1.宮田ん家
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宮田と付き合い始めたのは、11月の終わり頃。
冬の到来を告げるような冷たい風が、油断した首元に入り込んでくる日だった。
それから3週間ほど経って、二人でいるのにもようやく慣れてきた感じがする。奈々は自転車を押しながら、宮田はその横を歩きながら駅までの道のりを歩く、距離を保った横並びが初々しい。
宮田は月から金までは高校生として通学しながら朝晩のトレーニングをこなし、土曜日は昼過ぎから晩までみっちりとジムワークをこなす。日曜日はジムは休みだが学業を疎かにはできないのと溜まった家事をこなすのとでパーっと遊ぶわけにもいかず、図書館で1〜2時間、一緒に勉強をするのが付き合い始めてからここ最近のデート内容だった。
「ねえ、今週は図書館が蔵書整理で閉館らしいよ」
「そうか・・・じゃあ、ウチ来るか?」
「み、宮田の家?」
「別にお前の家でもいいけど」
互いの部屋に上がったことはまだなく、ましてや奈々は親にすら彼氏の存在を話していなかった。
そのため、いきなり宮田が家に来るのは非常に気まずい。
「わ、私が行く!」
「じゃあ、日曜な」
宮田は軽く手を上げて、駅の入り口で別れた。
残された奈々は、初めて行く宮田家に少しドキドキしながら、ふわふわとした心持ちで家路につく。自転車もなんだかフラフラと心許ない。
帰宅して、制服も着替えないまま、自室のベッドの上に寝転がる。
「お父さんと二人暮らし・・・なんだよね」
ボソリと呟いた言葉は煙のように天井に吸い込まれて消えた。
「会ったこともないし・・・手土産的な何か・・・いるのかな・・・」
こういった礼儀作法について一番相談できるのは母親であったが、宮田のことを話していない上に、なんだか照れくさくて相談する気が起きない。
「あ〜もう、まぁいいや。手ぶら!手ぶらでいこ!」
冬の到来を告げるような冷たい風が、油断した首元に入り込んでくる日だった。
それから3週間ほど経って、二人でいるのにもようやく慣れてきた感じがする。奈々は自転車を押しながら、宮田はその横を歩きながら駅までの道のりを歩く、距離を保った横並びが初々しい。
宮田は月から金までは高校生として通学しながら朝晩のトレーニングをこなし、土曜日は昼過ぎから晩までみっちりとジムワークをこなす。日曜日はジムは休みだが学業を疎かにはできないのと溜まった家事をこなすのとでパーっと遊ぶわけにもいかず、図書館で1〜2時間、一緒に勉強をするのが付き合い始めてからここ最近のデート内容だった。
「ねえ、今週は図書館が蔵書整理で閉館らしいよ」
「そうか・・・じゃあ、ウチ来るか?」
「み、宮田の家?」
「別にお前の家でもいいけど」
互いの部屋に上がったことはまだなく、ましてや奈々は親にすら彼氏の存在を話していなかった。
そのため、いきなり宮田が家に来るのは非常に気まずい。
「わ、私が行く!」
「じゃあ、日曜な」
宮田は軽く手を上げて、駅の入り口で別れた。
残された奈々は、初めて行く宮田家に少しドキドキしながら、ふわふわとした心持ちで家路につく。自転車もなんだかフラフラと心許ない。
帰宅して、制服も着替えないまま、自室のベッドの上に寝転がる。
「お父さんと二人暮らし・・・なんだよね」
ボソリと呟いた言葉は煙のように天井に吸い込まれて消えた。
「会ったこともないし・・・手土産的な何か・・・いるのかな・・・」
こういった礼儀作法について一番相談できるのは母親であったが、宮田のことを話していない上に、なんだか照れくさくて相談する気が起きない。
「あ〜もう、まぁいいや。手ぶら!手ぶらでいこ!」