35.赤い札
お名前設定はこちら
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「オレだったら、正月はこうやって、ダラダラテレビみながら家族と過ごしてぇけどな」
「私も・・・。だから、一人だなんて寂しいじゃないって思ったんだけど・・・」
“大晦日って普通、家族で一緒に年越し蕎麦食べて、紅白見てさ・・・”
奈々がそう言った時、宮田は無表情だった。
一体何を言っているのかわからない、とでも言いたいかのように。
宮田の当たり前と、奈々の当たり前の間には、大きな隔たりがあるようだった。
「でも、アイツがテレビ見ながらビール食らってダラダラしてる絵なんて全く浮かばねぇな。正月でも朝から晩までトレーニングしてそうだぜ」
「たっちゃんは気ィ抜きすぎじゃない・・・」
「最低限のことはやってるっての!でも正月だぜ?3が日くらい許せよ、次の試合も決まってねぇしよ」
そういって木村はまたグビグビとビールを飲み干した。
普段は全くお酒を飲まなくなったので、酒に弱くなったらしい。
1缶あけただけでも少しほおが赤くなっている。
奈々はそんなダラけた木村を見てホッとした。
と同時に、心の中に何かザラついたものが張り付いた。
見ないフリをしていたものが眼前に現れて、そっと赤い札を差し出す。
ああ・・・・そうだったのか。
その後の木村との会話は全然頭に入ってこなかった。
「私も・・・。だから、一人だなんて寂しいじゃないって思ったんだけど・・・」
“大晦日って普通、家族で一緒に年越し蕎麦食べて、紅白見てさ・・・”
奈々がそう言った時、宮田は無表情だった。
一体何を言っているのかわからない、とでも言いたいかのように。
宮田の当たり前と、奈々の当たり前の間には、大きな隔たりがあるようだった。
「でも、アイツがテレビ見ながらビール食らってダラダラしてる絵なんて全く浮かばねぇな。正月でも朝から晩までトレーニングしてそうだぜ」
「たっちゃんは気ィ抜きすぎじゃない・・・」
「最低限のことはやってるっての!でも正月だぜ?3が日くらい許せよ、次の試合も決まってねぇしよ」
そういって木村はまたグビグビとビールを飲み干した。
普段は全くお酒を飲まなくなったので、酒に弱くなったらしい。
1缶あけただけでも少しほおが赤くなっている。
奈々はそんなダラけた木村を見てホッとした。
と同時に、心の中に何かザラついたものが張り付いた。
見ないフリをしていたものが眼前に現れて、そっと赤い札を差し出す。
ああ・・・・そうだったのか。
その後の木村との会話は全然頭に入ってこなかった。