12.手伝えよ
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「あれ?宮田くんじゃない?」
「あ、ほんとだぁ」
レジに並んでいる途中で、何やらこちらを見ながら驚きの表情を浮かべている女子2人組に遭遇した。
奈々はどこかで見たことのある人のような気がしながらも思い出せない。おそらく同じ高校の生徒だろう。
宮田はボクシングをやっていることもあって、高校では結構な有名人だから、見かけた人がザワザワとするのも不思議ではない。
「宮田くん、こんなところで何してるのぉ?」
「・・・」
遠くから飛んできた声を全く無視して列に並び続ける宮田。
その無礼な態度がいたたまれなく、奈々は肘で宮田を小突いて小さく声を掛ける。
「ちょっと、呼ばれてるけど」
「知ってるよ」
「知り合い?」
「・・・クラスのヤツか何かだと思うけど」
宮田の言葉に思わず、覚えてないんかい!と突っ込みそうになる。
相変わらずボクシング以外は本当にどうでもよく、全く興味がないのだなと思わされる。
「あれって彼女?・・・高杉さんだっけ」
「たしかそうだったかな。え〜マジ付き合ってるんだぁ、ショック」
「しかも2人で買い物してるよ」
「わぁ、生々しい・・・同棲してるとか?」
まる聞こえの陰口は一番反応しづらい。
宮田は相変わらず涼しい顔をして、どこか遠くをみるような目で列に並んでいる。
ようやく自分たちの番になり、無事に買い物を終えた。
袋詰めをしている間に2人組の女子は何処かへ行ったらしい。
ホッとしている間に、宮田は両手にビニール袋を抱えてさっさと出口の方へ歩いていってしまっていた。
「ちょ、ちょっと待ってよぉ」
「早くしろよ」
夏の午後は太陽がとても大きくて、うだるような暑さが降り注ぐ。
空を仰ぐと雲ひとつない青い空が広がっている。
風の一つでも吹いてくれれば涼しいのにな、と思いながらふと横を見る。
「宮田、ひとつ持つよ」
「いいよ」
「いいから」
「っ・・・おい!」
片方の、少し軽めの袋を奪うようにして取ると、奈々は空いた宮田の手に自らの手を合わせて、
「だって、邪魔なんだもん」
と言いながら寄り添った。
宮田はふぅとため息を吐きながら、ぎゅっと手を握り返した。
「あ、ほんとだぁ」
レジに並んでいる途中で、何やらこちらを見ながら驚きの表情を浮かべている女子2人組に遭遇した。
奈々はどこかで見たことのある人のような気がしながらも思い出せない。おそらく同じ高校の生徒だろう。
宮田はボクシングをやっていることもあって、高校では結構な有名人だから、見かけた人がザワザワとするのも不思議ではない。
「宮田くん、こんなところで何してるのぉ?」
「・・・」
遠くから飛んできた声を全く無視して列に並び続ける宮田。
その無礼な態度がいたたまれなく、奈々は肘で宮田を小突いて小さく声を掛ける。
「ちょっと、呼ばれてるけど」
「知ってるよ」
「知り合い?」
「・・・クラスのヤツか何かだと思うけど」
宮田の言葉に思わず、覚えてないんかい!と突っ込みそうになる。
相変わらずボクシング以外は本当にどうでもよく、全く興味がないのだなと思わされる。
「あれって彼女?・・・高杉さんだっけ」
「たしかそうだったかな。え〜マジ付き合ってるんだぁ、ショック」
「しかも2人で買い物してるよ」
「わぁ、生々しい・・・同棲してるとか?」
まる聞こえの陰口は一番反応しづらい。
宮田は相変わらず涼しい顔をして、どこか遠くをみるような目で列に並んでいる。
ようやく自分たちの番になり、無事に買い物を終えた。
袋詰めをしている間に2人組の女子は何処かへ行ったらしい。
ホッとしている間に、宮田は両手にビニール袋を抱えてさっさと出口の方へ歩いていってしまっていた。
「ちょ、ちょっと待ってよぉ」
「早くしろよ」
夏の午後は太陽がとても大きくて、うだるような暑さが降り注ぐ。
空を仰ぐと雲ひとつない青い空が広がっている。
風の一つでも吹いてくれれば涼しいのにな、と思いながらふと横を見る。
「宮田、ひとつ持つよ」
「いいよ」
「いいから」
「っ・・・おい!」
片方の、少し軽めの袋を奪うようにして取ると、奈々は空いた宮田の手に自らの手を合わせて、
「だって、邪魔なんだもん」
と言いながら寄り添った。
宮田はふぅとため息を吐きながら、ぎゅっと手を握り返した。