35.赤い札
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年末は大掃除と買い出し。
大晦日は家族で紅白を見ながら、年越し蕎麦を食べて。
お正月はお雑煮やおせちを食べながら、年始の特番を見てダラダラ。
日本の半分くらいの家庭はきっと、こんな典型的な正月を過ごしているんじゃないかなと思う。
そして典型的な家族が近所にもう一つ。
正月恒例“高杉家”と“木村家”の新年ご挨拶宴会。
今年は高杉家に木村家がやってくることになった。
「たっちゃん、明けましておめでとう」
「お〜おめっとさん」
「ねー、ゲームやろうよ」
「おっ?ファイナルファイトか?もう買ったのかよ」
「ふっふっふ。発売日にね!」
玄関での挨拶もそこそこに、リビングでゲームを始める二人。
母親同士は準備していた料理と持ち寄った料理をそれぞれ食卓に並べ、父親同士はもうすでに缶ビールで乾杯を始めている。
ゲームを1時間ほどした後で、駅伝が見たいという親のリクエストに答えテレビを譲った。奈々と木村はダイニングの食卓で適当に料理をつまみながら世間話をする。
「そういや宮田は正月どうしてんだ?」
木村が何となしに聞くと、奈々の表情が一瞬曇った。
「ん?どうした?」
「い、いや・・・宮田、なんか・・・一人で過ごしてるみたいだけど」
「へ?親父さんは?」
「一人で実家に帰ったとかなんとか」
木村は少し目線を上に上げて考え事をしてから、親には聞こえないように奈々に耳打ちするように近づいて、
「だったらお前、一緒にいてやりゃ良かったのによ」
「で、でも・・・正月に家族を置いて彼氏のところにはいけないかなぁ・・・」
「そうかぁ?」
「だって、正月ってやっぱり家族で過ごしてナンボみたいなところあるじゃない」
「まぁ・・そうだなぁ・・」
木村はヒソヒソ話の体勢から体を離して、椅子に持たれながらビールをグイッと煽った。どうやら正月は酒類も解禁らしい。
「まぁ、それにアイツにとっちゃ、一人の方が気が楽かもしれないよな」
木村の言葉が真っ直ぐ頭に突き刺さる。
“色々面倒臭ぇんだよ。オレは一人がいい”
まさにその通りだったからだ。
大晦日は家族で紅白を見ながら、年越し蕎麦を食べて。
お正月はお雑煮やおせちを食べながら、年始の特番を見てダラダラ。
日本の半分くらいの家庭はきっと、こんな典型的な正月を過ごしているんじゃないかなと思う。
そして典型的な家族が近所にもう一つ。
正月恒例“高杉家”と“木村家”の新年ご挨拶宴会。
今年は高杉家に木村家がやってくることになった。
「たっちゃん、明けましておめでとう」
「お〜おめっとさん」
「ねー、ゲームやろうよ」
「おっ?ファイナルファイトか?もう買ったのかよ」
「ふっふっふ。発売日にね!」
玄関での挨拶もそこそこに、リビングでゲームを始める二人。
母親同士は準備していた料理と持ち寄った料理をそれぞれ食卓に並べ、父親同士はもうすでに缶ビールで乾杯を始めている。
ゲームを1時間ほどした後で、駅伝が見たいという親のリクエストに答えテレビを譲った。奈々と木村はダイニングの食卓で適当に料理をつまみながら世間話をする。
「そういや宮田は正月どうしてんだ?」
木村が何となしに聞くと、奈々の表情が一瞬曇った。
「ん?どうした?」
「い、いや・・・宮田、なんか・・・一人で過ごしてるみたいだけど」
「へ?親父さんは?」
「一人で実家に帰ったとかなんとか」
木村は少し目線を上に上げて考え事をしてから、親には聞こえないように奈々に耳打ちするように近づいて、
「だったらお前、一緒にいてやりゃ良かったのによ」
「で、でも・・・正月に家族を置いて彼氏のところにはいけないかなぁ・・・」
「そうかぁ?」
「だって、正月ってやっぱり家族で過ごしてナンボみたいなところあるじゃない」
「まぁ・・そうだなぁ・・」
木村はヒソヒソ話の体勢から体を離して、椅子に持たれながらビールをグイッと煽った。どうやら正月は酒類も解禁らしい。
「まぁ、それにアイツにとっちゃ、一人の方が気が楽かもしれないよな」
木村の言葉が真っ直ぐ頭に突き刺さる。
“色々面倒臭ぇんだよ。オレは一人がいい”
まさにその通りだったからだ。