15.止まってよ
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夏休みも、あと1週間。そしてもうすぐ、宮田の誕生日だ。
17歳になる・・・ということは、プロテストを受ける資格を得ると言うこと。
夢への第一歩が、もうすぐそこまで来ている。
宮田と合わなくなって、1ヶ月になる。
夏休みに入る前、「バイトとジムで忙しくなる」とは聞いていたけど。
まさか本当に・・・全く顔も見ない日々が続くとは思っていなかった。
その間、遊び相手は木村と、中学の時の同級生くらい。
もともと仲良くしていたクラスメイトとは、口喧嘩をしたままそれっきりだ。謝るキッカケがないまま夏休みに入ってしまい、呼び出して謝ろうにも、自分のメンタルがそれを支える自信を失っていた。
「つーか、たっちゃんだって働いているし、おまけにもうプロの選手なのに、どうして暇なの?」
「別に暇じゃね〜よ」
木村の部屋で漫画を読みながら、奈々が面白くなさそうに呟くと、木村はこれまた面白くなさそうに返事をした。
「ほらアイツは・・・一人暮らしなんだろ?家事とかいろいろ自分でやってんだろうし」
「・・・そーだけど・・」
「それに、妹と会うのと彼女と会うのとは全然気力が違うんだよ。オレにとってはお前なんて別にヒゲ伸ばしっぱなし鼻毛出っ放しでもどうでもいいからな」
「失礼ね」
「お前だってそうだろ。その伸びきったTシャツ、宮田の前では着ないだろ?」
そう指摘されて思わず自分が今日来ている服を確認する。襟周りが伸び切ってプリントも色あせたTシャツ。昔からのとびきりのお気に入りは、今では明らかな部屋着だ。
「・・・ま、まぁそうだけど。なによ、そんな風に思うなら新しいの買ってよ」
「宮田のファイトマネーで買ってもらえよ。アイツならいずれたんまり稼ぐだろうよ」
ゴロリとめんどくさそうに寝返りを打ち、木村は漫画を読み続ける。
程なくして青木も合流し、3人でゲーム大会が始まった。
昔からの、いつもの光景だ。