38.電話の向こう側
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「・・・というわけで・・・」
簡単な報告を済ませた後、あはは、と頭をかきながら3人を見ると、それぞれがポカンと口を開けて固まったままだった。
「まぁ・・・私は正直、ほっとしてる」
一番に口を開いたのはフーコだ。
「辛そうだったから、別れてくれてよかった」
「ちょ、ちょっとフーコ、その言い方・・・」
慌ててハルが諫めたものの、内心は同様の意見を持っているようだった。
「でもさ、宮田、絶対に納得してなさそう」
「あ〜プライド高そうだし」
「また戻ってくるとか思ってそう!」
別れたからって言いたい放題の3人に、奈々はどんな反応をしていいのやら、はははと乾いた笑いをしながら、グラスの水をぐいっと飲み干した。
「でもさ・・・・奈々は本当にいいの?」
「え?」
「別れたことが知れたら、宮田ファンが喜ぶんじゃない?マルとかさ」
“マル”とは、宮田のことが好きでチョロチョロとちょっかいをかけている蓼丸のことだ。
彼女のことで喧嘩したこともあるし、確かに複雑な心境ではある。
「私にはもう・・・とやかく言う権利はないし」
「またまた良い子ぶって〜」
「違うって!色々覚悟した上で・・・決めたことだから・・・」
「ふぅん、まぁ宮田がマルを選ぶとは思えないけど」
フーコはそんなふうに言ってくれたけど、こればかりは分からない。
もし彼女が宮田を大事にしてくれるのなら・・・
ボクシングを応援してくれるのなら・・・
そして宮田も、彼女を大切に思えるのなら・・・・
悔しいけど、自分には、何か言う権利はもうない。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
話し込んですっかり遅くなって、家に着いたら19時を回っていた。
遅くなるなら電話してよ!と文句を言いつつ、母は冷めたコロッケをもう一度揚げ直してくれた。
熱々サクサクのコロッケを食べながらテレビをぼうっと見る。
食べ終わった後は少し休んで、お風呂に入って、宿題と予習をして、寝る支度。
もう、鳴らない電話を待たなくても良い。
「宮田も、肩の荷が降りたかなぁ」
最近は深く深く眠れることが増えた。
こうして少しずつ、慣れていくんだと思った。
「・・・というわけで・・・」
簡単な報告を済ませた後、あはは、と頭をかきながら3人を見ると、それぞれがポカンと口を開けて固まったままだった。
「まぁ・・・私は正直、ほっとしてる」
一番に口を開いたのはフーコだ。
「辛そうだったから、別れてくれてよかった」
「ちょ、ちょっとフーコ、その言い方・・・」
慌ててハルが諫めたものの、内心は同様の意見を持っているようだった。
「でもさ、宮田、絶対に納得してなさそう」
「あ〜プライド高そうだし」
「また戻ってくるとか思ってそう!」
別れたからって言いたい放題の3人に、奈々はどんな反応をしていいのやら、はははと乾いた笑いをしながら、グラスの水をぐいっと飲み干した。
「でもさ・・・・奈々は本当にいいの?」
「え?」
「別れたことが知れたら、宮田ファンが喜ぶんじゃない?マルとかさ」
“マル”とは、宮田のことが好きでチョロチョロとちょっかいをかけている蓼丸のことだ。
彼女のことで喧嘩したこともあるし、確かに複雑な心境ではある。
「私にはもう・・・とやかく言う権利はないし」
「またまた良い子ぶって〜」
「違うって!色々覚悟した上で・・・決めたことだから・・・」
「ふぅん、まぁ宮田がマルを選ぶとは思えないけど」
フーコはそんなふうに言ってくれたけど、こればかりは分からない。
もし彼女が宮田を大事にしてくれるのなら・・・
ボクシングを応援してくれるのなら・・・
そして宮田も、彼女を大切に思えるのなら・・・・
悔しいけど、自分には、何か言う権利はもうない。
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話し込んですっかり遅くなって、家に着いたら19時を回っていた。
遅くなるなら電話してよ!と文句を言いつつ、母は冷めたコロッケをもう一度揚げ直してくれた。
熱々サクサクのコロッケを食べながらテレビをぼうっと見る。
食べ終わった後は少し休んで、お風呂に入って、宿題と予習をして、寝る支度。
もう、鳴らない電話を待たなくても良い。
「宮田も、肩の荷が降りたかなぁ」
最近は深く深く眠れることが増えた。
こうして少しずつ、慣れていくんだと思った。