50.助言
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父親が帰った後、自分の進路はとりあえず固まってきたということで、宮田は肩の荷が下りたような気がして、ベッドにどっかと腰を下ろした。
“少しは、人の助言も耳に入れるように”
父親から耳の痛い言葉をかけられて面白くない気持ちを小さなため息で逃しながら、背を倒して天井を眺める。
「聞いてるだろ、ちゃんと」
ボソリと呟いた一言がやけに部屋に響く。呟いたところで誰も返事をしない。
返事なんてあるわけないのにどうしてか独り言を呟いてしまうのは、ひょっとしたら誰かに聞いてもらいたいなんて本心が隠れているのかもしれない・・・・
なんて思い当たって、すぐさまそんなはずはないと思い直す。ゴロリと体の向きを変えると、再びあの台詞が頭をよぎった。
”何にもできない男”
・・・・なぜこんな時に思い出す?
“少しは、人の助言も耳に入れるように”
二人のセリフが交互に脳内を飛び回る。
なぜあのセリフがこんなにも引っかかる?
宮田一郎。
お前に問うよ。
このまま何の心残りもなく海外に行って100%ボクシングに専念することができるか?
アイツの気持ちは変わってない。
オレの気持ちも変わらない。
「・・・終わって・・・ねぇんだよ」
宮田は背を起こして、握った両拳を見つめながら呟いた。
「オレの中じゃ、全然」
父親が帰った後、自分の進路はとりあえず固まってきたということで、宮田は肩の荷が下りたような気がして、ベッドにどっかと腰を下ろした。
“少しは、人の助言も耳に入れるように”
父親から耳の痛い言葉をかけられて面白くない気持ちを小さなため息で逃しながら、背を倒して天井を眺める。
「聞いてるだろ、ちゃんと」
ボソリと呟いた一言がやけに部屋に響く。呟いたところで誰も返事をしない。
返事なんてあるわけないのにどうしてか独り言を呟いてしまうのは、ひょっとしたら誰かに聞いてもらいたいなんて本心が隠れているのかもしれない・・・・
なんて思い当たって、すぐさまそんなはずはないと思い直す。ゴロリと体の向きを変えると、再びあの台詞が頭をよぎった。
”何にもできない男”
・・・・なぜこんな時に思い出す?
“少しは、人の助言も耳に入れるように”
二人のセリフが交互に脳内を飛び回る。
なぜあのセリフがこんなにも引っかかる?
宮田一郎。
お前に問うよ。
このまま何の心残りもなく海外に行って100%ボクシングに専念することができるか?
アイツの気持ちは変わってない。
オレの気持ちも変わらない。
「・・・終わって・・・ねぇんだよ」
宮田は背を起こして、握った両拳を見つめながら呟いた。
「オレの中じゃ、全然」