13.伝聞系の夏
お名前設定はこちら
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「っと・・もう10時だぜ。オレ、奈々送ってくわ」
時計を見ながら木村が呟く。
「おぉ。送った後戻ってこいよ。駅前のカラオケボックスにいるからな」
「へいへい。いくぞ、奈々」
「う、うん。みなさん・・・今日はありがとうございました」
ペコリとお辞儀をしたものの、もはやナチュラルハイで盛り上がっている連中の耳には入っていないようだ。
「たっちゃんも、今日はありがとね」
「あー・・・」
木村は何か言いたげな、口籠った返事をした。
長年の付き合いである奈々がそれを見逃すはずがなかった。
「どうしたのよ」
「へ?」
「なんか、歯切れ悪いな」
「・・・あー・・・」
じぃっと睨むような目線を受けて、木村は観念したように頭をポリポリと掻いてから、フゥッと少し大きめのため息をついて、意を決したとばかりに口を開いた。
「宮田に・・・頼まれてさ」
意外な人物の名前が急に出てきたので、奈々は思わず返す言葉に詰まる。
「口止めされてたんだけど・・・やっぱ、言った方がいいかなと思って」
「な、何を?」
木村はまた悩ましそうに、今度は強めに頭を掻きむしり、
「・・・お前を遊びに連れていってくれ、って」
「・・・・へ?」
「自分はどこへも連れていけないから・・・ってよ」
あの宮田が、他人に頼み事?
予想だにしてなかった言葉を聞いて、奈々は木村の方を見ながら固まってしまった。
「あ〜・・・やっぱダメだなオレ、口軽いわぁ」
「そ、それって、いつそんなこと・・」
「8月入る前かな。わざわざ電話してきてよ。ちょうど花火やる予定だったから、そこに連れてっていいか?って聞いたらオッケーだっつーからよ。・・・ってかなんでオレがアイツにオッケー貰わねぇとなんねぇのかシャクだけどな」
木村が面白くなさそうに言い放つ横で、奈々はあまりの予想外のことに面食らって心の整理がつかなかった。
時計を見ながら木村が呟く。
「おぉ。送った後戻ってこいよ。駅前のカラオケボックスにいるからな」
「へいへい。いくぞ、奈々」
「う、うん。みなさん・・・今日はありがとうございました」
ペコリとお辞儀をしたものの、もはやナチュラルハイで盛り上がっている連中の耳には入っていないようだ。
「たっちゃんも、今日はありがとね」
「あー・・・」
木村は何か言いたげな、口籠った返事をした。
長年の付き合いである奈々がそれを見逃すはずがなかった。
「どうしたのよ」
「へ?」
「なんか、歯切れ悪いな」
「・・・あー・・・」
じぃっと睨むような目線を受けて、木村は観念したように頭をポリポリと掻いてから、フゥッと少し大きめのため息をついて、意を決したとばかりに口を開いた。
「宮田に・・・頼まれてさ」
意外な人物の名前が急に出てきたので、奈々は思わず返す言葉に詰まる。
「口止めされてたんだけど・・・やっぱ、言った方がいいかなと思って」
「な、何を?」
木村はまた悩ましそうに、今度は強めに頭を掻きむしり、
「・・・お前を遊びに連れていってくれ、って」
「・・・・へ?」
「自分はどこへも連れていけないから・・・ってよ」
あの宮田が、他人に頼み事?
予想だにしてなかった言葉を聞いて、奈々は木村の方を見ながら固まってしまった。
「あ〜・・・やっぱダメだなオレ、口軽いわぁ」
「そ、それって、いつそんなこと・・」
「8月入る前かな。わざわざ電話してきてよ。ちょうど花火やる予定だったから、そこに連れてっていいか?って聞いたらオッケーだっつーからよ。・・・ってかなんでオレがアイツにオッケー貰わねぇとなんねぇのかシャクだけどな」
木村が面白くなさそうに言い放つ横で、奈々はあまりの予想外のことに面食らって心の整理がつかなかった。