27.優しいから
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「宮田・・さ・・」
下を向いたまま顔を上げない奈々が絞り出すように呟いたので、宮田は「なんだよ」と小さく答える。
「今日行った・・・レストランの猫・・・助けた日って・・・・覚えてる?」
「・・・・お前何言って・・・」
「ちゃんと答えて」
すると宮田は面倒臭そうにため息をついて、「知るかよ」と答えた。
「そうだよね・・・私と付き合った日も、その程度なんだよね」
「は?」
「宮田にとって私は・・・かわいそうな猫を助けた日でしかないんだよ」
自分でも明らかに、因縁つけているだけの意地悪な誘導尋問だとは気がついていた。
だが、その中に何か、とても重要なものが隠されている気がして、止まらなくなってしまっていた。
「何が言いたい」
奈々の態度を前に、宮田も苛立ちを隠そうともせずに、強い口調で反撃してきた。
「私・・・・要らない」
「何を」
「プレゼントなんて・・・要らない」
奈々は手首に巻かれたブレスレットを、もう一つの掌で押さえながら言った。心臓の鼓動がそのまま移ってしまって、微かに震えている。
「プレゼントなんて要らないから・・・もっと一緒に居たいよ・・・もっと話をしたり、手を繋いだりしたい・・・」
宮田は一瞬ハッとしたような顔をしたが、すぐさま目を伏せがちにして、
「それができないのは・・・分かってるだろ」
と小さく答えた。
奈々は溢れてくる涙を拭うこともせず、震えて暴れ出しそうな手首を押さえながら続けた。
「分かってるよ・・・知ってるよ。ずっと言わないでいたけど、宮田が気付いてるのも知ってる。知ってるのに出来ない苦しさも分かってる!」
宮田は今度は何も言い返す言葉がなく、黙って奈々の反応を見ている。
1年前と同じ枯れた空気が鼻腔を通っていくが、雰囲気はなかなかに湿っぽい。
「私は宮田が好きだから・・・応援したいからって・・・我慢してた。だけど・・・宮田は私のことが・・・・・」
この次の言葉を言ってしまえば。
きっと、いろいろな迷いにアンサーを突きつけることになる。
奈々は一瞬たじろぎ、悩んだが、掌の中でブレスレットが皮膚を突き刺すのを感じて、続けた。
「宮田は私のことが、好きじゃないでしょう?」
下を向いたまま顔を上げない奈々が絞り出すように呟いたので、宮田は「なんだよ」と小さく答える。
「今日行った・・・レストランの猫・・・助けた日って・・・・覚えてる?」
「・・・・お前何言って・・・」
「ちゃんと答えて」
すると宮田は面倒臭そうにため息をついて、「知るかよ」と答えた。
「そうだよね・・・私と付き合った日も、その程度なんだよね」
「は?」
「宮田にとって私は・・・かわいそうな猫を助けた日でしかないんだよ」
自分でも明らかに、因縁つけているだけの意地悪な誘導尋問だとは気がついていた。
だが、その中に何か、とても重要なものが隠されている気がして、止まらなくなってしまっていた。
「何が言いたい」
奈々の態度を前に、宮田も苛立ちを隠そうともせずに、強い口調で反撃してきた。
「私・・・・要らない」
「何を」
「プレゼントなんて・・・要らない」
奈々は手首に巻かれたブレスレットを、もう一つの掌で押さえながら言った。心臓の鼓動がそのまま移ってしまって、微かに震えている。
「プレゼントなんて要らないから・・・もっと一緒に居たいよ・・・もっと話をしたり、手を繋いだりしたい・・・」
宮田は一瞬ハッとしたような顔をしたが、すぐさま目を伏せがちにして、
「それができないのは・・・分かってるだろ」
と小さく答えた。
奈々は溢れてくる涙を拭うこともせず、震えて暴れ出しそうな手首を押さえながら続けた。
「分かってるよ・・・知ってるよ。ずっと言わないでいたけど、宮田が気付いてるのも知ってる。知ってるのに出来ない苦しさも分かってる!」
宮田は今度は何も言い返す言葉がなく、黙って奈々の反応を見ている。
1年前と同じ枯れた空気が鼻腔を通っていくが、雰囲気はなかなかに湿っぽい。
「私は宮田が好きだから・・・応援したいからって・・・我慢してた。だけど・・・宮田は私のことが・・・・・」
この次の言葉を言ってしまえば。
きっと、いろいろな迷いにアンサーを突きつけることになる。
奈々は一瞬たじろぎ、悩んだが、掌の中でブレスレットが皮膚を突き刺すのを感じて、続けた。
「宮田は私のことが、好きじゃないでしょう?」