10.させねぇよ
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「遅かったな、一郎」
宮田が自宅に戻ると、先に外出先から帰ってきていた父親が夕食を作りながら待っていたようだった。
「飯でも食ってきたのか?」
「いや・・・まだだけど」
いささか気落ちした様子の息子に気づきはしたものの、そこで何か特別に口を挟む真似はしないでおこうと、父はそのまま調理を続けた。
宮田が部屋の隅に置いてある電話の子機を持って階段を上がって行ったのを見届けると、父は予感的中とばかりに笑い、
「喧嘩でもしたか」
と呟いた。
「はーい、高杉ですが」
かけ慣れた番号を押してプルルルと音が聞こえるや否や、いつもの陽気な声が宮田の耳を貫いた。
「・・宮田です」
「あら、宮田くん!こんばんはぁ」
「どうも・・・あの・・・」
「あ、今日は一緒にご飯でも食べてくるとか?」
「え?」
「今、一緒にいるんでしょう?」
どうやら、奈々はまだ帰宅していないらしい。
反射的に壁時計に目をやると、時間はもう7時を回っていた。公園で別れたのは6時前、いくらなんでももうすでに家についているはず。
「はい・・・ちょっと遅くなります」
宮田は平静を装って電話を切ると、脱いだジャケットに再び腕を通し、階段を走り降りた。
「おい、でき・・・」
さらにチャーハンを盛っている最中の父親が叫ぶように声をかけたが、全く聞こえなかったらしい。バタンと勢いよくドアが閉まる音が聞こえると、父は小さなため息をついて、それから皿にラップをかけた。
何やってんだよ!?
いくらまだ明るいとはいえ、女一人で夜にウロつくなんて・・・
「ったく・・・世話がやける・・」
宮田が自宅に戻ると、先に外出先から帰ってきていた父親が夕食を作りながら待っていたようだった。
「飯でも食ってきたのか?」
「いや・・・まだだけど」
いささか気落ちした様子の息子に気づきはしたものの、そこで何か特別に口を挟む真似はしないでおこうと、父はそのまま調理を続けた。
宮田が部屋の隅に置いてある電話の子機を持って階段を上がって行ったのを見届けると、父は予感的中とばかりに笑い、
「喧嘩でもしたか」
と呟いた。
「はーい、高杉ですが」
かけ慣れた番号を押してプルルルと音が聞こえるや否や、いつもの陽気な声が宮田の耳を貫いた。
「・・宮田です」
「あら、宮田くん!こんばんはぁ」
「どうも・・・あの・・・」
「あ、今日は一緒にご飯でも食べてくるとか?」
「え?」
「今、一緒にいるんでしょう?」
どうやら、奈々はまだ帰宅していないらしい。
反射的に壁時計に目をやると、時間はもう7時を回っていた。公園で別れたのは6時前、いくらなんでももうすでに家についているはず。
「はい・・・ちょっと遅くなります」
宮田は平静を装って電話を切ると、脱いだジャケットに再び腕を通し、階段を走り降りた。
「おい、でき・・・」
さらにチャーハンを盛っている最中の父親が叫ぶように声をかけたが、全く聞こえなかったらしい。バタンと勢いよくドアが閉まる音が聞こえると、父は小さなため息をついて、それから皿にラップをかけた。
何やってんだよ!?
いくらまだ明るいとはいえ、女一人で夜にウロつくなんて・・・
「ったく・・・世話がやける・・」