36.ごめん
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「あ・・・」
お父さんを待たせてあると知った奈々は、反射的に宮田のコートから手を離したが、宮田が車の方を見て手をあげると、車はそのままブゥンと走り去ってしまった。
「あ、あれ?お、お父さんは?」
「いいよ。送ってもらっただけだから」
宮田は引っ張られてバランスのおかしくなった袖をまくり直して整えてから、再び両手をポケットに突っ込んで、
「で?」
と奈々をひと睨みした。
「え?」
ちょっとした威圧感に怯み、すっとぼけたリアクションしか出てこない。
「どこか行きたいのか?」
「あ・・・あ、あ、その、うちのお父さん今日まで休みだから、家より外の方がいいかなって・・・」
「あんまり時間ねぇから、駅前でいいか?」
三ヶ日を過ぎればボチボチ営業を再開する喫茶店もあるだろうとの宮田の考えだったが、奈々は正直、あまり人の多いところには行きたくなかった。
「そ、そこの公園でも・・・」
別に狙ったわけじゃないけど、ついた先はこの公園。
宮田と気持ちを確かめ合った、この公園。
喧嘩して、変な人に絡まれた時、宮田に助けてもらったこの公園。
家まで送ってもらう時、すぐに家に帰りたくなくて寄り道してたこの公園。
ここで私はこれから、大事な話をする。
お父さんを待たせてあると知った奈々は、反射的に宮田のコートから手を離したが、宮田が車の方を見て手をあげると、車はそのままブゥンと走り去ってしまった。
「あ、あれ?お、お父さんは?」
「いいよ。送ってもらっただけだから」
宮田は引っ張られてバランスのおかしくなった袖をまくり直して整えてから、再び両手をポケットに突っ込んで、
「で?」
と奈々をひと睨みした。
「え?」
ちょっとした威圧感に怯み、すっとぼけたリアクションしか出てこない。
「どこか行きたいのか?」
「あ・・・あ、あ、その、うちのお父さん今日まで休みだから、家より外の方がいいかなって・・・」
「あんまり時間ねぇから、駅前でいいか?」
三ヶ日を過ぎればボチボチ営業を再開する喫茶店もあるだろうとの宮田の考えだったが、奈々は正直、あまり人の多いところには行きたくなかった。
「そ、そこの公園でも・・・」
別に狙ったわけじゃないけど、ついた先はこの公園。
宮田と気持ちを確かめ合った、この公園。
喧嘩して、変な人に絡まれた時、宮田に助けてもらったこの公園。
家まで送ってもらう時、すぐに家に帰りたくなくて寄り道してたこの公園。
ここで私はこれから、大事な話をする。