1.宮田ん家
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宮田は隣に座る相手を軽く抱きしめた。
それから、相手の腕が自分の背中に回ったのを感じ、奈々の耳の後ろに軽く口づけをする。
奈々の体がピクリと反応する。
それからまた1度、2度と繰り返すうち、体が少しずつ離れ、お互いに目と目が合う。
そして今度は、唇に口付ける。
最初は軽く、それから徐々に、音がするほど深くに。
「高杉」
「ん・・・み、みや・・」
キスをするのは別に初めてのことではないが、宮田の家で、宮田のベッドの上で、お父さんが出かけている間に、というシチュエーションは一層興奮を煽る。
そして2人はベッドに横たわり、宮田が上から被さるような形でキスを続ける。そして宮田の唇は首筋から鎖骨の方まで降りていく。
そこで奈々はふと、体になにか異変を感じたらしい。
いつものように、思ったことを何の気なしに言ってみる。
「み・・・宮田・・・」
「・・・なんだ」
「その・・・ポケットに・・何か入れてる?」
「・・は?」
素っ頓狂な質問に、宮田は顔を上げて、奈々を見つめた。
「さっきからゴツゴツ当たって痛いんだけど・・・」
一瞬何を言っているのかと思ったが、宮田はすぐに“ポケットの中のもの”が何かわかった。と同時に、ここまで無知だとは、と思春期女子の意外な純朴さに思わずうなだれる。
「え?ちょ、ちょっと!何よ」
宮田のリアクションが不可解で思わず喚くと、すぐにポーカーフェイスを取り戻した宮田がシラッと言葉を返した。
「・・・触ってみれば」
「え?」
「何が入ってるか」
「・・・うん」
奈々は言われるがままに、ポケットの中を手でまさぐってみた。
ジーンズのゴツゴツとした手触りと、何かしらのモノで膨らんでいるポケット・・・
その“モノ”の正体がわかった時、奈々は反射的に手を離し、宮田の体を押しのけていた。
「ぎゃああああ」
「っ!なんだよ急に!」
「バカじゃないの!この!変態!」
奈々は顔を真っ赤にしながら宮田に枕を投げつけた。
「お前・・・結構ガキだな」
「う、うるさい!変なもの触らせて!バカ!バカバカ!」
確かにいたずらが過ぎたかと少し反省する気持ちが湧いた時だった。
「こんなの、入るわけないじゃん!!」
奈々も自分が何を叫んだのか一瞬わからなかったようだが、すぐに事の重大さに気がついて、赤い顔をさらに赤くしながらバタつき始めた。
「ち、ちがう!そういうつもりじゃ!」
「そういう知識はあるんだな」
「そ、そーだけど、そうじゃなくて!」
「安心したよ」
奈々は恥ずかしさのあまり、まるで動物が巣の中に身を隠すように、掛け布団の中に潜り込んでしまった。
宮田は意地悪そうに笑って、ベッドの上でうずくまる奈々の隣に再び腰掛け、小さな山のようになっている布団を撫でる。
「別に強制はしないけど」
奈々はうずくまったまま、低い声で答える。
「・・・してよ」
「ん?」
「・・・つづき」
盛り上がった布団の中から抜け出てきた細い声。
宮田は言葉とシチュエーションのギャップに思わず笑ってつぶやく。
「さて・・・入るかな」
「ばか」
いつのまにか夕暮れが迫っていて。
部屋の中は薄暗く、微かな音が漏れるだけだった。