29.忘れねぇから
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木村が襲撃してきた日の翌日。
宮田は朝から早速奈々のクラスへ顔を出した。
「高杉」
奈々はいつも始業ギリギリにクラスに到着する。
カバンを机の上に下ろして教科書でも出そうかとしていた時、いきなり後ろから宮田に話しかけられて飛び上がるほどに驚いた。
宮田が自分のクラスに顔を出すこと自体がなかなか珍しいからだ。
「!っと・・ど、どうし・・・」
「いいから来いよ」
「え、ちょっとカバン」
「全部持って来い。早退だ」
「は、はぁ?」
宮田は無理やり奈々の手を引っ張り教室から出ていこうとする。
ふと見ると宮田もカバンを下げたままだ。
授業をサボって学校を抜け出す気が満々であることはひと目でわかる。
手を引かれて学校を後にする。
背中からHR開始を告げるチャイムが響く。
誰もいない通学路を自転車の二人乗りで通り過ぎていく朝。
途中からの道のりで気がついてはいたが、ついた先は宮田の家だった。
宮田は部屋に入ってカバンを投げ捨てるように床に置くと、小さく「座れよ」と言った。ここまで連れてこられては抗える雰囲気でもなく、奈々もカバンを下ろしてその場に座った。
「昨日の夜、木村さんが家に来た」
宮田ベッドに背を預けながら、奈々の方を見ずに言い放って、それから首だけを向けて続けた。
「お前と別れたことを説明しろと言われた」
宮田は明らかに不機嫌な顔をしている。それどころか、怒っているのが一目瞭然だ。
奈々は思わず気圧されて顔を背ける。
「アイツに、そう言ったんだな」
「・・・そうだよ」
顔を背けながらも肯定すると、宮田は怒りを抑えた低い深呼吸を一度してから、黙り込んでしまった。
ベッドサイドの目覚まし時計から規則正しい秒針の音が響いて、部屋にこだまする。
チラリと時計を見たらもう9時を過ぎていて、これは担任から家に電話が入っていてもおかしくないだろうな、なんて思っていた矢先、宮田の家の電話が鳴った。
宮田は朝から早速奈々のクラスへ顔を出した。
「高杉」
奈々はいつも始業ギリギリにクラスに到着する。
カバンを机の上に下ろして教科書でも出そうかとしていた時、いきなり後ろから宮田に話しかけられて飛び上がるほどに驚いた。
宮田が自分のクラスに顔を出すこと自体がなかなか珍しいからだ。
「!っと・・ど、どうし・・・」
「いいから来いよ」
「え、ちょっとカバン」
「全部持って来い。早退だ」
「は、はぁ?」
宮田は無理やり奈々の手を引っ張り教室から出ていこうとする。
ふと見ると宮田もカバンを下げたままだ。
授業をサボって学校を抜け出す気が満々であることはひと目でわかる。
手を引かれて学校を後にする。
背中からHR開始を告げるチャイムが響く。
誰もいない通学路を自転車の二人乗りで通り過ぎていく朝。
途中からの道のりで気がついてはいたが、ついた先は宮田の家だった。
宮田は部屋に入ってカバンを投げ捨てるように床に置くと、小さく「座れよ」と言った。ここまで連れてこられては抗える雰囲気でもなく、奈々もカバンを下ろしてその場に座った。
「昨日の夜、木村さんが家に来た」
宮田ベッドに背を預けながら、奈々の方を見ずに言い放って、それから首だけを向けて続けた。
「お前と別れたことを説明しろと言われた」
宮田は明らかに不機嫌な顔をしている。それどころか、怒っているのが一目瞭然だ。
奈々は思わず気圧されて顔を背ける。
「アイツに、そう言ったんだな」
「・・・そうだよ」
顔を背けながらも肯定すると、宮田は怒りを抑えた低い深呼吸を一度してから、黙り込んでしまった。
ベッドサイドの目覚まし時計から規則正しい秒針の音が響いて、部屋にこだまする。
チラリと時計を見たらもう9時を過ぎていて、これは担任から家に電話が入っていてもおかしくないだろうな、なんて思っていた矢先、宮田の家の電話が鳴った。