14.動揺
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「よぉ」
宮田がロードワーク中に声をかけられ、ふと顔を上げてその声の主を確認すると、公園のブロックに腰かけた木村が、こちらに向かって手をあげていた。
「どうしたんです。ここ、コースじゃないですよね」
「電話しても出ねぇから来たんだよ」
宮田が立ち止まり声をかけると、木村はすっくと立ち上がり、促すようにして2人並行して走り始めた。
「何か用ですか」
「・・・アイツから聞いてるかもしれないけど一応、報告しとこうと思って」
「何をです」
「何をって・・・お前に頼まれたこと、ちゃんと実行してるからな」
ハッハッと走る息遣いの合間で、宮田は小さく「知ってますよ」と答えた。
「ってかまぁ・・・お前が頼む気持ちもわかるわ」
木村はうんざりした様な表情と口調で続ける。
「アイツ、わがままだからよぉ〜。あれ食べたいこれやりたいって、付き合うの本当に大変だよな。こないだも1日中付き合わされて、夕飯も食わずに寝たぜ」
木村は気持ちを分かち合おうとやや大袈裟な表現をしたのだが、隣の宮田はまるで無表情のまま、何も答えない。
妹といえど他人の彼女のことをアレコレ言うべきではなかったかと、木村はちょっぴり反省して、気まずそうにゴホンと咳払いをした。
「ま、まぁ。お前も苦労してるよな。わがままなやつだけど、これからもまぁ、頼むわぁ!とりあえず報告終わり!じゃあな!」
気まずさから一刻も早く抜け出そうと、最後の方はやや早口になっていたかもしれない。木村が手をあげてコースを離脱すると、宮田は小さく「どうも」とだけ言って別れた。
「よぉ」
宮田がロードワーク中に声をかけられ、ふと顔を上げてその声の主を確認すると、公園のブロックに腰かけた木村が、こちらに向かって手をあげていた。
「どうしたんです。ここ、コースじゃないですよね」
「電話しても出ねぇから来たんだよ」
宮田が立ち止まり声をかけると、木村はすっくと立ち上がり、促すようにして2人並行して走り始めた。
「何か用ですか」
「・・・アイツから聞いてるかもしれないけど一応、報告しとこうと思って」
「何をです」
「何をって・・・お前に頼まれたこと、ちゃんと実行してるからな」
ハッハッと走る息遣いの合間で、宮田は小さく「知ってますよ」と答えた。
「ってかまぁ・・・お前が頼む気持ちもわかるわ」
木村はうんざりした様な表情と口調で続ける。
「アイツ、わがままだからよぉ〜。あれ食べたいこれやりたいって、付き合うの本当に大変だよな。こないだも1日中付き合わされて、夕飯も食わずに寝たぜ」
木村は気持ちを分かち合おうとやや大袈裟な表現をしたのだが、隣の宮田はまるで無表情のまま、何も答えない。
妹といえど他人の彼女のことをアレコレ言うべきではなかったかと、木村はちょっぴり反省して、気まずそうにゴホンと咳払いをした。
「ま、まぁ。お前も苦労してるよな。わがままなやつだけど、これからもまぁ、頼むわぁ!とりあえず報告終わり!じゃあな!」
気まずさから一刻も早く抜け出そうと、最後の方はやや早口になっていたかもしれない。木村が手をあげてコースを離脱すると、宮田は小さく「どうも」とだけ言って別れた。