32.雪の華
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「なぁ、アイツら最近どうなってるか聞いてるか?」
「ん?アイツらって?」
「宮田と奈々だよ」
「いや、別に・・・」
木村と青木がロッカーで着替えながら世間話をする。
幸にして鷹村はすでに下で会長に指導を受けているようで、他には誰もいない。
「こないだアイツ、オレの店に来たんだよ。なんか元気なくてよ」
「へぇえ・・・」
「で・・」
青木がここでゴクリと唾を飲み込み、
「なんか、吐きそうにしててよ・・・」
「・・・おい、そりゃどう言う意味だよ」
「どう言うってお前、吐くっていやぁデキちゃっ・・」
「んなわけねぇだろ!?高校生だぞ!?」
木村が食い気味に話を遮ると、青木は面食らってその次の言葉を失った。
「そ、そ、そんなわけねぇだろ。おま、おまえ、それ」
木村も動揺を隠せず、もはや何が言いたいのか主語も定まらない。
「まぁでも、ラーメンは全部平らげて帰ったけど、漫画も読まねぇで」
「そういや、オレんとこにもしばらく借りにこないな・・・」
何かがあるのかと心配になり、今日にでも話を聞いてやろうなんて考えた矢先に、木村は突然宮田に言われた言葉を思い出した。
“アンタのせいだ”
ドキッと心臓に一撃を喰らった気がして、思わず思考を止める。何かあるとすぐ兄貴面してしゃしゃり出てくる、言われてみれば確かにずっと、そんなスタンスで二人のそばにいたかもしれない。
「ま、まぁ・・二人のことだから、そっとしておこうぜ」
「なんだよ、心配にならねぇのかよ」
青木が面白くなさそうに言うと、木村は苦笑いをしながら、
「オレらが出てくと余計、こじれるかもしれねぇしな」
すると青木はやや面白くなさそうな表情で答えた。
「オレらってか、お前がな」
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