15.止まってよ
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夕方までたっぷり暇つぶしをした後、家に帰るとキッチンから出てきた母親に声をかけられた。
「ずいぶん遅かったねぇ。さっき宮田くんから電話が来てたよ?」
「み、宮田から?」
「そうそう。帰ってきたら電話が欲しいって」
「へぇ、なんだろ。珍しい」
「デートのお誘いかしらね?」
母親が冷やかす様に言ったが、奈々はそんなわけは100%ないとわかりきっていたので、ちょっと呆れた様な短いため息をついて、
「どうせ、宿題見せろとか、そんなことだと思うよ」
「ふふ。どうかしらね」
相変わらずお花畑みたいな脳内だなと、自分の母親ながら超ポジティブ超能天気な性格を半ば羨ましく、半ば疎ましく思いながら、子機を持って2階へ上がった。
すっかり番号を覚えた指先が、勝手に電話をかける。
コール2回目で「はい」とぶっきらぼうな男の声が聞こえた。
「あ、宮田?ごめんね、電話くれてたみたいで」
「ああ」
「たっちゃんとこで、まーくんと3人でゲーム盛り上がっちゃってさ」
「・・・そうか」
電話の向こうは相変わらず淡々としたリアクションで、なんの面白味もない。
少し言葉に詰まっていると、宮田の方から、
「来週、空けとけよ」
とこれまた淡々とした偉そうな命令が下された。
「ん?ああ、宿題手伝えって話でしょ?」
「・・・・」
「あと1週間しかないけど大丈夫?心配してたんだからね」
「・・・・」
宮田があまりにも黙って何も言わないので、不思議に思った奈々は首を傾げながら問いかけた。
「どうしたの?」
「いや・・・」
何か言いたげな、言いたくなさそうな感じで一瞬口籠ったが、宮田はそのまま平静を装って言葉を続けた。
「火曜日でもいいか?」
「ん?ああ、私はいつでもいいけど」
「家まで迎えに行くから」
「え!?ウチ来るの!?」
「昼前に行くから、飯食わないで待ってろ。じゃあな」
用件だけ言い残して、宮田はさっさと電話を切ってしまった。
夕方までたっぷり暇つぶしをした後、家に帰るとキッチンから出てきた母親に声をかけられた。
「ずいぶん遅かったねぇ。さっき宮田くんから電話が来てたよ?」
「み、宮田から?」
「そうそう。帰ってきたら電話が欲しいって」
「へぇ、なんだろ。珍しい」
「デートのお誘いかしらね?」
母親が冷やかす様に言ったが、奈々はそんなわけは100%ないとわかりきっていたので、ちょっと呆れた様な短いため息をついて、
「どうせ、宿題見せろとか、そんなことだと思うよ」
「ふふ。どうかしらね」
相変わらずお花畑みたいな脳内だなと、自分の母親ながら超ポジティブ超能天気な性格を半ば羨ましく、半ば疎ましく思いながら、子機を持って2階へ上がった。
すっかり番号を覚えた指先が、勝手に電話をかける。
コール2回目で「はい」とぶっきらぼうな男の声が聞こえた。
「あ、宮田?ごめんね、電話くれてたみたいで」
「ああ」
「たっちゃんとこで、まーくんと3人でゲーム盛り上がっちゃってさ」
「・・・そうか」
電話の向こうは相変わらず淡々としたリアクションで、なんの面白味もない。
少し言葉に詰まっていると、宮田の方から、
「来週、空けとけよ」
とこれまた淡々とした偉そうな命令が下された。
「ん?ああ、宿題手伝えって話でしょ?」
「・・・・」
「あと1週間しかないけど大丈夫?心配してたんだからね」
「・・・・」
宮田があまりにも黙って何も言わないので、不思議に思った奈々は首を傾げながら問いかけた。
「どうしたの?」
「いや・・・」
何か言いたげな、言いたくなさそうな感じで一瞬口籠ったが、宮田はそのまま平静を装って言葉を続けた。
「火曜日でもいいか?」
「ん?ああ、私はいつでもいいけど」
「家まで迎えに行くから」
「え!?ウチ来るの!?」
「昼前に行くから、飯食わないで待ってろ。じゃあな」
用件だけ言い残して、宮田はさっさと電話を切ってしまった。