12.手伝えよ
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日曜日の朝。
指定された駅に到着すると、改札口で宮田がすでに待っているのが見えた。
小走りで近寄ると、足音で気づいたのか、宮田は伏せていた目をふと上げてこちらを見た。
「ごめん、待った?」
「いや。来てもらって悪いな」
「・・・いいんです、暇だし」
偉そうに手伝いを頼んできた本人が妙にしおらしい発言をするので、ついついトゲのある言葉を返して意地悪をしたくなる。宮田はふっと笑って特に反応せず、奈々を促すようにして歩き始めた。
「もらった住所を見ると、駅からそんなに遠くないみたいね」
「ああ。だから学校には通いやすくなったかもな」
「そっか。・・・ウチからは・・・遠くなっちゃったけどね」
以前なら、宮田の家は自宅からバスで10分もすれば着くような距離だった。
今回の引越しで、その距離は電車を乗り継いで1時間近くかかるようになってしまった。
「・・・すまない」
まさか宮田が謝罪の言葉を口にするとは夢にも思っていなかった奈々は驚いて、慌てて言葉を返す。
「べ、別に謝ることじゃないよ」
と言ってはみたものの、宮田は少し浮かない顔をして黙りこんでしまった。
あぁまた思ったことを深く考えずに言ってしまったんだ、と奈々は頭を抱えてしゃがみ込みたくなるような罪悪感を覚えた時だった。
「ただでさえ・・・構ってやれてねぇのに」
宮田の口から飛び出た言葉の先を捕まえたくて、ふと相手の顔を伺うと、宮田もまたこちらをじっと見ていた。ただ、その先の言葉はいつまで経っても出てきそうにない。堪えきれずに、奈々が先に口を開く。
「き、気にしてたの?」
「・・・・していないとでも思ったのか?」
「思っ・・・」
た、とまで言う前に、奈々ハッと気づいて口をつぐんだ。
だがすでに言ったも同然、宮田にギロリと睨まれて、思わず身を固める。
「見くびるなよ」
「・・・はーい」
10分ほど歩いて、2階建ての小さなアパートに到着した。
宮田の家は2階らしい。
前の一軒家と比べて随分と規模が小さくなったな、と、父親と2人で窮屈ではないのかな?と思いながら、宮田に促されるまま開けられたドアからアパートの室内に入ってみると・・・
見事なワンルーム。
「・・・・え?」
「なんだよ」
「え?ひ、1人?1人暮らし?」
「そうだけど」
「き、聞いてないんですけど!?」
そうだったっけ?とでも言わんばかりの宮田の顔を横目に、奈々は驚いてただただ固まるだけだった。
指定された駅に到着すると、改札口で宮田がすでに待っているのが見えた。
小走りで近寄ると、足音で気づいたのか、宮田は伏せていた目をふと上げてこちらを見た。
「ごめん、待った?」
「いや。来てもらって悪いな」
「・・・いいんです、暇だし」
偉そうに手伝いを頼んできた本人が妙にしおらしい発言をするので、ついついトゲのある言葉を返して意地悪をしたくなる。宮田はふっと笑って特に反応せず、奈々を促すようにして歩き始めた。
「もらった住所を見ると、駅からそんなに遠くないみたいね」
「ああ。だから学校には通いやすくなったかもな」
「そっか。・・・ウチからは・・・遠くなっちゃったけどね」
以前なら、宮田の家は自宅からバスで10分もすれば着くような距離だった。
今回の引越しで、その距離は電車を乗り継いで1時間近くかかるようになってしまった。
「・・・すまない」
まさか宮田が謝罪の言葉を口にするとは夢にも思っていなかった奈々は驚いて、慌てて言葉を返す。
「べ、別に謝ることじゃないよ」
と言ってはみたものの、宮田は少し浮かない顔をして黙りこんでしまった。
あぁまた思ったことを深く考えずに言ってしまったんだ、と奈々は頭を抱えてしゃがみ込みたくなるような罪悪感を覚えた時だった。
「ただでさえ・・・構ってやれてねぇのに」
宮田の口から飛び出た言葉の先を捕まえたくて、ふと相手の顔を伺うと、宮田もまたこちらをじっと見ていた。ただ、その先の言葉はいつまで経っても出てきそうにない。堪えきれずに、奈々が先に口を開く。
「き、気にしてたの?」
「・・・・していないとでも思ったのか?」
「思っ・・・」
た、とまで言う前に、奈々ハッと気づいて口をつぐんだ。
だがすでに言ったも同然、宮田にギロリと睨まれて、思わず身を固める。
「見くびるなよ」
「・・・はーい」
10分ほど歩いて、2階建ての小さなアパートに到着した。
宮田の家は2階らしい。
前の一軒家と比べて随分と規模が小さくなったな、と、父親と2人で窮屈ではないのかな?と思いながら、宮田に促されるまま開けられたドアからアパートの室内に入ってみると・・・
見事なワンルーム。
「・・・・え?」
「なんだよ」
「え?ひ、1人?1人暮らし?」
「そうだけど」
「き、聞いてないんですけど!?」
そうだったっけ?とでも言わんばかりの宮田の顔を横目に、奈々は驚いてただただ固まるだけだった。