48.クラクション
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「ねぇ、今日駅前にふわふわメロンパンが来てるらしいよ」
「え〜行きたい!ね、奈々も行こうよ?」
放課後。
フーコたちが駅前の移動販売車の話で盛り上がっている横で、奈々はギクリと鈍い反応を見せながら、
「わ、私は今日はパス」
「どうしてよぉ。付き合い悪いなあ」
「お、お母さんと待ち合わせしてて」
「じゃあお母さんも一緒に・・」
「ああ、う、うん。ま、また今度ね!ごめん!」
奈々はそう言うなり自転車を思い切り漕いで帰りの一行から離れていった。
なんとも歯切れの悪い断り文句に、一同はポカンとその小さくなった背中を見つめている。
「なんか、怪しいわね」
フーコが鋭く呟いたものの、トモとハルの世間話にかき消されてしまった。
ーーーーーーーー
昨日は勢いで乗り込んだ病室。今日はなんだか、昨日とは違った緊張感がある。
4人部屋に1枚だけ掲げられた名札。
病室のドアは空いているが、宮田のベッドの周りのカーテンは引かれていて、中の様子はわからない。
ゴホンと小さく咳払いをして、「お邪魔します・・」と小さく呟きながらカーテンを開けると、掛け布団が乱れたベッドの上には誰もいなかった。
「あ、あれ?」
慌てて病室の外の名札を確認するも、間違いなく昨日と同じ号室で、間違いなく「宮田」と書いてある。
さてどうしたものかとドアの前でぼうっと突っ立っていると、後ろから「おい」と声をかけられたと同時に、丸めた紙のようなもので頭を叩かれた。
「あっ・・・み、宮田」
「何してんだよ」
「何って・・・ベッドにいないから」
「検査に行ってたんだよ」
「あ、そ、そうなのね」
「まぁ座れよ」
宮田に促されてベッドの方へ行く。後ろをついてくる宮田が妙に遅いと思っていたら、松葉杖をついていた。捻挫したとは聞いていたが、症状は相当重たいらしかった。
宮田はベッドまでたどり着くとカーテンをきちんと閉めて、慣れない松葉杖をつきながらベッドサイドに腰掛けた。足を片足ずつベッドに乗せ、そしてリクライニングを起こすと、背中をもたれてゆっくりと腕を組み、じっと奈々を見つめた。
奈々は宮田が何かを言うのかと思ってそのままじっと見つめ返してみたが、会話が始まる気配が一向にない。
痺れを切らして、奈々の方から声をかける。
「え〜行きたい!ね、奈々も行こうよ?」
放課後。
フーコたちが駅前の移動販売車の話で盛り上がっている横で、奈々はギクリと鈍い反応を見せながら、
「わ、私は今日はパス」
「どうしてよぉ。付き合い悪いなあ」
「お、お母さんと待ち合わせしてて」
「じゃあお母さんも一緒に・・」
「ああ、う、うん。ま、また今度ね!ごめん!」
奈々はそう言うなり自転車を思い切り漕いで帰りの一行から離れていった。
なんとも歯切れの悪い断り文句に、一同はポカンとその小さくなった背中を見つめている。
「なんか、怪しいわね」
フーコが鋭く呟いたものの、トモとハルの世間話にかき消されてしまった。
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昨日は勢いで乗り込んだ病室。今日はなんだか、昨日とは違った緊張感がある。
4人部屋に1枚だけ掲げられた名札。
病室のドアは空いているが、宮田のベッドの周りのカーテンは引かれていて、中の様子はわからない。
ゴホンと小さく咳払いをして、「お邪魔します・・」と小さく呟きながらカーテンを開けると、掛け布団が乱れたベッドの上には誰もいなかった。
「あ、あれ?」
慌てて病室の外の名札を確認するも、間違いなく昨日と同じ号室で、間違いなく「宮田」と書いてある。
さてどうしたものかとドアの前でぼうっと突っ立っていると、後ろから「おい」と声をかけられたと同時に、丸めた紙のようなもので頭を叩かれた。
「あっ・・・み、宮田」
「何してんだよ」
「何って・・・ベッドにいないから」
「検査に行ってたんだよ」
「あ、そ、そうなのね」
「まぁ座れよ」
宮田に促されてベッドの方へ行く。後ろをついてくる宮田が妙に遅いと思っていたら、松葉杖をついていた。捻挫したとは聞いていたが、症状は相当重たいらしかった。
宮田はベッドまでたどり着くとカーテンをきちんと閉めて、慣れない松葉杖をつきながらベッドサイドに腰掛けた。足を片足ずつベッドに乗せ、そしてリクライニングを起こすと、背中をもたれてゆっくりと腕を組み、じっと奈々を見つめた。
奈々は宮田が何かを言うのかと思ってそのままじっと見つめ返してみたが、会話が始まる気配が一向にない。
痺れを切らして、奈々の方から声をかける。