50.助言
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アイツの気持ちは変わってない。
オレの気持ちも変わらない。
だからって、すぐに分かりやすいハッピーエンドを迎えられるかといったら、それはまた別の話だ。
アイツは一度・・・別れを選択したんだ。
それは原因があってのことだ。
それが解決できなければ、また同じことになっちまう。
宮田はベッドの上に仰向けになって転がり、左右に忙しなく体の向きを変え、落ち着かない様子だ。
“何にもできない男”
頭に浮かんでは消えていく、蓼丸のセリフ。
「うるせぇな」
誰に向かっての発言なのか、独り言は虚しく空気に溶けた。ふぅとため息をついて、再び仰向けになり天井を眺める。
視界に入るのは、本棚にぶら下げられたグローブ・・・
幕之内は間柴戦を制したものの、拳の怪我もあり東西戦は見送る方向らしいと聞いた。東日本新人王を獲得したアイツは日本ランキング入りも間近だ。
一方で自分は、足の怪我で練習の再開もまともにできない。次の試合までの時間もだいぶ開いてしまう。
いずれにせよ、アイツとプロのリングでやりあうにはもうしばらくの時間が必要だろう。
その間、オレはどうすればいい?
何ができる?
アイツと戦うには、何らかの大義名分が必要だ。
アイツが日本ランキング入りを目指すのなら・・・
オレは東洋ランキングのトップに立って・・・
宮田はカッと目を見開き、勢いよく上半身を起こした。
そして、グッと拳を握り締めて、吊り下げられたグローブに目をやる。
そうだ。
東洋だ。
卒業したら東洋を回って、ランキング狩りをする。
そしてアイツと戦う大義名分を作る。
宮田は両の拳を握りしめ、じっと見つめた。
束の間、ルルルと無機質な音が鳴り響き、宮田は電話の方に目を向けた。そういえば今日は病院に行く日だったと、面倒臭そうに受話器を取る。
アイツの気持ちは変わってない。
オレの気持ちも変わらない。
だからって、すぐに分かりやすいハッピーエンドを迎えられるかといったら、それはまた別の話だ。
アイツは一度・・・別れを選択したんだ。
それは原因があってのことだ。
それが解決できなければ、また同じことになっちまう。
宮田はベッドの上に仰向けになって転がり、左右に忙しなく体の向きを変え、落ち着かない様子だ。
“何にもできない男”
頭に浮かんでは消えていく、蓼丸のセリフ。
「うるせぇな」
誰に向かっての発言なのか、独り言は虚しく空気に溶けた。ふぅとため息をついて、再び仰向けになり天井を眺める。
視界に入るのは、本棚にぶら下げられたグローブ・・・
幕之内は間柴戦を制したものの、拳の怪我もあり東西戦は見送る方向らしいと聞いた。東日本新人王を獲得したアイツは日本ランキング入りも間近だ。
一方で自分は、足の怪我で練習の再開もまともにできない。次の試合までの時間もだいぶ開いてしまう。
いずれにせよ、アイツとプロのリングでやりあうにはもうしばらくの時間が必要だろう。
その間、オレはどうすればいい?
何ができる?
アイツと戦うには、何らかの大義名分が必要だ。
アイツが日本ランキング入りを目指すのなら・・・
オレは東洋ランキングのトップに立って・・・
宮田はカッと目を見開き、勢いよく上半身を起こした。
そして、グッと拳を握り締めて、吊り下げられたグローブに目をやる。
そうだ。
東洋だ。
卒業したら東洋を回って、ランキング狩りをする。
そしてアイツと戦う大義名分を作る。
宮田は両の拳を握りしめ、じっと見つめた。
束の間、ルルルと無機質な音が鳴り響き、宮田は電話の方に目を向けた。そういえば今日は病院に行く日だったと、面倒臭そうに受話器を取る。