31.嘘
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「っしゃーせー!・・・っと、奈々じゃねぇか」
「久しぶりだね、まーくん」
「いい時間帯に来るなぁ。今なら誰もいねぇしサービスしてやるよ!」
「じゃあチャーシューおまけね」
「へいへい」
帰宅途中で青木の働くラーメン屋に立ち寄った目的は、試験中に読めなかった漫画の続きを読むことだった。16時すぎという微妙な時間帯には客もまばらで、食後も混み出すまでは自宅さながらにくつろいで漫画を読んでいられる。
「へいお待ち」
「わあ、美味しそう。いただきまーす」
奈々はそう言って割り箸を持ち、黙々と立つ湯気を鼻腔いっぱいに吸い込んだ。
すると何故だか急に、減量中であろう宮田のことが思い出され、目の前のカロリーモンスターがやたら暴力的な存在感を醸し出してきた。
「うっ・・・」
一瞬吐き気がして、口を抑える。
「ん?な、なんだ?どうした?」
その様子に驚いて、青木が慌てた様子で聞く。
奈々はとっさに口を覆った手を後ろに回して、
「い、いや、ゆ、湯気を吸い込んだみたいでさっ」
「そ、そうかよ・・・」
「よおし食べよ!今度こそいただきまぁす!」
大好物の、青木が作るラーメン。
今日は特別にチャーシューも乗っているのに、なんだか味がしない。
宮田は今頃、お腹を空かせながら練習しているのかな。
それなのに私はこんなコッテリしたものをお腹いっぱい食べて。
そんなことを考えながら食べるラーメン、当然ながら何の味もしない。
おいしいふりをしながら麺を喉に流し込んだ。
「はぁ・・・なんか食べすぎて苦しい・・・漫画借りて帰っていい?」
「おー、まあ先週のだったらいいぞ。終わったら木村にでも渡しとけよ」
「うーん。じゃ、また来るね」
のんびり漫画を読む気分にもなれず、食後はすぐに帰宅。
自転車で10分ほどの距離じゃ、運動にもならない。
ラーメンを食べて帰ってきたことを母親に告げ、さっさと自室に戻ってベッドに寝転がる。
借りてきた漫画も開かずに、そのまま寝入ってしまった。
途中で母親が「豚になるわよ」なんて言いながら部屋に入ってきたけど。
もう、制服を着替える気力もなかった。
「っしゃーせー!・・・っと、奈々じゃねぇか」
「久しぶりだね、まーくん」
「いい時間帯に来るなぁ。今なら誰もいねぇしサービスしてやるよ!」
「じゃあチャーシューおまけね」
「へいへい」
帰宅途中で青木の働くラーメン屋に立ち寄った目的は、試験中に読めなかった漫画の続きを読むことだった。16時すぎという微妙な時間帯には客もまばらで、食後も混み出すまでは自宅さながらにくつろいで漫画を読んでいられる。
「へいお待ち」
「わあ、美味しそう。いただきまーす」
奈々はそう言って割り箸を持ち、黙々と立つ湯気を鼻腔いっぱいに吸い込んだ。
すると何故だか急に、減量中であろう宮田のことが思い出され、目の前のカロリーモンスターがやたら暴力的な存在感を醸し出してきた。
「うっ・・・」
一瞬吐き気がして、口を抑える。
「ん?な、なんだ?どうした?」
その様子に驚いて、青木が慌てた様子で聞く。
奈々はとっさに口を覆った手を後ろに回して、
「い、いや、ゆ、湯気を吸い込んだみたいでさっ」
「そ、そうかよ・・・」
「よおし食べよ!今度こそいただきまぁす!」
大好物の、青木が作るラーメン。
今日は特別にチャーシューも乗っているのに、なんだか味がしない。
宮田は今頃、お腹を空かせながら練習しているのかな。
それなのに私はこんなコッテリしたものをお腹いっぱい食べて。
そんなことを考えながら食べるラーメン、当然ながら何の味もしない。
おいしいふりをしながら麺を喉に流し込んだ。
「はぁ・・・なんか食べすぎて苦しい・・・漫画借りて帰っていい?」
「おー、まあ先週のだったらいいぞ。終わったら木村にでも渡しとけよ」
「うーん。じゃ、また来るね」
のんびり漫画を読む気分にもなれず、食後はすぐに帰宅。
自転車で10分ほどの距離じゃ、運動にもならない。
ラーメンを食べて帰ってきたことを母親に告げ、さっさと自室に戻ってベッドに寝転がる。
借りてきた漫画も開かずに、そのまま寝入ってしまった。
途中で母親が「豚になるわよ」なんて言いながら部屋に入ってきたけど。
もう、制服を着替える気力もなかった。