44.あの時から
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「よし、上がりだ一郎」
「・・OK・・父さん・・」
ビーっというブザーとともにミット打ちの最終ラウンドを終え、宮田はグローブを外しながらリングを降りた。
汗が滝のように流れてきて、全身がビショビショで気持ちが悪い。かけてあったタオルで顔を拭っていると、父親がツカツカと近寄ってきて、
「この後、メシでも食いに行かないか」
普段は練習の後、それぞれ別々の家に帰るだけの二人であったが、今日は珍しく父親が食事に誘ってきた。時間はもう8時を回っていて、いささか遅めの夕食であったが。
「いいけど。珍しいね。給料日だっけ?」
宮田が首にかけたタオルで拭っても拭っても湧き出てくる汗を拭きながら呟くと、父親はやっぱりか、というような表情で半ば呆れながら、
「全く・・今日はお前の誕生日だろ。肉でも食べに行こう」
「ああ・・・・そう・・・だったっけ・・・」
チラリとジムの日めくりカレンダーに目をやると、8月27日とバッチリ書いてあった。夏休み中ということもあって、曜日感覚や日付なんかが全然麻痺していたらしい。ただでさえこう言うものには疎いのに。
「よし、上がりだ一郎」
「・・OK・・父さん・・」
ビーっというブザーとともにミット打ちの最終ラウンドを終え、宮田はグローブを外しながらリングを降りた。
汗が滝のように流れてきて、全身がビショビショで気持ちが悪い。かけてあったタオルで顔を拭っていると、父親がツカツカと近寄ってきて、
「この後、メシでも食いに行かないか」
普段は練習の後、それぞれ別々の家に帰るだけの二人であったが、今日は珍しく父親が食事に誘ってきた。時間はもう8時を回っていて、いささか遅めの夕食であったが。
「いいけど。珍しいね。給料日だっけ?」
宮田が首にかけたタオルで拭っても拭っても湧き出てくる汗を拭きながら呟くと、父親はやっぱりか、というような表情で半ば呆れながら、
「全く・・今日はお前の誕生日だろ。肉でも食べに行こう」
「ああ・・・・そう・・・だったっけ・・・」
チラリとジムの日めくりカレンダーに目をやると、8月27日とバッチリ書いてあった。夏休み中ということもあって、曜日感覚や日付なんかが全然麻痺していたらしい。ただでさえこう言うものには疎いのに。