15.止まってよ
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夏休みに入って、しばらくのこと・・・・
「あっれぇ?こんなところでバイトしてんだ?」
素っ頓狂な声が聞こえたと思ったら、なんだか見たことのある顔が目の前に飛び込んできた。
化粧をしている、この派手な佇まいは随分と目を引く。他人に興味の薄い宮田といえども、その存在を思い出すのは難しくなかったようだ。
「ウチのガッコ、バイト禁止じゃなかったっけ?」
夜の9時を周り、人が少なくなったコンビニのカウンターで、蓼丸は身を乗り出してまじまじと、中にいる宮田に問いかける。
宮田は目の前のレジかごから商品を一つずつ取り出し、極めて無愛想な手つきと声色で、会計を始めた。
「あ、そういう態度取るなら先生に言っちゃお」
「・・・・用がないならお帰りくださいお客さん」
つまらなそうに宮田がボソリと呟くと、蓼丸は嬉しそうに、
「やっと喋ってくれた」
「いいから帰れよ。もう9時過ぎてるぞ」
「心配してくれるの?嬉しい。でもウチ実はここからすぐ近くなんだよね」
早く誰か来ればいいのにとチラチラ自動ドアに目を見遣るも、誰かが入ってくる気配はまるでない。短いため息をつきながら、レジ袋を蓼丸に差し出す。
「ねぇ、もうすぐバイト上がりでしょ?これからデートしない?」
「しない」
「え〜ケチぃ。いいじゃんちょっとくらい」
蓼丸はそう言うとコンビニ制服の裾を引っ張ってグイグイと揺らし始めた。宮田は振り払うように、さらにカウンターの奥へ奥へと移動していく。
「ところで宮田くんは彼女とデートしてるの?」
「・・・・余計なお世話だ」
「あ、その反応は全然デートしてないな?」
蓼丸はケラケラと笑う。彼女がいると知っていてこのアプローチ、冗談なのか本気なのか見当もつかない。
「デートもいいけど、宿題ちゃんとやってるの?」
「・・・・宿題?」
今までの会話の流れで、宮田が初めて積極的な反応を見せた。まさかここに食いつくと思っていなかった蓼丸は些か驚いて、
「宮田くんひょっとして・・宿題・・・忘れてた?」
「・・・」
「うそっ!ヤバくない?」
蓼丸の信じられないと言った表情を目の当たりにし、宮田は奈々に丸写しさせてもらう作戦を思い立ち、気を落ち着かせようとした矢先だった。
「ってか、高杉さんの特進クラスとウチらの宿題って全然違うの知ってるよね?」
「あっれぇ?こんなところでバイトしてんだ?」
素っ頓狂な声が聞こえたと思ったら、なんだか見たことのある顔が目の前に飛び込んできた。
化粧をしている、この派手な佇まいは随分と目を引く。他人に興味の薄い宮田といえども、その存在を思い出すのは難しくなかったようだ。
「ウチのガッコ、バイト禁止じゃなかったっけ?」
夜の9時を周り、人が少なくなったコンビニのカウンターで、蓼丸は身を乗り出してまじまじと、中にいる宮田に問いかける。
宮田は目の前のレジかごから商品を一つずつ取り出し、極めて無愛想な手つきと声色で、会計を始めた。
「あ、そういう態度取るなら先生に言っちゃお」
「・・・・用がないならお帰りくださいお客さん」
つまらなそうに宮田がボソリと呟くと、蓼丸は嬉しそうに、
「やっと喋ってくれた」
「いいから帰れよ。もう9時過ぎてるぞ」
「心配してくれるの?嬉しい。でもウチ実はここからすぐ近くなんだよね」
早く誰か来ればいいのにとチラチラ自動ドアに目を見遣るも、誰かが入ってくる気配はまるでない。短いため息をつきながら、レジ袋を蓼丸に差し出す。
「ねぇ、もうすぐバイト上がりでしょ?これからデートしない?」
「しない」
「え〜ケチぃ。いいじゃんちょっとくらい」
蓼丸はそう言うとコンビニ制服の裾を引っ張ってグイグイと揺らし始めた。宮田は振り払うように、さらにカウンターの奥へ奥へと移動していく。
「ところで宮田くんは彼女とデートしてるの?」
「・・・・余計なお世話だ」
「あ、その反応は全然デートしてないな?」
蓼丸はケラケラと笑う。彼女がいると知っていてこのアプローチ、冗談なのか本気なのか見当もつかない。
「デートもいいけど、宿題ちゃんとやってるの?」
「・・・・宿題?」
今までの会話の流れで、宮田が初めて積極的な反応を見せた。まさかここに食いつくと思っていなかった蓼丸は些か驚いて、
「宮田くんひょっとして・・宿題・・・忘れてた?」
「・・・」
「うそっ!ヤバくない?」
蓼丸の信じられないと言った表情を目の当たりにし、宮田は奈々に丸写しさせてもらう作戦を思い立ち、気を落ち着かせようとした矢先だった。
「ってか、高杉さんの特進クラスとウチらの宿題って全然違うの知ってるよね?」