27.優しいから
お名前設定はこちら
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「大袈裟だな」
宮田が珍しく表情を崩して照れ臭そうに答えると、
「迷子になってたこの子を拾って、首輪の住所を見て届けてくれたのよ」
「へ、へぇ・・・」
「なんだよその目」
「宮田、猫好きなんだ?」
「・・・別に特別な思い入れはないけど」
宮田から猫の話を聞いたことなど一度もない。
付き合ってもうすぐ1年になるのに、知らないこともあるもんだなと思っていると、
「その日は土砂降りでね。私たちもシュガーがいなくなって2日も経っていたから気が気じゃなくて・・・そしたら宮田くんがずぶ濡れになったこの子を抱えて来てくれたの」
「へ、へぇ・・・」
あまりにも意外すぎて先ほどと同じリアクションしか出てこない。
宮田はなんだか気恥ずかしいのか、片手で頬杖をついて明後日の方向を見ている。
その様子がおかしくて、思わずちょっと茶化すような声で奈々が言う。
「優しいところあるじゃん、宮田」
「そんなんじゃねぇよ・・・ただ・・・」
宮田は目の前のコップにある水を一口飲んで、
「なんか、寂しそうな顔してたから・・」
そう言うと、静かにコップを置いて、足にまとわりつくシュガーの頭をもう一度撫でた。
「・・・見捨てておけなかったんだ?」
「・・・そんなとこだな」
宮田はまたやれやれと言った表情で頬杖をついた。
奈々は何か、心の奥の深いところに重たいものを感じ、本来茶化して終わるはずだった会話の着地点を見失いかけた。
宮田は優しいから・・・・
寂しい顔をしているモノを・・・
放っておけない・・・・
宮田が珍しく表情を崩して照れ臭そうに答えると、
「迷子になってたこの子を拾って、首輪の住所を見て届けてくれたのよ」
「へ、へぇ・・・」
「なんだよその目」
「宮田、猫好きなんだ?」
「・・・別に特別な思い入れはないけど」
宮田から猫の話を聞いたことなど一度もない。
付き合ってもうすぐ1年になるのに、知らないこともあるもんだなと思っていると、
「その日は土砂降りでね。私たちもシュガーがいなくなって2日も経っていたから気が気じゃなくて・・・そしたら宮田くんがずぶ濡れになったこの子を抱えて来てくれたの」
「へ、へぇ・・・」
あまりにも意外すぎて先ほどと同じリアクションしか出てこない。
宮田はなんだか気恥ずかしいのか、片手で頬杖をついて明後日の方向を見ている。
その様子がおかしくて、思わずちょっと茶化すような声で奈々が言う。
「優しいところあるじゃん、宮田」
「そんなんじゃねぇよ・・・ただ・・・」
宮田は目の前のコップにある水を一口飲んで、
「なんか、寂しそうな顔してたから・・」
そう言うと、静かにコップを置いて、足にまとわりつくシュガーの頭をもう一度撫でた。
「・・・見捨てておけなかったんだ?」
「・・・そんなとこだな」
宮田はまたやれやれと言った表情で頬杖をついた。
奈々は何か、心の奥の深いところに重たいものを感じ、本来茶化して終わるはずだった会話の着地点を見失いかけた。
宮田は優しいから・・・・
寂しい顔をしているモノを・・・
放っておけない・・・・