32.雪の華
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2学期が終わって、友人とクリスマスパーティーをして、家でケーキを食べて。
宮田の試合は明日、というところまで迫ってきていた。
終業式に学校で見かけたけど、とてもじゃないけど話しかける雰囲気ではなく。
げっそりとまではいかないけど、普段よりは引き締まった顔になっていて、目を合わせようものなら雷に打たれてしまうのではないかというような、ピリピリしたムードを漂わせていた。
噂によると授業中は先生すら宮田には当てなかったらしい。
クリスマスイブを過ぎてしまうと、クリスマス当日にはもうお祭りが終わってしまった感があるのはなぜだろう。
飾りを片付けるのは明日でもいいのに、奈々は机の上に飾っている小さなクリスマスツリーを、もはや箱に入れてしまいたい衝動に駆られていた。
何もないクリスマス・・・なんて言ったら、昨日一緒に騒いで遊んでたフーコたちに失礼だよね。
ツリー下のレンガに腰掛けるサンタの小さな人形を、ピンと指で弾く。
コツンと硬い、木の音がする。
ドアをノックすると同時に、母親が「電話よぉ」と言いながら部屋に入ってきた。
全くいつになったら、ノックの後の返事を待ってドアを開けられるのだろうか。
昨日パーティーが終わったと思ったらもう初詣の相談かな?なんて、フーコの顔を思い浮かべながら子機を受け取ると、
「オレだけど」
「・・・・えっ、み、宮田!?あ、あれっ・・・試合は?」
「明日」
「いや、知ってるけど・・・」
慌てふためく奈々の声を聞いた宮田はふぅと呆れたようにため息をつく。
「今日、軽量は無事にパスしたよ」
「けいりょう?・・・ああ、体重のこと?お、おめでとう」
「祝うのは気が早いぜ。肝心の試合は明日だからな」
「う、うん」
無事に計量をパスしたと言うことは、少なからず何かを腹の中に入れたのだろう。
ピリピリしたムードは相変わらずだったが、声の感じから調子が良さそうなのは伝わってきた。
「明日・・・見に行くから」
「あぁ。ありがとな」
「ううん」
「帰りは遅くなるから気をつけて帰れよ」
「大丈夫。お母さんと見に行くから」
「そっか」
宮田が少し笑ったような返事をするので、奈々の緊張も少し解け、そこから母親があしたのジョー世代であることや、大昔にボクシングの試合を見に行ったことがあるらしいなど、たわいもない世間話が口から躍り出る。
「って・・・ご、ごめん。明日試合なのに変な話ばっか」
「いや、もうあと寝るだけだからな」
「そっか。じゃ、じゃあ・・・おやすみ」
そう言って奈々が電話を切ろうとした時、
宮田の試合は明日、というところまで迫ってきていた。
終業式に学校で見かけたけど、とてもじゃないけど話しかける雰囲気ではなく。
げっそりとまではいかないけど、普段よりは引き締まった顔になっていて、目を合わせようものなら雷に打たれてしまうのではないかというような、ピリピリしたムードを漂わせていた。
噂によると授業中は先生すら宮田には当てなかったらしい。
クリスマスイブを過ぎてしまうと、クリスマス当日にはもうお祭りが終わってしまった感があるのはなぜだろう。
飾りを片付けるのは明日でもいいのに、奈々は机の上に飾っている小さなクリスマスツリーを、もはや箱に入れてしまいたい衝動に駆られていた。
何もないクリスマス・・・なんて言ったら、昨日一緒に騒いで遊んでたフーコたちに失礼だよね。
ツリー下のレンガに腰掛けるサンタの小さな人形を、ピンと指で弾く。
コツンと硬い、木の音がする。
ドアをノックすると同時に、母親が「電話よぉ」と言いながら部屋に入ってきた。
全くいつになったら、ノックの後の返事を待ってドアを開けられるのだろうか。
昨日パーティーが終わったと思ったらもう初詣の相談かな?なんて、フーコの顔を思い浮かべながら子機を受け取ると、
「オレだけど」
「・・・・えっ、み、宮田!?あ、あれっ・・・試合は?」
「明日」
「いや、知ってるけど・・・」
慌てふためく奈々の声を聞いた宮田はふぅと呆れたようにため息をつく。
「今日、軽量は無事にパスしたよ」
「けいりょう?・・・ああ、体重のこと?お、おめでとう」
「祝うのは気が早いぜ。肝心の試合は明日だからな」
「う、うん」
無事に計量をパスしたと言うことは、少なからず何かを腹の中に入れたのだろう。
ピリピリしたムードは相変わらずだったが、声の感じから調子が良さそうなのは伝わってきた。
「明日・・・見に行くから」
「あぁ。ありがとな」
「ううん」
「帰りは遅くなるから気をつけて帰れよ」
「大丈夫。お母さんと見に行くから」
「そっか」
宮田が少し笑ったような返事をするので、奈々の緊張も少し解け、そこから母親があしたのジョー世代であることや、大昔にボクシングの試合を見に行ったことがあるらしいなど、たわいもない世間話が口から躍り出る。
「って・・・ご、ごめん。明日試合なのに変な話ばっか」
「いや、もうあと寝るだけだからな」
「そっか。じゃ、じゃあ・・・おやすみ」
そう言って奈々が電話を切ろうとした時、