28.最適解
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「別れたぁ?」
あれから1週間後。
ジャンプを借りに来た木村が何の気なしに『宮田とは最近どうよ?』なんて聞いてきたので、正直に報告をした結果のリアクションがこれだ。
「ど、どういうことだよ!?」
「まぁ、もういいじゃない」
「よくねーって!話聞かせろ!」
「やだよ。もうジャンプさっさと持って帰って」
ギャアギャアと騒ぎ立てる木村を部屋の外まで押し出す。
普段、あれこれ自分に相談してくる奈々が、この件に限っては全くもって取り付く島もないほどに門前払いとあっては、木村もそこまで強く絡めなかった。
バタンと閉じられた扉の向こうにある真相。
それに届かないのであれば、もう一つの真相に聞くまでよ・・・と木村は階段を駆け下りて自宅へと急いだ。
ーーーーーー
「別れてませんよ」
「はあ?」
「じゃあ、そういうことで」
電話では絶対に切られるだろうと思い、わざわざ宮田の住むアパートまで車を走らせてきたと言うのに、ドアを半開きにして出迎えたと思えば2秒で閉められそうになるとは。ドアの隙間に足を挟んでおいてよかった、と木村は安堵しながら食い下がる。
「アイツは別れたって言ってんだよ!話聞かせろこの野郎!」
「話すことなんてないんで」
「聞きたいことが山ほどあんだよ!いいから開けやがれ!」
「いやです」
「ふざけんな!オレは認めねぇぞ!別れるなんてヨォ!」
「(・・・痴話喧嘩と勘違いされねぇかコレ・・・)」
ドア越しにガチャガチャやりあっていると、隣人がひょっこり顔を出して「警察呼びましょうか?」なんて言うものだから、宮田も観念したように木村を中に招き入れるしかなくなった。