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思いがけない質問に、宮田は伏せていた目線を上に戻して蓼丸の方を見る。
蓼丸は宮田をじぃっと見つめ返した。
「だって宮田くんは女子人気高いのに、どうして・・」
「うるせぇな。理由なんてねぇよ」
宮田は不機嫌そうに言うと、
「好きになった理由じゃなくて、何が好きだったの?って聞いてるの」
蓼丸がまたクスクスと笑って言い返してきた。
そのからかうような態度が不愉快で、宮田はついつい反撃に出てしまう。
「何がって・・・そんな部分的なものじゃねぇだろ」
「じゃあ、全部好きだったってこと?」
「・・・・・そうだよ」
部屋がしんと静まり返ってしまった。
フラれたくせに、何を女々しく口走ってしまったのかと宮田は内心、また蓼丸に付け入る隙を与えてしまったことを後悔した。
蓼丸が口元を抑えて黙っているので、笑いを堪えているんだろうなんて思った矢先のことだった。
「いいなぁ」
蓼丸は口を抑えたまま、小さい声でつぶやいた。宮田は予想していなかった展開に少し動揺しながらも、無表情でそれを悟られないようにする。
「何がだよ」
そういって宮田は、テーブルに置かれたマグカップを片付けようと手に取った。
すると、蓼丸はハァと短いため息をついて、呟いた。
「高杉さんのこと、大好きだったんだぁ」
変にからかったり笑ったりしてくると思っていたのに、思いがけない蓼丸の言葉は、宮田の心を真っ直ぐに刺して来た。
目に何か熱いものがこみ上げてくる気がして、宮田はとっさに向きを変え、マグカップをシンクに持っていく。
「あれ?宮田くん?」
宮田が背を向けたままシンクから動かなくなったので、蓼丸が近づいて背中越しに顔を覗こうとしたときだった。
「やめろ」
宮田のただならぬ様子に、無理やり顔を覗き見るなんてことはしなかったものの、蓼丸はそのまま、背中越しに宮田を抱きしめた。
「・・・離れろよ」
「宮田くん、泣いてる」
「んなわけねぇだろ」
「じゃあ、顔を見せてよ」
「嫌だね」
そう言いながらも宮田は、蓼丸を振り解くことはしなかった。
二人はしばらくそのままの体勢で、やがて蓼丸は小さくため息をついてから、
「私が忘れさせてあげるって言ってるのに」
蓼丸は宮田をじぃっと見つめ返した。
「だって宮田くんは女子人気高いのに、どうして・・」
「うるせぇな。理由なんてねぇよ」
宮田は不機嫌そうに言うと、
「好きになった理由じゃなくて、何が好きだったの?って聞いてるの」
蓼丸がまたクスクスと笑って言い返してきた。
そのからかうような態度が不愉快で、宮田はついつい反撃に出てしまう。
「何がって・・・そんな部分的なものじゃねぇだろ」
「じゃあ、全部好きだったってこと?」
「・・・・・そうだよ」
部屋がしんと静まり返ってしまった。
フラれたくせに、何を女々しく口走ってしまったのかと宮田は内心、また蓼丸に付け入る隙を与えてしまったことを後悔した。
蓼丸が口元を抑えて黙っているので、笑いを堪えているんだろうなんて思った矢先のことだった。
「いいなぁ」
蓼丸は口を抑えたまま、小さい声でつぶやいた。宮田は予想していなかった展開に少し動揺しながらも、無表情でそれを悟られないようにする。
「何がだよ」
そういって宮田は、テーブルに置かれたマグカップを片付けようと手に取った。
すると、蓼丸はハァと短いため息をついて、呟いた。
「高杉さんのこと、大好きだったんだぁ」
変にからかったり笑ったりしてくると思っていたのに、思いがけない蓼丸の言葉は、宮田の心を真っ直ぐに刺して来た。
目に何か熱いものがこみ上げてくる気がして、宮田はとっさに向きを変え、マグカップをシンクに持っていく。
「あれ?宮田くん?」
宮田が背を向けたままシンクから動かなくなったので、蓼丸が近づいて背中越しに顔を覗こうとしたときだった。
「やめろ」
宮田のただならぬ様子に、無理やり顔を覗き見るなんてことはしなかったものの、蓼丸はそのまま、背中越しに宮田を抱きしめた。
「・・・離れろよ」
「宮田くん、泣いてる」
「んなわけねぇだろ」
「じゃあ、顔を見せてよ」
「嫌だね」
そう言いながらも宮田は、蓼丸を振り解くことはしなかった。
二人はしばらくそのままの体勢で、やがて蓼丸は小さくため息をついてから、
「私が忘れさせてあげるって言ってるのに」