮田を見上げるようにしながら聞くが、宮田が振り向いて目を合わせることはない。
「宮田は毎日忙しくしてるし、まとまった時間だって取れないじゃん・・・ちょこちょこ・・・どこかで会ってたんでしょう?」
女の計算能力はときに恐ろしく早く正確な時がある。
言われた通り、宮田は週1回程度、喫茶店で相手に宿題を丸写しさせてもらっていた。
「私は夏休みに入ってから今日まで1度も会えなかったのに・・・その人には・・・・・・会ってたん・・・だ・・・」
途中から涙声になり上手に言葉が出てこなくなった。
そしてズボンを掴んでいた手はするりと落ちて、目から流れる滴を受け止める皿になる。
気がついたらCDは再生を終えていて、部屋には小さな泣き声が響くだけ。
宮田は至極面倒臭そうに片手で額を抑え、大きなため息をついてから口を開いた。
「時々、その辺で宿題を写させてもらった。それだけだ」
酷く冷静な声。
泣いている相手を気遣うようなセリフは一つもない。
「なんで・・・黙ってたの」
「別に言うことじゃねぇだろ」
「言うことでしょ!?他の女の子とコソコソ会っておいて・・・」
宮田との噛み合わない会話にイライラし、奈々はつい声を荒げてしまった。
「私に・・・たっちゃんと遊んでろって・・・よその男と遊んでろって言ったのは・・・その子とデートするためだったんじゃないの!?」
「んなわけねぇだろ!」
宮田もなかなか短気な男だ。冷静を装うつもりが、負けじと声を張り上げてしまった。
“オレにはお前だけ”くらいのセリフを言えれば良かったのだが、それを言えれば宮田一郎も苦労しない。相変わらず周りくどいことばかり言う宮田に、奈々は苛立ちを止められない。