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蓼丸は「うわぁ、宮田くんの部屋ってこんな感じなんだぁ」などと嬉しそうにハシャいでいる。
宮田は無造作にカバンを床に放り投げると、すぐさまヤカンに水を入れて湯を沸かした。
そして、戸棚から紅茶のティーパックを取り出し、マグカップに入れてお湯を注いですぐ、お茶が出るのを待たずにそのまま相手に渡した。
「あ、この紅茶おいしいんだよねぇ」
「・・・そう」
「宮田くんも好きなんだあ。意外だなぁ」
宮田自身はお茶は全く飲まず、普段は水かスポーツドリンク、牛乳しか摂取しない。
故に戸棚のティーパックは、宮田が飲むために置いてあったものでは、もちろんない。
「あ!ねぇ、これひょっとして高杉さんの置き土産?」
ティーパックのラベルを持ち上げて、蓼丸がニヤニヤしながら言う。
図星を刺された宮田は何も言い返すことができず、ただ押し黙る。
「まだ捨てずに持ってたんだぁ。宮田くん可愛いなぁ」
「うるせぇな。忘れてたんだよ。さっさと飲んで帰れよ」
宮田は同じ空間にいるのも嫌になり、床に置いたバッグからトレーニングウェアを取り出して、洗面所へ向かう。着ていた制服を脱いで洗面所に置いたままになっていたスウェットに着替え、ウェアと制服のシャツを洗濯機へ放り込んだ。
そのわずか数分の間に、蓼丸はワンルームの部屋をあれこれ物色していたらしい。
戻ったときに視界に入ったのは、ベッドサイドのチェストを漁る蓼丸の姿だった。
「何してんだよ。本当に警察を呼ぶぞ」
「なんか面白いものないかな〜って」
以前鷹村が無理やり部屋に押しかけて来たときに同様のセリフを吐いていたのを思い出した。
もし鷹村が女だったらこんな感じなのかと思うと宮田は一瞬気の遠くなる気がした。
「何もねぇよ。もう帰れ」
「あ、これ何?」
蓼丸はそう言うと、引き出しの中から何かを摘んで持ち上げた。
細めのチェーンに誕生石のついたブレスレットと、ピンク色のちりめんのお守り。
「これって・・・誰かさんにあげるはずだったやつ?それとも返されたりしたの?」
蓼丸が茶化すように言う。
宮田はその瞬間、自分の中でプチンと何かが切れる音が聞こえ、反吐が出そうなほどの嫌悪感をあらわにしながら相手に詰め寄って、その持ち上げた何かを乱暴に奪い取った。
「帰れって言ってんだろ!」
蓼丸が意外と強い力で握っていたらしい。
奪い取ったと同時に、ブレスレットのチェーンが切れて飛散した。
お守りと切れたブレスレットの一部は、宮田の掌に握り潰されている。
「・・・ごめん」
心底怒っている宮田を目にして蓼丸も流石に不味いと思ったのか、大人しく謝って来た。
宮田はもう少しで振り上げそうになった拳をぐっと押さえ、大きく息を吸う。
蓼丸は引き出しをしまって立ち上がり、ベッドの淵に座って呟いた。
「前から不思議だったんだけどさ」
「なんだよ」
宮田は蓼丸の顔すら見たくなく、目線を斜め下の方にそらして適当に返事をする。
「宮田くんって・・・高杉さんの何が好きだったの?」
蓼丸は「うわぁ、宮田くんの部屋ってこんな感じなんだぁ」などと嬉しそうにハシャいでいる。
宮田は無造作にカバンを床に放り投げると、すぐさまヤカンに水を入れて湯を沸かした。
そして、戸棚から紅茶のティーパックを取り出し、マグカップに入れてお湯を注いですぐ、お茶が出るのを待たずにそのまま相手に渡した。
「あ、この紅茶おいしいんだよねぇ」
「・・・そう」
「宮田くんも好きなんだあ。意外だなぁ」
宮田自身はお茶は全く飲まず、普段は水かスポーツドリンク、牛乳しか摂取しない。
故に戸棚のティーパックは、宮田が飲むために置いてあったものでは、もちろんない。
「あ!ねぇ、これひょっとして高杉さんの置き土産?」
ティーパックのラベルを持ち上げて、蓼丸がニヤニヤしながら言う。
図星を刺された宮田は何も言い返すことができず、ただ押し黙る。
「まだ捨てずに持ってたんだぁ。宮田くん可愛いなぁ」
「うるせぇな。忘れてたんだよ。さっさと飲んで帰れよ」
宮田は同じ空間にいるのも嫌になり、床に置いたバッグからトレーニングウェアを取り出して、洗面所へ向かう。着ていた制服を脱いで洗面所に置いたままになっていたスウェットに着替え、ウェアと制服のシャツを洗濯機へ放り込んだ。
そのわずか数分の間に、蓼丸はワンルームの部屋をあれこれ物色していたらしい。
戻ったときに視界に入ったのは、ベッドサイドのチェストを漁る蓼丸の姿だった。
「何してんだよ。本当に警察を呼ぶぞ」
「なんか面白いものないかな〜って」
以前鷹村が無理やり部屋に押しかけて来たときに同様のセリフを吐いていたのを思い出した。
もし鷹村が女だったらこんな感じなのかと思うと宮田は一瞬気の遠くなる気がした。
「何もねぇよ。もう帰れ」
「あ、これ何?」
蓼丸はそう言うと、引き出しの中から何かを摘んで持ち上げた。
細めのチェーンに誕生石のついたブレスレットと、ピンク色のちりめんのお守り。
「これって・・・誰かさんにあげるはずだったやつ?それとも返されたりしたの?」
蓼丸が茶化すように言う。
宮田はその瞬間、自分の中でプチンと何かが切れる音が聞こえ、反吐が出そうなほどの嫌悪感をあらわにしながら相手に詰め寄って、その持ち上げた何かを乱暴に奪い取った。
「帰れって言ってんだろ!」
蓼丸が意外と強い力で握っていたらしい。
奪い取ったと同時に、ブレスレットのチェーンが切れて飛散した。
お守りと切れたブレスレットの一部は、宮田の掌に握り潰されている。
「・・・ごめん」
心底怒っている宮田を目にして蓼丸も流石に不味いと思ったのか、大人しく謝って来た。
宮田はもう少しで振り上げそうになった拳をぐっと押さえ、大きく息を吸う。
蓼丸は引き出しをしまって立ち上がり、ベッドの淵に座って呟いた。
「前から不思議だったんだけどさ」
「なんだよ」
宮田は蓼丸の顔すら見たくなく、目線を斜め下の方にそらして適当に返事をする。
「宮田くんって・・・高杉さんの何が好きだったの?」